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SOS 236 試験

 ファティマとペルシーは王都の戦術ギルド

出身である。

 見目も悪くは無いが、彼女達の扱い

が特別なのには理由があった。


 それは彼女達が剣術と神導術を合わせた

剣術式の使い手であることによる。


 戦場におけるその汎用性と希少さから

ベゲッド商会が高値で引き抜いたというのも

頷ける話だった。


「サングリッド家のご令嬢ですか」

「とは言え、手加減されるのは

誉れではありますまい。

全力でお相手致します」


 ファティマとペルシーが鋭い眼光で言う。

所作といい言葉遣いといい、

良くも悪くもらしい応対だった。


 殺気はそれ程には感じられないが、

油断もまた感じられない。

 軍人らしい生き様だ。


「(……シルビアちゃん、ど、どうする?)」

「(……白雪さんの読み通りで癪ですが、

作戦通りでいきましょうか。

私が後衛、あなたが前衛で)」


「説明も必要ないと思いますが、

いわゆる実技試験だと思って下さいな。

軽い部位欠損であれば、こちらで治癒可能です。

降参の場合は、宣言だけで構いません」


 ミラルダはそれだけ言うと、部屋の隅に移動する。

経験則で一番安全な場所を知っているのだろう。


「(……最初から、全力で?)」

「(そうですね……私の見立てでは

半分ぐらいからで良いでしょう)」

「(つ、強そうだけど、それで勝てるの?)」

「(厳密に言えば勝つ必要は無いですが、

まあ大丈夫でしょう。それに――――)」

「(それに?)」

「(油断しなければ勝てるという

顔がムカつきますね。

あいつらの本質を暴いて、

コテンパンにしてやりましょう)」

「(……な、なるほど)」


 シルビアは最近までずっと白雪に

遊ばれていた。その苛立ちが現在では

最高潮に達していたのだ。


「では、初め」


 ミラルダの合図で四人が身構える。


 ソアラとシルビアは前衛と後衛で、

ファティマとペルシーは両並びだった。


 様子見でも入るかと思っていた

ファティマとペルシーだが、

ソアラがぺたりと一歩、足を踏み出したので

やや虚をつかれた。


 そしてそのまま、ブツブツ、ゴニョゴニョと

何かを反芻しながら、無防備に近付いてくる。


 二人は戸惑いながらも

その手にある武器を握り、

ソアラへと反撃を加えた。


 ソアラは尚も、何かを呟いている。

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