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第十一話-2

◇◇◇◇



朝、制服に袖を通す。


ブラウスは綺麗にアイロンを掛け、スカートだってプリーツの折り目がはっきりしている方が気持ちが良い。


だから、わざわざ皺になるような『折り』を入れて短くなんて見せない。


・・・時々、可愛くて羨ましいな、と思わなくもないけど。


上着だってそう。


着崩したりしない。


だらしなく見えるよりも、皺が入るのが嫌。


リボンだって、きちんと綺麗に。


綺麗に着崩す技術があるなら、それも身に付けたいとは思うけど、でもやらない。


だって、隣に居る真まで『同じ』ように見られたらと思うと、いくら『可愛い』があっても出来ない。


多分、真はどれだけ『可愛い』って言われても、素直には喜べない。


男の子連中から『可愛い』と思われても、先日みたいに苦しむだけ。


それでも服装をきちんと整えるのは、多分だけど、私が隣に居るからじゃないかな。


中学に入る頃まで、あまり気にしなかったと言えばそうなんだけど、周囲から『浮く』人って目立ってしまうのね。


例えば行動。


例えば言動。


例えば服装。


『個性』と言ってしまえばそれで終わり、ではないのよね。


特に女の子は。


『同調圧力』と言うと言い過ぎかもしれないけど、集まってるメンツを見れば『似てるな』って思う瞬間があるんじゃないかな?


ギャルっぽいすっごい明るい子と、地味で大人しい目立たない子が一緒のグループを作るかと言えば・・・


まあ九分九厘無いかな?


グループを離れてしまえば仲が良い、なんて事はあるだろうけど、『集団』としては多分無い。


趣味や興味も、そこに含まれるかな?


・・・ここは男女問わず・・・?


もちろん、ひとつの趣味、ひとつの興味だけで集団が出来る訳じゃない。

趣味は同じだけど興味は別とか、その逆とか。

あるいは趣味も興味も違うけど、感情的に近いとか。


そういう意味では、私は『浮いてる』側。

でも、柚葉や他の友達がいるお陰で、『孤立』はしてない。真もね。


・・・


祐也が絡んでくるのも、そういう視点で見れば有難い事なのかな・・・。


でも・・・。


気が付けば、私は鏡の前で立ち尽くしていた。

時計の針が動く音が聞こえるくらいに私の周りは静寂で、それに比べて心の中は騒がしい。


これは不安?


何に対しての?


私が孤立する事?


違うよね。


真が孤立するのが怖いんだよ。


真を孤立させてしまう私が許せないんだよ。



そして・・・



真が孤立した時に、私じゃなく祐也を頼るのが嫌なんだよ。



・・・



判ってる。


先日、琥珀に言われて自覚した『独占欲』だって判ってる。


俯いて、少しだけ目を閉じる。

小さく息を吐き、呼吸を整えてから、改めて鏡の中の自分と向き合う。


・・・笑顔がない。


目が笑っていない。


だから、少しだけ頬を両手で揉みほぐす。


唇の両端に指を当て、上に向くように持ち上げてあげる。


うん。


大丈夫。

心配ないよ、私。

今日も、真と一緒に居よう。

少しでも真の力に・・・。

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