“聖女”かどうか
“闇の影”に合わせて“聖女”が増えているらしい。
そう私は説明を聞いたのでクロードにそう伝えた。
けれどそれを聞いたクロードは眉を寄せて、
「……ありえない」
「そうなの?」
「そうだ、この世界は……そういった風に“創られて”いない」
クロードが悩むようにそう呟いてから、
「その、マリア達の故郷で行われている“聖女”の認定の方法はおかしい。問題がある。……本物の“聖女”を数多くいる人物の中からの何人かで選び出せているのならまだいいが、もしも“聖女”を見つけられていないとしたら」
「? 何か問題があるの?」
「……“聖女”を守る人間はいないんだぞ?」
「でも“聖女”は強い力を持っているんじゃなかったっけ」
「ミドリが一人でどうこう……出来そうだが、普通は無理だからな? あのマリアを見ていてひとりで戦っていくタイプだと思うか?」
「人を見た目では判断してはいけない?」
「疑問符で答えなくてもいい。というかすごく狙われやすくなるから人知れずに、“聖女”が葬られる可能性もある」
どうしようといったように深刻そうな顔のクロードが悩みだす。
けれど現状ではそれを確かめるのはまず、そのマリアの“里”に向かう必要があって、
「でも、偽名を使うくらいだし、マリアの故郷に行くのは難しそうだね。マリアに、正確にはマリアの“仲間”に信用してもらえていないから聞き出せそうにないし」
「そうなってくると今できるのはマリアが本物の“聖女”かどうかを見極める事だな。それでマリアが“聖女”だと分かればそれで」
「それにそもそもリーン先輩も、マリアを“聖女”だと見抜いていたし、“選択画面”も出せていたし“聖女”なのは確実じゃないかな?」
「……人の感覚的な物よりも俺は、ミドリの“ステータス・オープン”の方を“信じている”」
「珍しいね、いつもは変な能力だっていうのに、どうして?」
「……ミドリは俺に“ステータス・オープン”しただろう? あれを見て、“信用できる”と思ったんだ。……あまりいい気分の魔法ではないが」
そうクロードが言ってくる。
けれど私の力を信頼はしてくれているようだった。
だからその信頼にこたえようと私は思って、
「分かった、マリアの能力を“ステータス・オープン”してくる。今なら寮の部屋にマリアは戻っているかも。クレイも戻っていたし。今、一緒に行く? 寮の前で待っていてもらう事になるけれど」
「そうだな……確認だけしておこう。それから、夕食を食べに一緒に行かないか?」
「うん、そうする!」
といった話をして私は、自分の寮へと戻っていったのだった。
寮の前で、クロードには待っていてもらうことに。
そして私は寮に戻ってくるとマリアも戻っていた。
戻ってきたマリアがあいさつをしてくるので私はそれを返してすぐに、
「マリア、“ステータス・オープン”をさせて欲しいの」
「え?」
そこで私は事情を説明する。
マリアは困惑しているようだったが、クレイの事や、私達がマリアこそと思う理由も伝えて、
「分かりました、“ステータス・オープン”をお願いします」
そう、マリアは私に何かを決意した瞳で答えたのだった。
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