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最強系チート能力聖女が、異世界から召喚されました~平凡少女は魔法で無双する~  作者: ラズベリーパイ@天安門事件


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話す義理はない

 こうして、クロードはリーンフリークスに服のお下がりを貰うことになった。

 だがここまで言われてしまった私はそのうち魔道具を作ろうと決める。

 材料は魔石が幾らかといったものしかないが、何事も挑戦である。


 そう私が決心していると、人が大分歩いている明るい場所とはいえ、


「……また名前が知らない先生がいる」

「だからミドリ、まだこの学園に来たばかりなんだから、知らない背院生がいるのは当たり前だろう」


 またもそう言われてしまった。

 ここはもう少し詳しく言うべきかなと思ったけれど、なんだかクロードが考え込んでいるのでそれ以上は話せなかった。

 そしてリーンフリークスが昔来ていた制服のお下がりを貰いに行くことになって、リーンフリークスのいる寮の前まで来たけれど、


「男子寮に女の子は入れないんだった、忘れていたな……一人でミドリちゃんを外に待たせるのは……」

「でも入り口付近なら人目に付きやすいですから変な事は出来ないんじゃないかな?」

「どうする? クロード君」


 そこでリーンフリークスがクロードに問いかけると、クロードは少し黙ってから、


「部屋に戻れば俺の目も届きにくいし、少しくらいなら大丈夫だと思う。だが、くれぐれも勝手に行動するなよ」

「はーい」


 私がそう答えると、クロードが男子寮に入っていくのが見える。

 他にも知らない男子が、上級生が入っていくのが見える。

 暇だから地面に木の棒で絵をかいていようかと思って細い木の棒を私は探してくる。


 それから、カリカリ絵を描いていく。

 まず描くのは、


「花でも描いてみよう。マーガレットにしてみようかな」


 そう呟いて、地面に花を書いていく。

 周りにいる男子寮に戻る人たちがちらちら私を見ていたが、特に問題はない。

 花が大分かけてきたなと思っているとそこで、


「お前、何でこんな所でこんな事をしているんだ?」

「? ……あ、クレイだ」

「……クレイだ、じゃない。何をしているんだ」

「何って、暇だから地面に絵を描いているんだよ」


 そう答えるとクレイは変な顔になり、


「その絵から突然何か魔法が……」

「そんなわけないじゃん。クレイは面白い事を言うね」

「お前が怪しい存在だからだ! ……マリアとは同じ部屋だし、異世界から来た“聖女”だとか、その力だとか……あまりにも“強すぎる”」

「? “強ければ”対抗できるからいいんじゃない? “黒の影”“闇の影”荷も戦うには強い方がいいし」

「お前が俺達の味方であればな」


 クレイがそう返してくる。

 睨み付けられた私は、あれの関係かな、と思いながら私は、


「クレイ、何だかそろそろそのかたくななまでに信用しないのもどうかって思うけれど」

「俺は、マリアを守らないといけない。だから、俺が“間違える”わけにはいかない」

「余りそうやって自分を追い詰めない方がいいよ。もう少し柔軟性がないと……そこを付け込まれちゃうよ」

「……そうやって親切そうに言ってくるお前も信用できない。こちらが邪見に扱っているのに」

「邪見に扱っている自覚はあるんだ……」

「! そ、そもそもお前は怪しすぎるんだ! 力といい、言動といい、しかもさっそうと襲われたら現れるとか、まるで待ち伏せしていたみたいじゃないか!」

「なるほど、人の好意はそうとも受け取れるという事に。なるほど~」

「だから……“信用できない”」


 そう、私が信用できないと自分に言い聞かせるようにクレイは呟く。

 何だか他の人が、私が“信用できない”と繰り返しているように聞こえる。

 疑心暗鬼になっている所に付け込まれているのだろうか?

 

 そういった不和も“闇の影”の領分だった気がする。

 クレイはマリアを守るために必死で、それに気づかないのか?


「マリアは自分が弱い“聖女”だと言っていた」

「! マリアと話したのか?」

「同じ部屋だしね。でももしもクレイはマリアが“聖女”でなくなったりしたら、どうする?」

「どういう意味だ?」

「言葉通りの意味だよ。マリアが“実は聖女でなかった”時、クレイはどうするの?」

「ふん、そんなことはないだろうが、マリアが“聖女”かどうかは関係ない。俺にとって守りたいのは“マリア”だ。“聖女”だからは理由じゃない」

「マリアが好きって事なんだ」

「! べ、別にそういう……お前に話す義理はない」

「そうだね~、でも“マリア”だから守りたいんだ」


 クレイは“聖女”だからという義務感で“マリア”を守っているわけではない。

 マリアだからクレイは守っているのだ。

 そう言った人間的な感情は微笑ましいと思っているとポツリとクレイが呟く。


「弱いから、“聖女”の中でも弱いから俺が頑張らないと……」

「でもそんなに何人も“聖女”っているものなのかな?」

「ここ数十年は、10人以上“聖女”が出ている。“闇の影”が増えているのだろうというのが、理由らしい……いや、お前と話しているといらないことまで話しそうだ。これ以上話すのは止める」


 そう言ってクレイはそれ以上何も言わずに寮に戻る。

 同時に制服姿になったクロードが現れて、私の前に来てからクロードが、


「クレイに何かされなかったか?」

「何も。邪見に扱われただけだけれど、でも……」

「でも?」

「クレイは、“聖女”だからマリアを守っているんじゃなくて、“マリア”だから守っているみたい。だから追い詰められている部分もあるみたい」

「それは……“決闘”でミドリに圧倒的な力で負けたからな」

「あ……で、でも、マリアが“聖女”でなくてもクレイは傍に居そう」

「そうだな」


 一瞬クロードが、優し気に微笑んだ気がした。

 けれどそれはすぐに消えて私に、


「それで、他に何か話していたのか?」

「“闇の影”が増えているからここ数十年は、10人以上“聖女”が出ているらしいよ」


 そう話したのだった。

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