ヒントを貰った
リーンフリークスと同じくらいの年齢の美形!
綺麗なお兄さん二人目!
茶色い琥珀のような鮮やかな髪は緩やかに波を打っていて、鮮やかなペリドットのような緑色の瞳。
しかも“黒の影”を倒しているあたりで強そうだった。
と思っているとそこでその人物が私を見て、
「なんか“美味しそう”な匂いがする」
「……この人は一体どういう方なのでしょうか」
恐る恐る聞くとリーンフリークスは小さく笑って、
「彼は吸血鬼の種族でね。と言っても時々、血をなめたくなる程度なんだけれど……強い力を持つミドリちゃんに気付いて、“美味しそう”と思っただけだよ」
「そ、そうなのですか……」
そう説明を聞きながら見上げると、気づいたらしいその吸血鬼な人がニカッと笑った。
とても健康的な雰囲気の笑顔だった。
そんな元気な吸血鬼という違和感のある彼だが、まだ名前を知らない。
知らないはず……あれ?
「アンバー?」
「あれ、どうして俺の名前を知っているんだ?」
「あ、いえ、なんとなく」
そう答えるとそこでリーンフリークスが、
「どこかで僕が紹介したのかな? では改めて、彼の名前はアンバー、僕の友人だよ。そしてこちらがミドリちゃんとクロード君」
「初めまして、ミドリです」
「初めまして、クロードです」
私とクロードがあいさつをする。
すると彼は、
「おうよ。俺はアンバーだ。昼間は眠いが夜は元気なんだぜっと、そういえばこの前、リーン、お前この子たちを連れて謎の部屋に入っていかなかったか? 三人くらい残して」
「うん、そうだけれど、それがどうかしたのかな? というかああそこにいたんだね」
「まあな、お前に見つかるとまた授業に出ろと言われそうだし……と、そうそう、結局お前と話せていなかったかったが、あの時いた外の三人のうち一人が、お前を追って行ったぞ」
「……え? そんな話を聞いていない」
「だろうな、なんだか様子がおかしかったから伝えておく。それに“黒の影”はリーンたちを狙っていたようだな、これ」
「うん、ちょっと“聖女”関係でね」
私が“聖女”だといった話はしないらしい。
それにアンバーは頷いてから、
「そうか、大変だな。俺もここのところ変な気配が多くて夜眠れなくてな。だから運動代わりに“黒の影”を刈っているんだ」
「……僕は聞いていないよ? 同じ部屋だったのに」
どうやら同じ部屋の友人であったらしい。
そこでアンバーが笑う。
「リーンはここのところ何かで忙しそうだったからな。それで熟睡していたから起こすのもかわいそうかと」
「ですがそういった事は早めに教えてもらわないと。しかも何度も“黒の影”と遭遇していたみたいじゃないか」
「でも規則性はないぜ? なんとなくふらふらしてて妙な気配に近づいたから抹殺とかそんな感じだったし」
「吸血鬼だからアンバーもそういった“黒の影”の気配に敏感でしたね。それでアンバー、聞きたいのですがこの学園内の“黒の影”は気配を殺したりしていますか?」
そう問いかけると、アンバーは頷いた。
どうやら気配を消したり隠したりするタイプの“黒の影”がここには多いらしい。
怖い話だと私が思っているとそこでリーンフリークスは、
「それでこの前の図書館で僕達を追って入っていったのは誰か、いえ、特徴を教えていただけませんか?」
「いいぞ」
との事でその人物の名前を聞いて、私も思う所があった。
だが今動くのは得策ではないので状況を見ることに。
彼が本当に予想通りなのかが分からないから。
そしてアンバーはこの場を去ってしまうが、そこでクロードが、
「とりあえずは早めにマリアの“ステータス”で“聖女”と表示されるか、“ステータス・オープン”で確認をとっておいた方がいいな」
「そうだね。でも違っていたらどうする?」
「彼らにとっても用済みだから大人しく去ってくれるならその方がいいな。最悪、知っている人物だから殺そうとしてくる、とも考えられるし。もっともこの学園の制服は魔法的な意味でも防御力は高いから、そう簡単には殺せないだろうけれど」
「そうなんだ。でも制服か……クロードは、その制服無くて大丈夫なの?」
「……自分の身くらいは自分で守れる」
言い返すクロードだが、でも属性をつけている私としてはクロードが大丈夫なのかが気になる。
そう思ってクロードをじっと見ていると、
「なんだよ」
「うん、防御の制服がないから大丈夫かなって。折角だから、何か防御の魔道具を作ってみる?」
私の提案にクロードは黙ってしまった。
何を作る気だろうと警戒しているように見えるがそこで、リーンフリークスが、
「それなら僕のお下がりになってしまうけれど、それでよければ制服をあげようか?」
「……ありがとうございます」
そう言って、貰おうとするクロード。
だが私としては何となく納得がいかなかったのだった。




