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SOS 199 面通し

「かしこまりました。

それではそろそろ面通しを行いましょう」

「え? 面通しって?」

「今の使用人にゼン様のお顔を

覚えさせます。また、同時に融合化で

万が一の事態に備えましょう」


 もはや作戦参謀の風格を持つ白雪が

その封書の内容を確認すると、

直ちに作戦会議が立ち上げられた。


 同席しているシルビアとソアラも

白雪の話に聞き入っている。

 とりあえず反論するような経験値も無いので

仕方が無い。


「先に、今回の召還状ですが、

恐らく大きく分けて2つの

目的があると言えましょう」

「えっと……ゼンを直接尋問したいんでしょ?

多分、中央のお偉い人が」

「はい、シルビアお嬢様。

1つはそうでしょう」


 白雪がにこやかに答える。


「それ以外に目的があるの?」

「恐らく、この屋敷を無人にする、または

手駒の管理人を置くことでしょう」


 へえ? とソアラは首を傾げる。


「今回の召還状では

『ご主人様』『シルビアお嬢様』『ソアラお嬢様』

のお三方は必ず向かう必要が御座います。

また時期から見て、私が屋敷を訪れる以前に

作成されたものと推測出来ます」

「まあ、そうね」


「同時に、こちらのカルマリに居る

中央の息が掛かった人物に

指示が入るでしょう。

その者が屋敷を管理するという名目で

遅からずやって来るはずです」

「えらい回りくどいわねー。

それなら最初から置けば良いのに」


「いえ、それは恐らくですが、

ギルドマスターさんの配慮でしょう」

「へ?」

「え?」


「その提案を蹴って、シルビアお嬢様と

ソアラお嬢様をこの屋敷に住まわせたのは

つまりそういう理由です」

「えっと、どゆこと?」


「息の掛かっていないと断言出来る人間。

そういう方を傍に据えておきたかったのだと

思われます」


 シルビアとソアラは何となく

わかった気がしたが

ただそれだけだった。


 ゼンはそれはそうとして

気になる事をもう一度問いかけた。


「えっと、それで面通しって?

どうすれば……?」


 シルビアはその質問に対して、

にこやかに微笑んだ。


「はい、各自自己紹介を

させて頂きますので

それが終われば融合化でこれを

埋め込んで下さいませ」


 そう言うと、白雪は服の内側から

丸い筒を取り出した。


「……一応聞くけど、何ですかそれ」

「私から抽出した毒薬です。

膜がはじけて体内に出れば、

即死で御座います」

「いやダメでしょそれは!」


 白雪の笑顔が恐ろしい。


「……しかし、彼女達はまだ

ご主人様の尊さを理解して御座いません。

念のための首輪は必要かと」

「いや、それはだって……その

他の方法を考えましょうよ」


 白雪がどうしてもバイオレンスな

考えによってしまうのを、ゼンはどうにか

止めるよう注意する。

 

 あれ以来、白雪は日に日にゼンを

神格化した言動が増えてきていた。


 その場はとりあえず

結論を保留にしておく。

白雪は用事を終わらせるべく、

階下へと降りていった。


「……ちょっと、ゼン。あんた

何か変な洗脳とかしてない?

最初は大人しくて可愛い子だったのに

最近ちょっと怖いんだけど?」

「いや、何も……」

「……正直、あたしもちょっと怖い時ある」


 シルビアとソアラが

白雪が出て行ったのを見送って

ひそひそと話を始めた。


 もちろん、白雪は三人に対して常に敬意を

払っているので、不快な思いを

したことは皆無だったが、

それと安心は別問題であった。


 何故なら、今も時折

階下から誰かの叫び声が聞こえてくるからだ。


「……しら……すい……せん………ごめ………さい……」


 その声を聞いて、三人は青ざめる。


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