第2話 次は大丈夫
由香は、はっと飛び起きた。
時計を確認する。8時15分前。
「ほ、本当に生き返ってる…っていうか時間が巻き戻ってる…」
呆然としつつ、布団から起き上った。
のそのそと着替えていると、1階からお母さんの声がした。
「由香ー。ご飯出来ているわよー。」
よかった、あのときと全く一緒。
ほっとしつつ、階段に向かった。
「はーい、待ってて-。」
そう言うと、そっと階段に足をかけてみた。
やっぱり何か滑る。
あ、わかった、これワックスだ。
原因が分かったところで、由香はとりあえずスリッパも靴下も脱ぎ、裸足でそーっと階段を下りた。
無事、1階に着き、ほっと胸をなでおろした。
「もう、ゆっくり優雅に階段下りちゃって。早くしないと学校遅れるわよ。」
「ごめんなさい。でも、お母さんがワックスなんてかけるから…」
「さっさとご飯食べちゃって。」
由香が言い切る前に、お母さんは部屋へ戻っていった。
もうこんな時間だし、どうせ遅刻だろうな。なら、ご飯くらいゆっくり食べて行こうっと。
「いただきまーす。」
由香は、ピーナッツバターがたっぷり乗った食パンに噛り付いた。
直後、吐き気が襲ってきた。
「え、何…」
そのまま視界は歪み、ぷつんと目の前が真っ暗になった。
・・・・・・・・・・・
「今回は毒殺かー。」
「ちょっと、何でよ!?」
死神は、少し微笑んでいるように見えた。
「いや、由香も大変だね。」
「何で朝ご飯食べただけで…」
「青酸カリ、ってやつだね。ピーナッツみたいな匂いなんだ。」
「そうじゃなくて、何でそんなものが…」
「由香のお母さんが由香を殺したいって思ったんじゃない?」
「そんなわけない!」
「そう?じゃあ、確かめたら。また生き返らせてあげる。」
そう言うと、死神は由香に向かって杖を振った。




