2-10 モンスターブリーダー
2ー10 モンスターブリーダー
姫がうるさいので、俺は、岩山の横のなだらかな丘にちょっと大きめの屋敷を造った。
城とはいかないが、ちょっとした神殿なみの大きさと造りの家だ。
「まあ、いいでしょう」
なんとか納得したらしい姫が言った。
「ところで家具は、どうなっているのですか?」
「家具?」
俺は、すっかり忘れていたけど、そういえば家は出来たけど家具が全くなかった。だが、木はないしどうしたものかと俺は、頭を悩ませていた。
ピコン。
ウィンドウが開いた。
『精霊召喚しますか?』
精霊召喚?
俺は、戸惑っていた。
してもいいけど、なんの精霊を召喚すればいいわけ?
『召喚 ドライアド』
俺は、それを選択してみた。
ぶん、と低い振動が伝わってきて召喚の魔方陣が展開された。
そして。
緑の髪と瞳の手足が木でできた少女が現れた。
「な、なんの用でわたしを呼び出したのですか?」
すっかり怯えているドライアドに、俺は、できるだけ優しく話しかけた。
「ドライアドさん、木が欲しいんだけど、つくれるかな」
「木、ですか?」
俺は、ドライアドに指示して岩山の回りに広がる村から少し離れた場所に森を作ってもらった。
ドライアドは、ここの領地の周囲をぐるっと囲む 森を一瞬で作り上げた。
いやあ、精霊ってほんと、便利だな。
俺は、ドライアドに礼を言うと、水といくらかの魔力を分け与えて解放した。
それから、俺とジルと働ける奴隷たちとで木を切り出した。
俺は、切り出した木材を『スキル 製材』で板やらなんやらに加工すると、それで家具を作成していった。
気がつくと、俺には、『魔木の家具職人』の称号が与えられていた。
ドライアドの森の木は、切っても切っても、すぐに再生されていくので、どの家にも十分に家具はいき渡った。
そうしてしばらく俺は、毎日、家具を作って過ごしていた。
その間に、ジルは、何人かの奴隷たちを連れて狩りに出て、岩山の裏側の方に迷い込んできた毛足の長い水牛のような魔獣の群れを見つけ、その内の何頭かを捕獲して村へと連れ帰ってきた。
「これは、ムーアという魔獣でおとなしく扱いやすい上に、毛は毛織物の材料になるし、乳もとれるし、もちろん肉も食べられる」
ジルと奴隷たちは、ムーアを4頭ばかり捕らえていたので、俺は、それをテイムしてみた。
うん。
なんとかして増やしたいな。
ウィンドウがピコンと開いた。
『スキル ブリーダー』
俺は、それを選択してみた。
すると、俺は、『モンスターブリーダーの称号を得た』
何のことやら。
俺たちは、その日は、ムーアを柵で囲い込んだ中に閉じ込め、それぞれの家へと戻った。




