5-12 王様登場!
5ー12 王様登場!
そして。
今、俺たちは、バサラティ王国の王都チャリッツへと護送されていた。
なぜ、こうなった?
うん。
説明しよう。
ホリィが倒した男たちは、実は、バサラティ王国の騎士団の騎士たちだったのだ。
そして、俺たちは、騎士への暴行罪で逮捕され王都へと護送されることになったというわけだ。
まあ。
話が早くっていいかな?
俺は、そう考えていた。
だが、ホリィは、すごくビビっていた。
無理もなかった。
奴隷が騎士に手をあげたのだ。
普通なら、ただではすまない。
もちろん、ホリィの主人である俺も、な。
「ご主人様が、わたしのせいで、反逆罪に・・」
ホリィが涙目になっているから、俺は、ぽん、と頭を撫でて言った。
「大丈夫だよ。ホリィ」
俺は、自分自身に対して呟くように言った。
「なんとかなるさ」
そう。
その証拠に、俺たちを捕らえた騎士団の騎士たちは、俺の武器も取り上げはしなかったし、拘束もされることはなかった。
彼らがしているのは、ただ、俺たちを護送しているだけのことだった。
護送といっても、王家の紋章のついた立派な馬車での送迎という感じだ。
つまり、相手は、俺の正体を知っていると思って間違いなかった。
俺は、考えていた。
どうしたもんかな。
まあ、相手が武力を行使してこない限りは、言う通りにしていよう。
もし、武力を行使してきたら、その時は、相手をするしかないかな。
だが、下手をすれば、国際問題になってしまう。
そう思っているうちに、俺たちは、王都チャリッツに到着し、バサラティの王宮へと導かれていた。
王宮では、執事のお仕着せを身に付けた若い男に案内されて、俺たちは、豪華な王宮の一室へと通された。
ホリィは、あわあわして落ち着かない様子だった。
「どうして?なんで、わたしたち、こんなところに?」
「さあ」
俺は、とぼけて見せた。
ドアが開いて、髭を蓄えた威厳に溢れる初老の男が入ってきたから、俺は、言った。
「どうしてなのかな?」
「乱暴な招待を受けていただき感謝する、エレクシア王国の勇者 カナメ殿」
その男は、口を開いた。
「私は、バサラティ王国国王 ムジク・バサラティだ」
ほう。
俺は、頷いた。
いきなり、王さま登場か。
「お会いできて光栄です。バサラティ王」
俺は、礼をとった。
「全てをお話ししていただけますか?」
俺の言葉に王は、たじろいだ。
だが、何かを思いきるような表情を浮かべると王は、話し出した。
「親友の危機に駆けつけることもなく、また、その娘である王女のことも救わなかったこの私をさぞや、薄情な男と思っておられることだろうな」
バサラティ王は、静かに言った。
「だが、私にも、そうせざるほかない理由があったのだ」




