2-11 目指せ!自給自足
2ー11 目指せ!自給自足
俺の家は、なぜか、姫たちと同じ丘の上の屋敷だった。
「あなたは、私の臣下なのだから、当然、私の屋敷に住むべきです」
姫は、そう主張した。
何が、当然、なんだよ!
俺は、言いたいことがいっぱいあったけど、我慢することにした。
というわけで、俺とアズミちゃんは、姫の屋敷の一角に部屋を与えられて住むことになった。
アズミちゃんは、子竜の姿のままで俺と一緒のベッドで眠っていた。
まあ、ベッドっていっても板の台に過ぎないんだがな。
一晩たって、翌日の朝、奴隷たち、いや、もう、村人だな、その村人たちが何人かで俺を呼びに来て、俺は、無理矢理起こされた。
「ムーアが大変なんです。早く来てください!」
ええっ?
俺は、急いでムーアの柵の所へと向かった。
すると。
柵の中が、モコモコだらけになっている。
「ええっ?」
それは、ムーアの毛だった。
なんと、一晩の間に繁殖して、倍に数が増えていたのだ。
マジか。
4頭いたムーアは、一晩のうちに、10頭に増えていた。
「なんじゃ、こりゃ?」
俺は、ジルと相談してムーアの放牧場所をもっと広げてやることにした。
村の外の広い場所へとムーアを移すと、俺たちは、その周囲を柵で囲った。
それから、俺たちは、村人たちに指示を出して、10頭のムーアの毛を刈った。モコモコフワフワのムーアの毛を村の女たちが集めていった。
俺は、機織りのできる女の人を見つけると、その家に行き、機織機を造った。あと、彼女たちの指示のもと、糸巻きやら、なんやら、細々とした道具を造った。
村の女たちは、それで、糸を紡ぎ、布を織り始めた。
村には、機織の音やら、ムーアののんびりとした鳴き声やらがきこえて賑やかになってきた。
それから数日後、ジルと何人かの村人が狩りに出掛け、今度は、鶏によく似たポーテという魔鳥を数羽生け捕りにしてきた。
それを俺は、テイムすると、岩穴の中に小屋を作って飼うことにした。
ポーテは、卵を産むらしくて、俺は、卵焼きを食べれるとワクワクしていた。
そして、次の日のこと。
やはり、村人たちに呼ばれて朝、村へと向かうと数が倍々に増えたムーアとポーテがいた。
こうなってくると問題になるのは、エサだった。
今までは、村人たちの食べ残しやらを与えていたのだが、それだけではとてもまかなえない。
「穀物が欲しいな。それに藁も」
俺は、ジルと話していた。
「ベッドにも使えるしな」
ピコン、とウィンドウが開く。
『農地開拓をしますか?』
というわけで、俺は、『農民』の裏スキルである『種の創造』によって小麦と米と、あと、芋やら豆やらの野菜の種を創造した。
村の外には、広大な空き地がある。そこを『道具作成』の能力で造った鍬やらスキやらを使ったり、オスのムーアを使って耕して種を植えてみた。
ウィンドウによると、『大地の加護』とやらによって、小麦も米も、野菜類も、どんどん育ち、一週間もすると収穫できるほどに成長した。
そんな風にして作付けし、田畑を広げていった結果、村は、一ヶ月ほどしたら、十分に自給自足できるようになっていった。
というか、これ、よそに売りに行けるんじゃね?




