どうすれば私を倒せる?
そういった話をしてから、そこでクロードが、
「それで他に何か聞きたいことはあるか?」
「俺から一つ」
そこで手を挙げたクレイが私を指さして、
「“この生物”のあの力は何なんだ? この世界が広いとはいえ、あんなもの見たことも聞いた事がないぞ」
「ミドリの能力か。……はっきりいって、よく分からない」
「呼んだのに能力が分からないのか?」
「正確には、ミドリ曰く、『げーむのようなのうりょく』であるらしい。だがそのゲームとやらが、俺達の世界にある概念とは異なるものであるらしい」
「……異界の知識を駆使した能力、か。異世界から呼び出された“聖女”の能力ともなると、そうなるのか」
クレイが呻くようにつぶやく。
だがそれを聞きながら私は、何だか凄い話になっているような気がするが、これ、ゲームのような能力なんだよね。
異界の知識……カッコイイ響きの気もするけれど、違うような気がするなと思ったけれど、否定したらさらに説明させられそうだったので私は黙っていた。
面倒くさかったので。
そう思っていると更にクロードが、
「……そちらに“聖女”がいるなら構わないだろう。本来ならその“聖女”を連れて、“闇の影”とその配下の“黒の影”と戦う予定だったが、見つからなかったから異世界からの召喚に踏み切った形だ」
「……うちの“聖女”様をそんなに簡単に差し出すと思うなよ。お前達は“聖女”を利用してばかりだ」
「関係ない。お前の意見は聞いていない」
クロードはクレイの意見をそういってバッサリと切り捨てた。
それにクレイは怒りを覚えたようで、
「そんな風に異世界から幾らでも“聖女”を呼び出せるんだからいいだろう!」
「……条件が複雑でこの魔法は難しいんだ。そもそもこの世界に関して知識のある“異世界人”であり、俺達と意思疎通ができ能力を持つ、そんな人物を数多の世界から選び出して呼び出すのがどれほど難しいか、お前は分からないのか?」
「! だが、こういうのはほかにもいるだろう、逆にそんな数多の世界があるなら」
「そうだな。代わりはいるだろう。それで他に言いたいことはあるか?」
「この……」
クレイはクロードに食って掛かろうとしたがそこで私が手を上げる。
「はーい、私も質問です。クロード、私って“聖女”なんだよね?」
「そうだ」
「じゃあマリアに対するクレイみたいに、私にも“騎士”はいないの?」
「いないぞ」
「えー、でもそういうの欲しいな。チュートリアル君はだめなの?」
「欲しいなら、なってやってもいいぞ」
そこでまるで勝利したかのように意地悪くクロードが私に言う。
なんでそこでドヤ顔なんだろうなと私は思いながら、
「そうなんだ、よろしく」
「え?」
「え? 今のはいいよって答えだよね?」
私が聞き返すとクロードが目を瞬たかせてから、次に顔を赤くして、
「じょ、冗談だから、ただの、冗談だから……」
「そうなんだ。うーん、残念」
「……感情面ではその……少しはやってもいいと思うが、俺には、もし、ミドリが倒されてしまった時に新たな“聖女”を呼ぶ役目があるから……」
「そうなんだ。でも、現状で私が負けるとも思えないし、“騎士”でいいんじゃない?」
「そんな無茶な……」
「じゃあ逆に聞くけれど、どうすれば私を倒せる?」
そう聞き返すとクロードは沈黙した。
何も言えなくなってしまったらしい。
よし、言い負かしたぞと私は思ってから、今の会話を聞いて何とも言えないようになったマリア達に向かって私は、
「話は大体これで終わりかな? 今日は疲れたからこれから夕食を食べてすぐ寝たいから……皆でご飯を食べに行こうよ」
そう私は誘い、ごく普通の夕食を終わらせて、その日は私を観察しているような視線に気づきながらも特に何もしてこなさそうだったので、特に警戒することも無く私は気持ちの良い眠りに誘われたのだった。




