それぞれの日常レベル1
マッドトラブルの第二巻が更新開始されました。
第一巻とはまた違った内容へと変貌しています。
第二巻
― 日常レベルと転々巨悪 ―
第一章 関門高校の日常レベル1
関門高校の傷。
夕焼けの光が差し込む放課後の校舎。
廊下を歩く玉城涼介と新一誠。
二人の顔には細かな傷がいくつも刻まれ、頬には赤い線が滲んでいる。
そこへ武蔵雄治がタバコを咥えてやってくる。
武蔵雄治「その顔、どうしたんですか?」
玉城涼介「ちょいとトラブルがあってな。」
武蔵は眉をひそめる。
武蔵雄治「喧嘩じゃなくて、トラブル?」
玉城涼介「…。」
玉城は少し間を置いて溜息を吐いた。
玉城涼介「ややこしい奴に出会っちまった。大阪に行かなかった方が良かったのか、悪かったのか…。」
武蔵雄治「何があったんですか?」
玉城は、一誠の顔をチラッと見た。
玉城涼介「俺ら、横浜と喧嘩したじゃん。」
武蔵雄治「はい。」
玉城涼介「それを知ってる奴がいて…。会った事もない奴やったけど」
武蔵の表情が緊迫し眉をしかめた。
武蔵雄治「…。え?」
一誠が横から口を挟む。
新一誠「気持ち悪い奴やった。」
武蔵は二人の顔を見る。
玉城涼介「なんか嫌な予感すんだよなー。」
新一誠「あいつの顔面殴ったろ思ったのに、止めんなよー。」
武蔵は、玉城の真剣な目を見てポツリと言った。
武蔵雄治「大阪と喧嘩かー。」
第二章 横浜工業高校の日常レベル1
横浜工業高校の傷。
横浜工業高校から少し離れた静かな病院。
ベッドの上には――
神奈澤凱。
その横には、椅子に座る神奈澤麗央。
麗央は黙って凱を見ていた。
そして――
凱の目がゆっくり開く。
麗央が気づく。
神奈澤麗央「お。目、覚ましたか。」
凱は目を擦りながら少し起き上がる。
神奈澤凱「あれ。ここどこ。」
神奈澤麗央「病院。玄が連れてきてくれた。」
神奈澤凱「そうか…。」
凱は少し考える。
神奈澤凱「あんまり記憶なくて。」
神奈澤麗央「がっつり今は休め。」
凱は再び目を閉じ眠りについた。
しばらくして――
病室の扉が開く。
真壁玄が両手に缶コーヒーを2本持って入ってきた。
神奈澤麗央「遅かったじゃん。」
真壁は缶コーヒーを見て一言。
真壁玄「自販機並んでた。」
麗央の無表情だった顔に笑みがこぼれた。
神奈澤麗央「自販機なんか並ぶことある?笑」
真壁玄は、ふと目線を逸らした。
麗央は右手がギプスで固定されている。
神奈澤麗央「左手使いづらい。」
慣れない左手で缶コーヒーを飲んだ。
真壁玄「凱。目、覚めた?」
神奈澤麗央「さっき目、覚めて、また寝た。」
真壁玄の表情が緩む。
真壁玄「3日間も眠ってたもんね。」
神奈澤麗央「でも。凱のやつ。記憶喪失なってるかもな…。」
麗央は、眠っている凱を見る。
真壁は、少し沈黙した。
真壁玄「とりあえず、微糖もう1本買ってくる。」
神奈澤麗央「いや。飲まん飲まん。笑」
少しだけ緊張がほぐれた。
真壁玄「そうか…。ま、買って要らなかったら僕飲むよ。」
神奈澤麗央「勝手にしろ。笑」
真壁玄は、再び自販機に向かい、1時間は帰ってくることはなかった。
真壁の後ろポケットには、とある看護師から貰ったであろう手紙が丁寧に折り入っていた。
関門高校に勝った横浜工業高校であったが、負った傷は思った以上に深かった。
3人はそれから一言も話さず、真壁と麗央は病室を後にした。
次回は日常レベル2です。
ほんわかした日常から徐々にトラブルに巻き込まれていきます。
皆様の感想お待ちしております。作品作りの参考に聞かせてください。




