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最強系チート能力聖女が、異世界から召喚されました~平凡少女は魔法で無双する~  作者: ラズベリーパイ@天安門事件


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分かって頂けますか

 私の記憶の欠片が変なのはやはり気持ち悪い。

 理由について延々と考えてみたが、やはり答えは出ない。

 部屋はマリアと同じ部屋だが、少しでも私からマリアを離したいらしく、クレイがマリアを連れて行ってしまう。


 後に残されたのは、リーンフリークスと私とクロードのみ。

 ここは図書館の地下書庫なのでまだ外に出ていないから分からないが、先ほどリーフリークスが懐中時計を確認した時刻ではとうに陽が沈んでいるはずだ。

 とりあえず夕食を食べに行くことにする。


「三人で夕食! マリア達は時間をずらしてくるかな?」


 私が言うと、リーンフリークスがそうだろうねという。

 それからクロードが、


「マリアには注意しておくように」

「? どうして?」

「クレイ達があまりミドリにい感情を抱いていないからだ。ミドリに何かあってからでは遅いからな」

「分かった、また属性増やしておくね!」


 これで防御も完ぺきにしておけば、何の問題もないはずだ。

 だが、何故かクロードに微妙な表情をされてしまったが。

 でも私はそれを聞きながら、


「そもそもマリアだって“聖女”だからそんなに警戒することないんじゃない? それにこの世界の“聖女”なんでしょう? チュートリアル君は」

「……俺の“聖女”はミドリだけだ」

「うん? そうなの」

「……そうなんだよ」


 そう言ってクロードはそっぽを向いてしまう。

 何だか口では色々言っているけれど、クロードはクロードで私の味方であろうとしてくれているようだ。

 だから私も、クロードの味方であろうと思う。


 根はいい人だなと思うし。

 そんな私達を見てリーフリークスが面白そうに笑う。


「仲がいいね、うん。でもそろそろ夕食を食べに行きたいかな」

「……そうだな」


 クロードがそう答えて歩き始める。

 そうして歩いていくとまた私は、また名前の知らない先生に出会う。

 勉強熱心な先生なのかもしれない。


 その書庫周辺には“魔術理論体系1”といった難しそうで分厚い鈍器のような本が並んでいる。

 読みたくない、切実に……そう私は思った。

 さて、そうして歩いていくとそこでクロードが、


「それで隠し場所は、その“幽霊塔”だったな。ミドリは場所が分かっているのか?」

「うん」

「隠してあるそれを取り出すのに、何か手順があったりするか?」

「うん」

「その手順についても全部ミドリは“解答”を知っているのか?」

「うん、そうだよ。なんでもう一度聞くの?」

「重要な事だからだ。……明日、答え合わせするか」

「でも私は知っているよ?」

「それが間違っていたら困るだろう。ただでさえミドリはいくつか記憶が抜けているんだし」

「……うん」


 確かにいざという時に私の知識が役に立たなくては困る。

 そう考えると考えてもらうのは良いかもしれない。

 そう思っているとまたもリーンフリークスに笑われてしまう。


「ミドリちゃんはクロードに素直だね」

「? そんなことはないですよ。制止を無視して魔物の軍団に突っ込んでいったりしましたし」

「……大変だね、クロード君」

「……分かって頂けますか」


 そこで珍しくクロードが好意的な返事をリーンフリークスにする。

 でも別にクロードに怪我をさせるようなことはしていないのになと、私は思ったのだった。








 夕食を食べたあと私達は分かれて部屋へ戻る。

 そこにマリアはいた。


「マリアはご飯もう食べた?」

「いえ、まだこれからです」


 声をかけられて戸惑ったようなマリアだが、すぐに私に答えた。

 それからマリアは私に、


「先ほどは申し訳ありませんでした。クレイ達は私の事が大事で最優先なのです」

「そうなんだクレイは“騎士”なんだっけ」

「そうですね。家系的にもそうですし。ただ、昔はこんなではなかったのですが」


 ふと、寂しそうにぽつりと呟くマリア。

 昔はそうではなかった? その言葉が何となく気になり私は、


「昔はそうではなかったって、ある時突然“聖女”になったように聞こえるね」

「はい、私が10歳の時に、私たちの村では……古代の王国の末裔が沢山いるのですがその中で、“聖女”と呼ぶべき性質と力を持つ者を見出す儀式があるのです。それで私は選ばれて、友達皆も喜んで、でも……その時から私は“特別”になってしまった。本当は“普通”なのに」

「それまで皆一緒に遊んでいたんです。四人で」

「四人?」

「! いえ、違いますね、五人です。そう……五人で……」


 何処かぼんやりした瞳でマリアが私に訂正する。

 けれど私は何かが引っかかる。

 だが今はそこをを聞くのではなく、


「“聖女”って魔力が大きくて癒しの力があって、浄化や癒しの能力が得意なだけじゃなかったかな?」

「……その能力を、それだけとは、本来言えないものですよ。この世界では」

「そのあたりの力が特別だったんだ」

「はい、特に“闇の影”には天敵に近い力ですからね、そういった能力は」

「でもそこそこ浄化の魔法を使える人はいたような気がするんだけれど」

「……いるにはいますが消し去った利回りに拡散させて薄めたりといったものがほとんどで、本格的な“神聖魔法”というべき浄化系の魔法は“聖女”位しか使えないものらしいですよ。あとは魔道具などの補助があって何とか、といった所らしいです」

「そうなんだ。“闇の影”の悪意はそんなに簡単に消せないんだ……それは私が知っているものと違う気がする」


 私がそう呟くとマリアは不思議そうに私を見て、


「ミドリちゃんの知っている“闇の影”とはどんな存在なのですか?」


 そう聞いてきたのだった。


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