魔法の世界の図書館へ
魔法のある世界の図書館。
どんな場所なんだろうと私は思う。
物語の中に出てくる魔法の図書館には不思議な感じのするものが沢山あった。
だからそういったもんがあるだろうという期待もあった。だが、
「は? 言葉をしゃべる本?」
「うん、そういったものってないの?」
私がクロードに聞くと、変な顔をされた。
まるでそんなものを見て何が楽しいのかというかのように。
どうしてそんな反応をされたのかその時はよく分からなかったが、それからすぐ後、図書館の展示室までやってきてそこに本が飾られているのに気づく。
そこでクロードが私に、
「ほら、魔力を通すと本から音声が自動で流れるぞ」
「……」
ちがう、そうじゃない、そう私は思った。
誰かの音声を記録したようなものではなく、
「自分である程度考えて話すような本が見たい!」
「そんな子供が読むようなおとぎ話に出てくるような本なんて、“禁書”の類ならもしかしたらあるかもしれないが、普通はない。なんでそんな夢見がちなことを言っているんだ? ミドリは」
あきれたようにクロードに言われてしまう。
“禁書”の類ならあるかもしれないが普通には存在しないものであるらしい。
もしやこういったものは“科学”の領分なのだろうか?
人工知能を埋め込んで、本の表紙部分に顔を取り付けて……。
「それはそれで気持ち悪い気がする」
「またミドリはひとりで変な事を考えていそうだな。ほら、行くぞ」
そう言って、クロードは私の手を掴んで歩き出す。
いや、確かに授業の一環として本を探さないといけないのは事実なのだけれどね。
今日の授業はこの広い図書館で、魔法を一つ探して覚えてくるようにという物だった。
魔法の世界の図書館は、赤いレンガで作られた大きな建物で、中は吹き抜けになっていて見上げると5階まであるようだった。
ただ一番上は展示室であるらしい。
貴重な本で、“禁書”の類のもの以外のものを飾っているらしい。
またこの図書館の地下には、表に出しきれない本で、あまり読まれない本がおかれているらしい。
その更に奥深くには“開かずの地下書庫”があるらしい。
「場所と開け方を知っているけれど、行く?」
「いくな。普通に本を探すぞ、授業の」
「はーい」
私が誘惑したらクロードがそう答えた。
授業は真面目に受けるつもりであるらしい。
そしてこの図書館では二人以上で組を作って探すとの事で、私はクロードと二人で探していた。
この世界の文字は読めるが、どんなものがいいのか分からない私はとりあえずいろいろ見てみることに。
「俺からあまり離れるんじゃないぞ」
「はーい」
元気よく返事をして私は、魔法の本を探す。
どんな魔法が使えるようになるんだろうと思いながら探していく。
けれどページをめくってみるが、
「……何だか“合わない”」
自分の中の歯車がかみ合わない、そんな感覚を覚えた私は次の本に手を伸ばす。
けれど何かが“違う”。
だからその本を本棚に戻す。
それを繰り返すこと数回。
気づけば人のほとんどいない場所に来てしまう。
だが、その少ししかいないというか一人しかいないその人物は、私に気付くと微笑み、
「こんな所でまたあったね、ミドリちゃん」
「あ、リーンフリークスさん、こんにちは」
「今日はどうしたのかな?」
「授業の一環で、本を探しに来たんです」
そう答えると、リーンフリークスが微笑む。
綺麗なお兄さんが微笑んでいると、なんだかほんわかするなと私が思っているとそこで、
「おーい、ミドリ、何か見つかっ……お前は」
「やあ、ミドリちゃんの“騎士”君、どうしたのかな?」
「……俺は“騎士”じゃない、そしてどうしてお前がここにいる」
「探し物があっただけだよ、偶然だよ」
そうリーンフリークスは答えたのだった。
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