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SOS 191 思惑

 ゼンは夢の中で思い出していた。

それは、事件が終わった後で、サイエン達に

呼び出された時の出来事だった。


 正体? というか、素顔を晒したサイエンに

カイケンとキチョウは動揺したが、

サイエンは涼しい顔でこう言った。


 シルビアとソアラ、どちらかと付き合えと。


「あの、それはどういう……?」

「言葉通りの意味ですよ」


 ゼンは誰かに助けを求めたかったが、

カイケンはやれやれとうなだれて、キチョウは

既に静観構えをしている。

 話に割り込む様子は無かった。

 仕方なしに、ゼンは自分で考える。


「……えっと、つまり

それが僕の呼び出された目的、

ということ何ですか?」

「あら、鋭い。半分当たりです。

正解のご褒美にコレを上げましょう」


 サイエンから小さな包みを貰う。


「え? あ、はい。どうも……」

「あなたにはとても濃厚な運命の要素が

混じり込んでいます。

その運命の要素はとても強く、

あなたに関わった存在全ての

可能性を変質させてしまうほどなのです」


「えっと? その、つまり

その運命の要素? が原因で

僕は呼び出されたということですよね?」

「うーん、半分外れです。

コレを上げましょう」


 サイエンがもう一つ包みを渡す。


「その運命の要素により、あなたは

《融合化》という唯一無二の能力を

獲得するに至りました。

今はまだ、この国の連中しか把握出来て

いませんが、直に他の国も組織も

……そして《宝銘》の連中も

知ることになるでしょう。

あなたの存在価値を。

すると、どうなると思いますか?」

「えーと、その、何かに利用されたり、とか?」


「半分正解。

もちろん囲い込みはあるでしょうが、

反対の反応もありますよ。

いわゆる暗殺。排除するということです」


 ゼンはゴクリと唾を飲み込む。

まるで他人事のような言葉だが、

サイエンはゼンに降りかかる具体的な災難として

その言葉を用いていた。


「あなたの《融合化》はそれは強力です。

普通に戦えば、大抵の存在は圧倒出来ます。

しかし、完璧でも完全でも無い。

発動まえにやられれば、イチコロです。

そもそもあなたは一般人ですからね」

「なるほど……」


「そこで、これからこの世界で生きる

心構えを伝授しようと思います」

「こ、心構え?」


「恐らく、複数名の暗殺者、そして

あなたに取り入ろうとするものが

現れる筈です。

その者達を、全て手駒にしなさい」

「て、手駒?」


「……手籠めでもいいけど」

「いや、しませんよ!」


 サイエンが引き気味に言うので、

ゼンはムキになって否定する。


「あなた自身を守る戦力を増やして、

組織を作るのです。

一定以上の組織力を持てば、

相手との交渉も対等にする事が出来ます」

「それって……もう組織というか、国?」


 サイエンはニヤリと笑った。


「あら、大正解。

もうこれ全部差し上げましょう」


 どこからか大量の包みを出してきた。


「えっと、国を興せと…………?」

「まあ、それが一番手っ取り早いですかね」


「それで、……皆さんは何があるんですか?

僕がこの世界に来て、国を興せば、

何が起こるんですか?」


「まあ、願いが叶う。ってことよ。

それは、あなたにしか叶えられない願い」


「……皆さんが流暢な日本語を話しているのは?」

「教えられたからよ」


「誰に、ですか?」

「……誰だと思う?」


「僕と同じ日本人……?」

「……半分正解」


 サイエンはそれだけ言うと、

すっくと立ち上がった。


「ま、そういうことで、

ゼンくん、大いに新しい人生を楽しんでよ。

覚えてるかは知らないけど、

前の世界より楽しく生きられるんじゃない?」

「え、ちょっと、それだけですか?

伝授って言うのは」


「そうよ、心構えだけだからね」

「で、最初の付き合えって話は

結局どういうこと何です?」


「ん? いや、変なのに捕まる前に

さっさと童貞捨てておきなさいっていう

老婆心から?」

「余計なお世話ですよっ!」


 そのままサイエンは「バイビー」といって

三人ともに消えていったのだ。

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