3-7 奴隷狩り目的なんですか?
3ー7 奴隷狩り目的なんですか?
エリオスを連れて戻った俺に姫が驚きの声をあげた。
「そ、それは、なんですの?カナメ!」
「奴隷の人だよ」
俺が答えると、姫がきいた。
「そんなお金、ありましたの?」
「この人は、ただで貰ったんだ」
「貰ったって・・」
「さあ、出発するぞ」
俺は、言った。
「目指すは、魔王城、だ」
俺は、船が動き出すと、エリオスを空いていた客室へと通した。
「あんたには、狭いかもしれないけど、ここを使ってくれ」
「ああ」
エリオスは、どっかりとベッドへ腰を下ろした。
「ところで聞きたいんだが、主たちは、何のために魔王城へ向かっているのだ?こんな船まで用意して。人界にこんなものがあるとはきいたこともなかったぞ」
「ああ」
俺は、エリオスに答えた。
「ただの行商だよ。俺たち、国同士の交易をしたいんだよ」
「国?」
エリオスがきいた。
「国とは?主たちは、砂漠の民ではないのだろう?どこの国だ?」
「それは、話すと長くなるんだが」
俺がそう言ったとき、ドアが開いてアズミちゃんが飛び込んできた。
「エリオス!」
「リゲル様?」
アズミちゃんは、エリオスに飛び付いた。
「無事だったんだね、エリオス!」
ええっ?
知り合いだったの?
驚いている俺にアズミちゃんは、説明した。
「エリオスは、騎士団長で僕の唯一の友だちだったんだ」
アズミちゃんが笑顔でエリオスに言った。
「あの反乱の後、どうなっちゃったのかわからなくって、僕、すごく心配してたんだよ」
「ああ、リゲル様」
エリオスは、こんな武骨そうな男とは思えないくらい優しい笑顔を浮かべた。
「大丈夫です。リゲル様こそ、家出されたとか」
「家出じゃないし」
アズミちゃんが答えた。
「ちょっと父上に会いに行ってただけだし」
「お会いできたのですか?」
エリオスに聞かれて、アズミちゃんは、首を振った。
「会えなかった」
アズミちゃんは、エリオスに言った。
「でも、カナメに会えた」
「カナメに?」
「うん」
アズミちゃんは、笑顔で頷いた。
「カナメは、僕を助けてくれたし、おいしいご飯もくれるし、一緒に寝てくれるし、すごくいい人なんだよ」
「一緒に寝る?」
エリオスが俺を凍えるような眼差しで見つめた。
「まさか・・」
「いや、違うから」
俺は、焦って答えた。
俺は、アズミちゃんを姫に託して、アリサとエリオスと3人で船の食堂で話した。
ちなみに、船は、自動走行モードになっている。
半魔の村人がお茶を入れてくれたのを一口飲んで、エリオスが呟いた。
「うまい」
「そうだろ?」
俺は、にっこりと微笑んだ。
「紅茶だよ。うちの村の特産品だ」
エリオスは、お茶を飲み干すと言った。
「しかし、信じられんな。あの荒れ果てた土地に国を造れたとは」
「いや、いろいろ苦労したんだけどな」
俺は、エリオスに話した。
「おかげで今じゃ、交易する余裕ができたから、魔族とも交易できたらと思っている。それで聞きたいんだが、なんで魔族は、砂漠の民と戦争してるわけ?」
「それは、奴隷のため、だ」
エリオスは、答えた。
「魔族は、奴隷を狩るために砂漠の民と戦っている」
マジですか?




