Scene17.『黒い悪魔と白い悪魔』―3
『黒い悪魔と白い悪魔』の完結編になります。
※つじつまが合わない部分が発生してしまったので、このエピソードに合わせて同作短編「Brad ver」の内容を何カ所か修正しました。さらに「Red ver」も部分改正(表現の言い換え)もしました。
「やけに道が混んでるな。工事でもやってるのか」
午後の勤務を終えて車で帰宅途中、渋滞に巻き込まれてマドックは独語した。前を走る車が、歩いたほうが速いのではと思うぐらいのノロノロしたペースで進んでいく。いつもなら自宅まで十分で着くのに、ほとんど変わらない景色に苛立ちが募る。やがてもうあと数台分で信号まで辿り着く、という所まで来た時だった。車体を揺らす嫌な衝撃が背後を襲った。やられた……。後続車に追突されたのだと察してマドックは嘆息した。すると後ろで短くクラクションが鳴り
「申し訳ない!」と後続車の運転手が、窓から顔を出して謝罪してきた。しわがれた老夫の声だった。
車はバンパーがへこんで修理に出さなくてはならない状態だった。話し合いの結果、その修理代はぶつけた相手が保険で一部負担してくれることになったが、なんてついてないんだ。そう歎かずにはいられないマドックだった。
翌朝から職場の病院まで妻専用にしている車で運転手に送迎してもらうことにした。その車は昼間、妻が自由に使えるようにするためそうした。そして勤務を終えた夕刻、迎えの車を電話で呼び出すが
「遅い」
腕時計を眺めてマドックは悪態をついた。屋敷に電話を入れてから二十分が経過しても迎えの車がまだ来ない。外の灰皿が置かれたスペースにやって来て、休憩がてら話し相手になっていた従業員もとうとういなくなる。一人になったマドックは喫煙しないので手持ち無沙汰になり、鞄の中から携帯電話を取り出した。
「今どの辺だ」
堪らず運転手に電話する。待ち時間が二十四分を経過した時にはすでに歩き出していた。通話に応じた運転手が、渋滞に巻き込まれて動けないことを告げると
「そこまで歩く」と言ってマドックは病院の門を潜って路地に出た。辺りは薄暗く、街灯が点り始める時刻。彼はコートの衿を立てて、鞄を片手に小気味の良い靴音を響かせて歩いていく。カツンカツンカツン。そこを歩くのは彼ただ一人。佇むだけの民家。街灯。漂う夕餉の匂い。繰り返しのようなその風景の静寂と何度もすれ違う。昼間であればそれらの風景は素朴で安らげる町並みだった。それが今は静寂と薄い闇で圧迫感を与えてくる。
ふとコートの衿元からすーっと冷気が流れ込んできた。背後から重なる足音。カツン。カ……ツン。悪寒が背筋を伝い、恐怖が忍び寄る。暗闇の中で後から付いて来る足音がこれほどまでに気味が悪いとは……。そして意を決して振り向くと
「っ!?」
誰の姿も見当たらなかった。気の所為だったのか? 再び彼は歩き出した。するとまた彼の靴音とは別に背後から歩調が異なる靴音が。カツン。カ……ツン。カツン。カ……ツン。そしてまた振り返るが――
「?」
後ろには誰もいない。足音の正体がわからぬまま、しかし途中で合流した送迎の車に乗り込んで何事もなく彼は家路に着いたのだった。
翌朝、彼宛てに一通の封書が届いた。
「中をお調べしましょうか?」
「いや、自分でやる」
差出人の名前がないことを不審に思って執事がそう言ったのだが、マドックはそれを断り封書を受け取って書斎に入った。ペーパーナイフを使って慎重気味に封書を開封すると二つに折った紙が一枚入っていた。それを広げてみると
“「I」 「m」「u」「r」「d」「e」「r」「y」「o」「u」
(お前を殺す)”
新聞の文字の切り抜きを貼って作った文章の殺害予告状だった。
「誰がこんなものを……」
そして彼はすぐにはっとして青ざめた。まさか――
ある人物の顔が脳裏に浮かんだ。次兄の“ルパート”――彼が僕を消そうとしている? そう訝ったマドックはもう一人の兄リチャードにそのことを相談し、家の周辺に不審な人物がいないか警官に巡回してもらうことにした。
それから数日が経過したが、警察からは何の連絡も来なかった。本当に巡回してくれているのだろうか。疑念が浮かび電話して問い合わせるも、得にそういう人間は見付かっていないと言われた。私服で密かに見張ってもらっているはずだが、もしかしてばれたのか? それかもしくはあの脅迫状はただの悪戯だったのか。悩む彼に
「あまり気にするな。何もないにこしたことはないじゃないか」
兄のリチャードはそう言って励ますのだった。
マドックは思う。このまま何事も起きなければよいのだが……
しかしそれを嘲笑う者がいた。
完全な漆黒には染まらない紫灰色の都会の闇。その一角にあるマンションの一室で、窓一面に広がるそれを背に一人ほくそ笑む中年の男。彼はウィスキーの入ったショットグラスを口に運んで傾けた。快哉の味が喉に染み渡る。
「マドック、警察を唯一の正義だと思ってはいけない。この世の正義とは、自分にとって都合が良いことを言うのだ」
そこにはいない弟に話しかけるように、“長兄のリチャード”はそう独語した。
マドック宛に殺害予告状が入った不気味な封書が届いてから五日。犯人に動きはなかった。しかしその間マドックは、夢の中で何度も誰かに追いかけられていた。付いて来る足音に気付いて逃げようとするといつも身体が鉛のように重くなり、速く走ることも声を出して叫ぶこともできなくなってしまう。彼は死に物狂いで虚空を掻くが、やがて追い付いた犯人に肩を掴まれ「殺される!?」そう叫ぼうとした瞬間、ガバッと飛び起きる。その繰り返しだった。そんな夢を毎晩見続けたマドックは、眠ることが恐怖になってしまった。しかし眠らなければ仕事に支障が起きるため、睡眠導入剤を服用した。そうすると夜、悪夢にうなされることなく熟睡することができるようになったが、それは夜間だけのことだった。悪夢は早朝にやって来る。薬の効果が切れる頃に。
「マドック、大丈夫? 毎日うなされてるみたいだけど」
同じベッドで寝ている妻はそんな夫のことを心配していた。しかしマドックは
「大丈夫だ」と誤魔化し続けた。あんな手紙が送られてきて、しかもその贈り主が実の兄かもしれず、いつか殺されるかもしれない恐怖に怯えて悪夢を見るようになったなど言えるはずもなかった。彼女は精神的に崩れやすい人だ。息子のブラッドを育てるうちにようやく以前のような笑顔が戻ってきたというのに、また心配事を増やして彼女を悲しませたくない。もうこれ以上不幸にさせるわけにはいかない。マドックは強くそう思い、妻に真実を打ち明けようとはしなかった。
「もうしばらく僕の送迎を頼む」
仕事帰り、車内で電話を済ませたマドックはハンドルを握る運転手に向かって言った。修理に出した車は部品の交換をすることになっていたが、入庫が遅れているため、まだ修理されていなかった。運転手のマシューは、構いませんよというように「承知しました」と軽く返すと、気持ち良い速度に乗せて家路を急いだ。
夜が深まるに連れ、マドックの心にも闇が降りて来る。車が戻ってくるまであと八日。マドックが警察に依頼した巡回捜査は、不審な人物は見付からないということで既に打ち切られてしまっていた。机に向かっていた彼は、ふと意を決したように引き出しを開けて、中から便箋と黒い封筒を取り出した。便箋の紙面にペンで何かを書き綴る。それを二つに折り畳んで封筒の中にそっと収めた。
数日前――
《お前に殺されるかもしれないと言ってきた》
「まぁ、私を疑うのは当然だろう。だが――
私は犯人じゃない」
電話越しにルパートはそう言った。町の喧騒から離れた自宅の地下室で。辺りは夜の静寂に包まれていた。通話の相手は兄のリチャードである。
《お前じゃないとすると、じゃあ……》
「ふふふ……」
思案する兄の声を聴いて、ルパートが面白そうに笑声を漏らす。
「あなたも知っている人間だ。最近知り合った、それがヒントだ」
《最近知り合った? もしかして“あいつ”か? そうか、そうだったのか……》
一人納得するリチャードに、口の端を上げてルパートは回答した。
「そう、私達の
“もう一人の弟”だ」
手紙をしたためた日の翌日――
マドックの屋敷は週末の長閑かな夜に包まれていた。
あれから十年も経ったのか。僕があの事実を知り、ルパートとの関係に亀裂が生じたまま、その年の冬に息子達が産まれた。ブラッドは健やかに成長し、面立ちは稀に見る美少年で、母親のロビネッタによく似ている。頭が良く、成績は同じ歳の子供とは比較にならないほど優れている。まるで両親の特性の良い部分だけを選んで生まれてきたみたいに。それが人工的に行われた。ブラッド……あの子は
“天からの授かり物”ではないというのか?
妻と息子と囲む食卓。妻と会話しながらふと垣間見える息子の愛らしい笑顔。そんな幸福な風景を見れば見るほど、マドックの胸は悲痛な思いで締め付けられていった。
僕の兄はなんてことをしてくれたんだ――!
妻も息子もあのことをまだ知らない。知らないほうが幸せなのかもしれない。もしこの事実を知ったら、彼女はきっとそれを受け入れることができないだろう。だが、息子にはそれを伝えなければならない。事実を知り、その運命を背負って生きて行くために。
妻のロビネッタを守ってもらうために……
「ブラッド、食事が終わったら書斎に来なさい」
夕食の席でマドックは、息子にそう言い残して席を立った。
書斎に入るとマドックは、机の椅子にかけて机上に頬杖を突いた。物憂げな表情で虚空を見詰めているとドアをノックする音がした。
「ブラッドです」
息子の声がしてマドックは「入りなさい」と促す。他に椅子などは置いていないので、ブラッドは椅子に座っている父親の前に立って話を聞く。
「ブラッド、今から大事なことを言う。いいか、冷静に聞くんだぞ?」
マドックの声が震えそうになる。話を聞かされようとしている息子よりも、話そうとしている父親の自分のほうが緊張しているのがわかった。息子はとうに覚悟を決めているようだった。戸惑いというものがまったく見られない。この子は書斎に来る前からわかっていたのだろう。
この子には不思議な力がある。後に起きる出来事をまるで知っているかのように話すことが度々あった。それもそうなるように兄が遺伝子を操作したのかもしれない。
マドックは、彼も覚悟を決めた。彼は息子の透き通るような茶褐色の瞳を見詰めて言葉を紡いだ。
「私は誰かに狙われている」
まだ十歳の子供にこの言葉はかなりの強い衝撃を与えるはずだった。しかしそれを聞いた息子の反応はそれほどたいしたものではなかった。瞳を一瞬大きく瞠った――それだけだった。
マドックは続けて言った。
「私にもしものことがあったら……この屋敷はお前に託す」
「僕に?」
「そうだ。――お前にこの屋敷を仕切る権限を与える」
言うとマドックは引き出しを開けて、中から黒い封筒を取り出した。先日彼がしたためた手紙である。それを息子に差し出した。
「この手紙を大切に保管しておきなさい」
ブラッドはやはりなんの躊躇う様子もなく、黙ってその封筒を受け取った。
「それを開封するタイミングがいつか――“お前には分かるはずだ”」
「……」
ブラッドは何も問わない。彼はこうなることを知っていた。おそらく彼の“第六感”で。
七日経ち、車の修理が終わったとの連絡が来た。マドックはさっそくその日の夕方勤務後に取りに行くことにした。そして夕刻、勤務を終えていつもの場所で迎えの車を待っていると携帯電話の着信音が鳴った。運転手のマシューからだった。
《申し訳ないんですが遅れるかもしれません。路上に落下物が散乱していて通行できなくなってしまってるんです》
「警察はまだ来てないのか?」
《ええ、まだ》
「処理には時間がかかりそうなのか?」
《うーん、なんとも……》
この前と似た状況にマドックは頭を抱えた。歩いて行くことに抵抗を覚えるが、早くこんな不安から解放されたい。今日中に車を取りに行き、明日からは自分の運転する車で安心して通勤したい。そんな気持ちが彼を駆り立てた。
「引き換えしてくれ」
彼は運転手に回り道してくるように言って、途中で落ち合うことにした。周囲を見渡して怪しい者がいないかを確認すると足早に歩き出した。この前とは違う高架下を潜る。ここを出たらすぐだ。そこまで十分ほど歩いて、その呼吸の荒さに驚いた。体力が落ちたなと自嘲する。もうすぐだ。もうすぐ。逸る気持ちと早くここから出なくてはという焦りが心拍数を上げて疲労感が増し、足取りを重くさせる。気持ちばかりが前に行き、体が置いていかれる。なんて足が重いんだ。まるであの夢と……? ふと彼の鼓膜を小さな物音が叩いた。カ……ツン。
「!?」
一瞬にして彼は青ざめた。カツン。カ……。
彼が足を止めるとその音も止まった。彼の背中が極寒の空気に晒されたように泡立ち、額からは冷たい汗が滴り落ちる。背後に気配を感じていた。静寂の中に隠れた何者かの息衝きを。彼は恐怖で硬直して軋む首をゆっくりと後ろに回した。
「誰だ?」
暗がりの中にぼんやりと人影らしきものが尻目に映った。その影は言葉を発した。
「お前の“兄弟”だ」
!?――……ッ
短い呻き声が闇に弾けた。鋭い刃物に肉を突き刺された鋭く重い痛みが、マドックの脇腹に走る。
「僕の……兄弟?」
背後にいる人物に問い掛けるが、答えは返って来ない。今の声はルパートではなかった。リチャードでもない。どういうことだ。これは不条理な夢の中なのか? しかし容赦のない痛みが彼を捕らえて離さず、それが現実であることを彼に認識させた。
いつもなら父が帰宅する時間、ブラッドは自室の机に向かって本を読んでいた。ぶるっと身震いして目を瞠る。部屋は温かいのに背中から全身にかけて、ざらっとした悪寒が広がった。妙な胸騒ぎがして読書に集中できなくなる。なんだろう? 彼の直感能力がそれを探り当てる。階下――彼の足は自然とそこを目指す。部屋を出て、母親のいる食堂に向かった。
「もう学校の宿題は終わったの?」と母親が尋ねてくる。
「うん、もう終わった」
ブラッドはそう返して自分の席に腰を下ろした。他愛もない会話。いつもと変わらない風景。そう思えただろう――ブラッド以外には。ブラッドの直感能力が胸騒ぎの正体をついに発見した。部屋の片隅に置いてある電話に、彼の視線がぶつかる。途端――
けたたましい音を立ててその電話が鳴り出した。ブラッドにはその音色が不吉なことを報せる警鐘に聴こえた。電話に出たメイドが少し険しい表情で声を低めてロビネッタに告げる。
「警察から、奥様にお電話です」
「警察?」
それを聞いてロビネッタは表情を曇らせた。夫のマドックが最近車でぶつけられたばかりだ。また何かあったのかと不安が込み上げる。彼女は躊躇いながらも受話器を受け取るとそれを耳に当てて応対に出た。相手から聞かされたのは……
彼女の体が小刻みに震え出す。
「マドックが……通り魔に……」
ブラッドは悔しさを押し殺して唇を噛む。目を細めて虚空を見据えた。
僕の直感能力は予感しかさせてくれなかった。もっと早く危険を察知していたら……
「奥様!?」
ロビネッタは絨毯に頽れるようにしてしゃがみ込んだ。ショックのあまり放心状態の彼女を傍にいたメイドが支える。
「お母さん!」
ブラッドも傍に行き、大丈夫? と声をかけた。するとロビネッタは気を落ち着かせるように瞼を閉じると、メイドに支えられながら立ち上がった。
「誰か、車を出して」
この時主人を迎えに行って不在だった運転手のマシューに代わって、他の使用人が車を出した。ロビネッタはそれに乗って、夫が搬送された病院へ向かった。
そして彼女が病院に駆け付けた時、マドックは手術室で緊急手術中だった。運転手の代理を務めた使用人の男性が付き添い、手術室の前の椅子に座って手術が終わるのを待つ。やがて部屋の前で点滅していた“手術中”のランプが消えて、開いた扉の向こうから出てきた医師に手術が成功したことを告げられた。それを聞いてロビネッタは安心したのか目眩を起こしてしまった。落ち着いてから別室で医師と話し、マドックは入院することになった。それからロビネッタは代理の運転手が運転する車で帰路に着いた。
薄く瞼を開けると白い天井が見えた。継続的に聴こえてくる無機質な電子音。その音をマドックは、朦朧とする意識の片隅で聴いていた。ここは……夢か、現実か。どちらにしても彼にとっては悪夢だった。寝ても覚めても、命を狙われる。最終的には犯人の手に罹ってしまう。僕にはその結末しか待っていないのか。疲れ果てた彼が瞼を閉じかけると白い衣服の裾が視界に入ってきた。白衣? 医者か。そう思い大人しくしていると。
「……」
“医者”は無言で傍らに来て、そこから“患者”を見下ろした。彼はマスクをしており、顔の半分が隠れていた。見詰めてくる彼の視線にマドックの視線がピントを合わせる。?――……
流れる重たい沈黙。ベッドサイドモニターの音がその空白を繋ぐ。マドックは不思議な感覚に捕われていた。まるで“自分”と対峙しているような――これは夢の中なのか? 赤の他人の顔が自分に見えるなんて……
同時に戦慄を覚える。見てはならない物を見てしまったような、もしかしてこれは僕の“ドッペルゲンガー”か?
医者はマネキン人形のように魂の入っていない双眸で患者を見詰めながら、懐に手を入れた。そして
「?」
叫ぶ間もなく――……
それを終えた。
ベッドの上に広がっていく染み。咲いた朱い花。医者の白衣、顔面とその白いマスクにも同じ色の花片が散っている。医者の手には今まさに浴びたばかりの血液で濡れたナイフが。彼はそれを床に放ると、嵌めていた手袋を脱いで白衣のポケットに押し込んだ。
鳴り続いていたベッドサイドモニターの電子音が間延びして、心電図が波打たない直線を描く。
医者は白衣を脱いで小さく纏めた。折った部分がもとに戻らないそれは、布に似せて作った紙製の白衣だった。彼はマスクも外した。その素顔が表情を持たない仮面のように固まっている。彼はその顎の下に爪を食い込ませ、強引に上に向かって引っ張った。すると剥ぎ取られたのは皮ではなく、人の顔型のマスクだった。
「私の変装はなかなかだっただろ? これはおまえの双子の兄弟、カドマスの顔型で作ったマスクだ」
彼はそう言葉を残してベッドに背を向けた。そして病室の扉を開けて廊下に出てきたのは、したり顔のルパートだった。
数分後、院内にざわめきが起こった。ナースステーションから慌てて出てくる男性女性看護師。それに混じって廊下を走って行く私服姿の男性――マドック殺害の第一発見者を装ったルパートの姿があった。
やっと終わったm(__)m
「長ぇ」とか思われたらどうしよぅ 泣くっ。
「黒い悪魔」は暗がりから現れたカドマス。
「白い悪魔」は白衣姿で現れたルパートを意味しています。
※次回はフランシスのエピソードの予定です。




