4-6 プロポーズは、突然に
4ー6 プロポーズは、突然に
「竜というのは、魔素の塊のような存在だ。形があって形がなく、無でありながら有なのだ。そのため、この世の理の外で生きている物なのだ」
俺は、ますます理解不能に陥っていた。そんな俺にエリオスは、言った。
「要するに、竜は、男女どちらであれ子をなすことができるのだ。そして、女の姿となった竜人の方が魔力が強い。リゲル様のお子は、世界を手に入れるほどの存在となるであろう」
まだ俺には、よくわかっていなかった。
エリオスは、やれやれと溜め息をついた。
「簡単に言うと、リゲル様を手に入れた者がこの世界を手に入れるということだ、カナメ」
ええっ?
マジですか?
「このままだと、リゲル様をめぐって争いが起きる。それを防ぐためには」
エリオスが俺の肩をぐっと掴んだ。
「カナメ、主がリゲル様をめとるしかない」
はい?
俺は、目が点になっていた。
俺がアズミちゃんと結婚?
本気ですか?
「このことは、もう、魔王城の連中にも伝わっていることだろう。できるだけ早く、リゲル様との婚姻を発表する方が主らのためだ」
「でも・・」
戸惑っている俺に、突然、声がきこえた。
「アズミちゃんを不幸にする気ですか?」
俺は、声の方を見た。
姫が立っていた。
「よいですか?カナメ。これは、世界がどうこうということではないのです」
姫が俺を睨み付けて言った。
「あなたが、一人の女の子を幸せにできるかどうかという問題です」
姫がアズミちゃんに歩み寄ってきてその肩に手を置いた。
「あなたは、アズミちゃんを幸せにする義務があるのです」
マジか?
俺は、信じられないものを見る目で姫を見ていた。
姫が、まっとうなことを言っている!
「どうなのですか?カナメ」
姫が俺にきいた。
「この婚姻を受けるのですか?それとも、一人の女の子を不幸にするつもりですか?」
はい。
俺は、頷くしかなかった。
もちろん、俺は、アズミちゃんを嫁にする方を選びます。
「アズミちゃん」
俺は、アズミちゃんに手を差し出した。
「俺でよかったら、結婚してくれますか?」
アズミちゃんは、涙ぐみながら俺の手をとり、微笑んだ。
「もちろん」
こうして、俺たちの婚姻は、決まった。




