表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
241/253

SOS 241 逆理

『シルビアお嬢様は、まともに神導術が

使えないと仰っておりましたね』

『そうよ。……それが何?』


 世界を歪めながら、シルビアは白雪との

やり取りを思い出していた。


『それは生まれつきなのですか?』

『ええ、身体の外へ放出することや

干渉させることが出来ないのよ。

病気じゃないけど……体質ね』

『籠身というものですか』

『……物知りね、あなた。

地元の先生もそう言ってたわ』


 ファティマが違和感を感じた。

説明が難しいが、自分の腕が

意識しないと動かせなくなってくる。

 普段、無意識に行っている動作が

考えなければ出来なくなっていた。


『では、どうやって首席に?』

『単純よ。相手の弱点を徹底的に突く。

そして規則に抵触するギリギリの作戦を練る。

手段や見栄えに拘らなければ、

学生連中に勝ことは不可能じゃないわ』

『なるほど、ですがそのせいで――』

『希望のギルドには行けなかった。

……残ったのは神鉄如意の借金だけ』


 ペルシーも同じく、

自分の身体に異変を感じた。

 普段は意識的に操作している身体が

まるで勝手に動くような違和感。

 集中しようとしてもハナからその

意識が霧散していく有り様だった。


『以前使用されていたという特注武器ですか』

『ええ、完全に壊れたけどね』

『それは良かったですね』

『……はい?』


「(なによコレは!?)」

「(身体が……おかしい!?)」


 シルビアの術式がファティマとペルシーに干渉する。

ゼンから貰った指輪が強く輝く。


『そのお陰で、ご主人様は

より最適な神導具を産み出せたのですから』

『……そんなに凄いの?

その指輪って』

『誰でも、というわけではありませんが、

シルビアお嬢様なら使いこなせるでしょう』


 シルビアは瞬間的に術式を構築する。

万能ではない神導術であるが、

ゼンの指輪はその壁を超えることができた。


 もちろん、

それはシルビアの才能があってこその芸当だ。


 相手の持つ本質の指向性を僅かに歪める術式。


 その術式を今、この瞬間、

二人だけのために即興で構築する。


挙動に制御がかかり、ファティマとペルシーに大きな隙が出来る。

シルビアはそれを逃さず、捕縛するための術式を次弾として発動させた。


 ファティマとペルシーは咄嗟に動く、

ファティマは捕縛術式を迎撃するため、

そしてペルシーは捕縛術式から逃れるように。


 二人の意識が決定的にズレた瞬間だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ