どうして分かったんだろう
重厚な扉を開いたが埃は噴出してこない。
代わりに澄んだ空気が流れてくる。
これが浄化されたという物だろう。
そう思いながら中に現れた階段を、リーンフリークス、クロード、私の順に上がっていくが、
「“闇の影”が現れたら危険だし、私が一番初めの方がいいんじゃないかな?」
「一番前にいて“闇の影”が現れたら真っ先にヒャッハー! と乗り込んでいきそうなタイプだから一番最後なんだ。言わせるな」
「む~、チュートリアル君、酷いよ。その方がずっと安全だと思うのに」
「いいから黙って一番後ろを歩け」
クロードが私にそう命令してくる。
そこで私は天井を見た。
私やクロード、リーンフリークスよりもさらに高めの階段状の天井が続いている。
つまり私達の背よりも上の方に空間が存在しているという事だ。
後は分かるな?
というわけで私は早速、“選択画面”を呼び出し空を飛んだりできそうな技を選ぼうとしたのだがそこで、
「ミドリちゃん、クロード君は君のことを心配しているから、それをくんであげるのも大切だよ?」
「……はーい」
リーンフリークスに言われて私はとりあえず“選択画面”を消した。
でも何でこの人は分かったんだろうと思っているとそこでリーンフリークスが、
「今、『どうして分かったんだろう』て思ったかな?」
「! どうして気づかれてしまったのですか!」
リーンフリークスの言葉に私は焦って聞き返す。
だがそれに答えたのはクロードだった。
「ミドリが大人しく従うような性格じゃないってリーン先輩も分かっているんだろう」
「うぐっ」
「大方、この頭上を飛び越えて一番前にとでも思っていたんじゃないか?」
「ぎくっ」
「ミドリの考えそうなことだ。もっとも飛び越えようとしたら手を挙げて進めないようにしてやろうと思ったがな」
「……チュートリアル君の方が酷かった。この恨み、晴らさ~ってあれ? また扉?」
そこで私達の前には新たに大きな扉が現れる。
するとリーンフリークスは更に別の鍵を取り出して、
「一応中からは厳重に鍵をかけているんだよね。ただ、今気づいたんだけれど、ここも老朽化が酷くてね。外とつながる穴があるかもしれない」
そんなことを言い出したリーンフリークス。
そしてクロードもはっとしたように扉の内側を警戒する。
さらにのんびりとした口調でリーンフリークスが、
「どうやら魔物が住み着いてしまっているようだね。そして聖女の秘宝は防御の力も結構あると聞いているから、少し派手に倒してしまっても問題ないか」
「あ、じゃあ私が頑張ります」
「……さて、僕がとりあえずは中の魔物はかたずけるよ。それほど強くないしね。“炎の礫”」
リーンフリークスがそう呟くとちらちらと炎が飛んでいくのが見える。
同時に魔物の消え去る音が聞こえた。
「こまめに倒しておかないと魔物の巣にされてしまいそうだね、こういった人の入らない場所は。そして魔物の出入り口はふさいでおかないといけないな……それは後でにしよう。今は“答え合わせかな”」
リーンフリークスはそう言って私達を部屋へと迎え入れる。
そこに合ったのは一対の机と椅子。
他には何もない。
“闇の影”と戦った凄惨な場所であったはずだけれど、そんなものはみじんも感じられない。
そこでクロードがつけに近づいていき、裏側などを見てから、
「花の模様ではあるが、確か内容は『暁の塔に眠るは、女神の願い。古き歌を奏で、恋願うはかつての花畑の約束』。女神が何を意味しているのか分からないが、これではなさそうだな」
「僕も同意見だね、というわけでここにはない。ミドリちゃん、正解をよろしく」
「“正解”です、ここにはありません」
私の中の知識がそう言っているのでそう答える。
するとリーンフリークスは微笑みクロードは面倒そうな顔になり、
「そういえばこの塔、結構階数があったな。……どこまで登らないといけないんだろうな」
そう、クロードが愚痴をこぼすようにつぶやいたのだった。
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