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SOS 215 自宅

「……まあ、良いんだけど。

他にやり方なかったの?」

「ご、ごめんなさい」

「こら、マリン。

誠に申し訳御座いませんでした。ですよ」

「いや、謝り方に文句がある訳じゃないのよ」


 ずぶ濡れのシルビアにマリンが謝り

白雪がその謝り方をたしなめた。


「まあ、結果的に無傷で制圧出来たわけだし

良いんだけどね」

「ま、誠に申し訳――」

「いいってば。マリンちゃんは悪くないから」

 シルビアは言い過ぎたと反省しながら

ちらっと先程の避役族達を見る。


 白雪の糸でくるまれて、身動きが

とれなくなっている。

 まだ大半が気絶していた。


「……普通じゃないわいなぁ、お前さん方」

 低く唸るような声に、白雪が反応する。


「普通の対象者を捕まえるために、

あなたはその術式を会得したのですか?

もの好きですね」

「ちっ」


 既に達観しているらしく、

集団の先導役と思しき男は

大人しく横たわっていた。


「……しかしまあ、確かにこのままというわけには

参りませんね。一旦、戻りましょうか」

「え? 宿に? 引き返すの?」


 白雪の言葉に、ソアラが反応する。

先の宿からもうすでに

かなり進んでしまっていたからだ。


「いえ、自宅にです」

「ほえ?」


「《融合》」

 再び全員に回線が繋がれる。

「《転移》」


 シュワン。と音が鳴り、

全員の姿が消える。完全な消失だった。


「やっぱり、普通じゃないわいなぁ……」


 残された避役族の男は

目を丸くして驚いた。


「え? 何で?」

 玄関で出迎えてくれたのはピースだった。

清掃用の服を身にまとい、

せっせと玄関前を掃除していたのだ。


「何でピース先輩が掃除を?」

「いや、それより何で?

帰ってきた……の?」

「はい。転移で」

「え? チョットマッテ?

じゃあ、わざわざ荷馬車で行く意味無くない?」

「残念ながら転移は一度行った場所にしか

行くことが出来ないのです」

「へえ……ん?

でもソアラちゃんとか王都に

行ったことあるんじゃない?」

「ええ。ご主人様は

行ったことが無いという意味でございます」

「……えっと、だから?」

「ご主人様の能力です。

好き勝手に使うのは

好ましくありません」

「いや、線引きがわかんない……」

「それに、急に王都に着けば、

色々と勘ぐられます。

余計な火種は無用ですから」

「の割には、自由に使ってそうだけど。

正直、秘密には出来てないと」

「ご安心を。

情報操作は、まあ不得意ではありませんので」


 自信満々の白雪にピースは言葉もなく、

とりあえず気を取り直して出迎えた。


「ま、いっか。

んじゃまあ、お帰りー」


「というか、何でピース先輩が掃除を?

他の皆は?」


「んー? みんな仕事に行っててさー。

やることないしー、掃除でもしようかなーって」


「……意外と真面目ですね……」

 シルビアがやや驚く。


「そりゃどうも。

ところで、仕事って言ってたけど、

一体何の仕事してるの?

って、ああ、立ち話も何だな。

とりあえずおかえりー」


 ピースがこなれた手付きで玄関扉を開いた。




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