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SOS .024 探索

オズマット達は問題の《洞穴》に到着していた。


 ピースが意外にも真面目に

基本的な確認を終え、報告書をまとめ始める。

 サティは《洞穴》内部の生体反応などを調べていた。


 そんな中、オズマットは慣れた手つきで

遠距離通信用の神導具を操作している。


 通信手段については戦時中の情報ギルドの台頭により、

かなりの制限が設けられているのが実情だ。

 戦争とは即ち情報戦であるとも言えるからだった。


 特に、国境付近を越境するような通信は許可制であり、

特定の権限者でなければ行えない決まりとなっていた。


 そういう事情をややもどかしく思いながら、オズマットは

報告を終え、改めて《洞穴》をまじまじと観察する。


「どうします?

規則的にはもう充分ですけど」


 ピースが軽い口調で聞いてくる。


 その言葉を非難するように、

サティが咳ばらいをした。


「教務官。二人の痕跡は見つかりました。

間違いなく《洞穴》には入っているようです。

ただ、この入口から外に出た形跡はありません」


 生真面目なサティの報告が続く。


「いやいや、サティちゃん。

俺も美人姉妹は心配してんのよ」


 ピースの言葉にサティは渋面を作る。


「もち、サティちゃんも美人だぜ?

三姉妹って言ってもいいかな」


 サティの眉間に皺が寄ったところで、

オズマットは二人に確認を出した。


「はいはい、それまでな。

ちょっと気になることがあるから

内部の探索も進めようと思うんだが」


「いいっすけど、

ただの《洞穴》ではないわけでしょ。

三人纏めてあの世行きってのは避けたいと…」


「なら、ここで待っていればいいじゃないですか」


「そんな怒らなくても。

サティちゃんに嫌われるのは困るな」


 フランドルが毛嫌いする

冒険者ギルドの特徴がこれだ。


 教務官の言葉とはいえ、

全面的に信服するわけではなく、

異論は常に出る。


「分かった。

それで行こう。

ピースは見張り。俺とサティは探索。

何かあればピースの判断で下山してくれ。

どうだ?」


「異議なしっす」「異議なしです」


 オズマットはサティに目配せすると、

サティを先頭に《洞穴》に入って行く。


 生贄というわけではなく、

この方が合理的だからだ。


「…可能性ですが、ここは《洞蜘蛛》の巣を利用した

人造洞穴かもしれません」


「わかるのか?」


「はい、こことここ。

感触が違います。

蜘蛛穴とは別に抜け穴を作ったようです。

しかも珍しいことに、同居しているみたいですね。

もう少し入れば、典型的な落とし穴が待っています」


 生物の生態に精通しているサティが

巣の擬態を看破していく。


 説明屋のサティの

聞いてもいない解説を半分ほど聞き流しながら、

オズマットは一人、深呼吸をした。


「(フランドルの奴、何をやってる?)」







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