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SOS .027 主

『名誉の為に言いますけど

この子が特別がに緩いだけですよ』


 人を疑うことをしない人なんだろう。

膳は素直にそう思った。


「すいません、ずっと話し込んじゃって。

あ、そうだ、お腹空いてますよね!?」


 ソアラがどんどん携帯食を取り出す。


『いい加減に口を付けないと

全部出す気よ、この子』


「イ、イタダキマス?」


 色の違いぐらいしか分からない固形物を

適当に選び、膳はモグモグと噛み砕く。


 一番チョコっぽい奴は

ただただ腹が膨れる味がした。

甘くもなんともない。


 それはそうと話し込み過ぎたのは本当で、

とっくに太陽? は昼を回っている。


 ソアラは迷ったものの、

多少の会話が出来て、また

膳とソアラの二人とも

身体には以上が無いことを踏まえ

下山することを考える。


 本当は朝一番から出立するべきだが、

まだ戻らないシルビアも気掛かりであり

距離を考慮しても

ミラに向かって下るのは正解だと思えたからだ。


「ゼンくん」


「ハ、ハイ」


「一緒に来て貰えますか?」


 真剣な表情で手を握ってくるソアラ。


 膳はドギマギしながら、とりあえず頷いた。


『やれやれ』


 どこからかカイケンの呆れた溜め息が聞こえる。



 やや不十分な打ち合わせをして、

ソアラと膳は小屋を出る。


 ソアラは自分がしっかりしなければと思い、

柄にもなく仕切り役を率先して行う。


「さあ、足元に気をつけてしっかりと…」


 その時、地面が大きく波打った。

地割れか地震か、足元がおぼつかなくなる。


「「うええええ?!」」


 まだ日も高いと言うのに、

二人の周囲には薄暗い陰が浸食してくる。


 大揺れの正体と、

その陰の正体は同一の存在だった。


 二人が見上げるその先には、

小振りな山が見えた。普通と違うのは、

明らかにゆっくりとだが動いていることだろう。


「こここ、これって…!」


 ソアラが見ていたのは山ではなく、

亀だった。ただ図体の大きさが、

冒険者ギルドの宿舎ほどの図体をしている。


「……まさか、山の主?」


『正解です』


 カイケンが膳にだけ聞こえるような声で、

現象を肯定した。


『あれだけ騒げば、そりゃ起きますね』


「ど、ど、ど、どうすれば」


 焦るソアラの足元に蔦が絡みつく。


 主の皮膚に共生している補食植物だ。


 正直こいつだけでも大概面倒な相手だ。


「カ、カイケンさん! …!?」


 小声で叫ぶ膳にカイケンは助言する。


『両手をピッタリとくっつけなさい』


「へ?」


『いいから早く。死にたいんですか?』


「了解です!」


『イメージをしてください。

右手と左手が混ざりあって、一緒になるイメージです』


「一緒、に?」


『それがあなたの固有能力。融合化よ』

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