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SOS 176 被り物

『サイ……!?』

『くっ!?』


 止めようしたカイケンと、抵抗しようと

したキチョウ。


 しかしその二人の防護術式を破壊して

サイエンの強制転移術式は発動した。


 一瞬で、三人が転移し、

目の前にゼンが現れる。


 そのやや豪華な部屋には、ゼンが1人で

ぼんやりとしていた。


「え? な、な?」


『お久しぶり、ということもないですか?

どうもサイエンです』

「え? あ?」

『あら? 随分と良いお召し物を

してますね?

扱いも変わったみたいですし』

「サ、サイエン……さん?」

『そうですよ。

よくも魔獣に身売りして

くれやがりましたね』

「えあ……?

いでっ、イデデデデデデ」


 サイエンがゼンの顔を鷲掴みにして、

ギリギリと力を込める。


『ちょっと! 他に誰かいたらどうすんの!

特にあのヒナギクとかいうの

やばいんだから!』

『そうですよ。わたくしも

あまり今は会いたくない方が

こちらにはいるのですから』


 二人ともゼンの心配はしていなかった。


『大丈夫、大丈夫。

ここいらには誰も居ないよ。

それを確認して連れて来たんだから』


 ひとしきり締め上げたサイエンは、

ようやく力を緩めてゼンを解放する。


『さて、お遊びはこれぐらいにして、

ゼンくん、お話があります。

宜しいですか?』


 宜しくなくても

聞く耳は持っていそうにないサイエンは

勝手に近くの椅子に腰掛ける。


「………えっと……」

『既に聞いていると思いますが、

ゼンくん。あなたはこの世界では

ここウルメリア王国の先代王

ウルメリア・ルヴァン・テルエルハイムの

隠し子という扱いになっています。

……何故だかわかりますか?』


 サイエンは流暢な日本語を話しているが

あまりに自然すぎてゼンは普通に答える。


「いえ……全く」


『あなたは国宝である《宝剣》を

扱ったどころか、契約改変まで行いました。

それは王家に取って由々しき事態なのです。

もしあなたが王家になんの縁もない

となってしまえば、王の権威は地に落ちる』


 ゼンは何となくだが、

サイエンの言いたいことがわかった。

 パソコンでいえば、

勝手に管理者権限で中身を

弄られたということだろう。


 そのパスワードは、王家しか知らない、

というよりは血筋なのだろう。

 遺伝子情報というものか。


『しかし、それで問題の解決とは

なりません。幸いにも

王の継承は末弟であるデュッセルハイムが

可能ですが、選挙も無しに行えば、

四家が黙っていないでしょう』


「四家? えっと、

王様に選挙が必要なんですか?」


『その通り。この国は最初に

王を捨てた四家の貴族、四聖貴族から

成り立った国なのです。

その四聖貴族が持ち回りで

王の冠を抱いているのですよ。

一家で三代の王を継ぐ。

それがこの国のシステムなのです。

……まあ、王を捨てた連中が

王を冠するなんて、悪い冗談ですけどね』


 サイエンが振り返る。


『さて、そこでゼンくんにお願いがあります』

「お、お願い? ですか……?」


 サイエンは徐に顔を掴むと、

被り物をすっぽりと取り外して見せた。


『ちょっとあんた!』

『まさか!?』


 中から出てきたのは、ゼンと同い年位の

女の子だった。

 少し色素の薄い赤髪に

ウェーブがかかり、

そばかすが残る肌。


 この国ではどこにでも居そうな、

普通の女の子だ。


「私はある人を救いたいのですよ。

その為にアナタの力が必要なんです。

……取り急ぎ、シルビアかソアラの

どっちかと付き合って貰えますか?

まあ、二人一緒でもいいですけど?」


 サイエンはとてもにこやかに告げる。


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