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第七話-4

「いつも、あなたを見ていました。隣にいる子を気遣って、守ってあげているあなたはカッコ良かった。隣の子が大事なのが、良く知らない僕から見ても判るくらいでしたから。・・・最初は、あなたの事を『可愛いな』『綺麗な人だな』って思ってましたけど、でも段々と・・・その優しさに惹かれるようになったんです」


嬉しさに心が暖かくなり、思わず頬が緩む。


「正直に言えば、僕はあなたの事を多くは知りません。でも、これから知っていく事が出来れば嬉しいと思っています。好きな事、嫌いな事、望むこと、望まない事・・・将来の事や、悩みだっていろいろあると思います。僕は、全部を知れるとは思っていませんけれど、それでも少しずつでも、あなたを知りたい」


きっと、誰もがこういう告白を望むのだろう。


目の前にいる彼は見た目も良いし、付き合いたいと思う女の子は大勢いるのは想像に難くない。

彼の人と成りは判らないけれど、それを知るのも付き合うと言う事の大事な要素になるはず。

彼の不安そうな顔も、それは可愛らしく思える。

こんな風に告げられれば、『私で良ければ喜んで』と、彼に告白された女の子は答える事だろう。


でも。


私には真が居る。


私の心の中には、ずっと真が居る。


彼への想いの他の事など、入り込む余地など無いほどに。


だから・・・。


「ありがとう・・・。嬉しいです」

「えっ?」

「私の事をそんな風に見てくれる人なんて、今までほとんどいませんでした。ただ、『可愛いから』って告白してくる人は居ましたけど、あなたのように言ってくれる人はいませんでした」


私は、少しだけ俯いて笑う。

そう、今まで告白してきた人とは、やっぱり少し違う。

私を見てくれてる。知ろうとしてくれてる。

それが伝わってくるのが嬉しい。


「あ・・えっと、それって・・・」


でも。


「私は優しいかどうか、自分では判りません。ある人は『ニコニコしてるけど、心の奥が判らない』と言いますし、ある人は『可愛いけど、喋り方がキツい』とも言います。私が優しいのは、一緒に居る子に対してだけなんです。・・・本当は、それをもっと広げる事が出来れば良いのでしょうけど、今の私には出来ないんです」

「・・・」

「加賀さん」

「・・・」


私は笑顔で告げる。それが、きっと彼に対する礼儀だから。


「加賀さん、ありがとうございます。お気持ちは有難いですけど、お断りさせて頂きます。・・・ごめんなさい」


彼の顔を正面からきちんと見て、そして頭を下げる。

申し訳なさそうな顔なんてしない。

私の事を見ていてくれた事が嬉しくて、少し笑顔でお礼を伝える。


「でも、私を見ていてくれてありがとう。あなたの言う通り、一緒に居る子が・・・真が大事。とっても大事。だから、ごめんなさい」

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