3-8 魔都 クロウナーゼ
3ー8 魔都 クロウナーゼ
俺は、エリオスにきいた。
「なんで奴隷を?」
「売ったり、働かせたりするためだ。後、子作りのためでもあるな」
はい?
エリオスは、俺とアリサに話した。
「魔族は、同族同士では子供が産まれにくいのだ。だから、人を拐い子供を産ませるためにも魔族は、砂漠の民と戦っている」
「別に、拐ってこなくってもいいんじゃね?」
俺は、訊ねた。
「自由恋愛でもいいんじゃ?」
「人は、魔族を毛嫌いしているからな」
「そうかもしれないけど」
俺は、言った。
「うちの国は、違うし。国民の半分以上が魔族か、魔族の子だけど、問題は起きてはいない」
「本当か?」
エリオスが信じられないというようにきいた。
「人と魔族が共生しているというのか?」
「ああ」
俺は、頷いた。
「まあ、もともとが奴隷の国なんだけどな」
俺は、国を造ることになった経緯をざっとエリオスに話した。
エリオスは、目を丸くしてきいていたが、突然、笑い始めた。
「勇者、か。なるほどな」
「いや、笑い事じゃねぇし」
俺が言うと、エリオスは、笑いを噛み殺して言った。
「そうだな。ふっ・・いや、なかなか、主も苦労をしているんだな」
そうだよ!
俺だって、苦労してるんだよ!
わかってくれます?
それから、俺たちは、魔王城へ行ってからの対策をいろいろ話し合った。
その結果、今はまだ、魔族のみなさんにアズミちゃんがうちにいることは秘密にしたほうがいいということになった。
「魔王城に戻ることは、リゲル様にとっては、危険なことだ」
エリオスは、言った。
「今は、主たちのもとにかくまって欲しい」
もちろん、俺たちは、了承した。
アズミちゃんは、大切な仲間だからな。
翌日には、俺たちは、魔界の都 クロウナーゼ上空へと近づいた。
俺は、エリオスに擬態能力を付与したコートを与えた。
それを着用すれば、エリオスは、外見が変化して、ちょっと大柄な猫耳族の青年に見えた。
「声は、あまり変化しないからな。できるだけ城では、人前で話さないほうがいい」
「まさか、こんなに早く城に帰ることになるとはな」
エリオスは、自嘲気味に言った。俺は、エリオスに応じた。
「まあ、全ては、アズミちゃんのためだ。あの子が幸せに暮らせるようにするためにやれることをやるしかない」
「それに、主らの商売のためにも、な」
エリオスは、にやりと笑った。




