城山高校
次回。関西の悪魔に出会う。
第十四章 関西の悪魔
しかし――
この戦いを知っている者は、関東だけではなかった。
遠く離れた関西。
大阪。
そこには、関東とはまったく違う世界が存在していた。
かつては偏差値も高く、地域でも評判の良かった高校、城山高校。
真面目な生徒が通い、個人個人の学力と厳格で的確な指導力に高い評価を受けており、数々の優秀な医師や弁護士、経営者を生み出してきた。
しかし現在。
その面影は残っていない。
校舎の壁には無数の落書き、校庭には大量の改造バイク。いつでも喧嘩ができるように、あらゆる場所に鉄パイプや、金属バットが転がっている。
校内には、喧嘩騒ぎが絶えない。
かつての名門校は――
完全に変わっていた。
城山高校を支配する男。
友田祐希。
パンチパーマに冷徹な顔立ち。はじめて出会った者は、目を背けたくなるような鋭い目つき。
堂々とした立ち振る舞いで、相手を潰すためなら何でもする、極悪非道な不良。
大阪で有名なヤクザ。友田組の組長を父に持ち、
兄は友田組の超武闘派であり、現若頭。
兄は、中退してから暴走族のトップを務め、地元では名の知れた実力者だった。
祐希自身も幼い頃から、友田組の武闘派たちに鍛えられており、兄とは何度も力をぶつけ合い、互いに成長してきた。
だから祐希自身も、決して弱くない。
むしろ――
かなりの実力者。
しかし、祐希の最大の恐ろしさは、本人の強さだけではなかった。
人を動かす。
命令する。
周囲の人間を、自分の思い通りに動かす。
指揮命令能力。それが異常なほど上手い。
祐希が一声かければ、多くの不良たちが動く。
戦いが始まる前から、すでに戦場を作っている。
それこそが、
友田祐希という男の恐ろしさだった。
第十五章 我妻聖都と5人の存在。
祐希の隣には、信頼する一人の男がいる。
我妻聖都。
薄い金髪で、細身でスラッとした体型。
狐のような鋭い目。
一見すると、戦いとは無縁に見える。
しかし――
聖都は、非常に強い。
祐希が人を動かす男なら、聖都は1人でも相手に突っ込んでいき、自分で未来を切り開ける存在。
祐希を支えるナンバー2として、城山高校では知らない者はいなかった。
そして城山高校には――
もう一つ、恐れられている奴らがいた。
暴走族の5人組。
普段はほとんど学校に姿を見せないが、他の奴らでは勝てない相手が居たり、我妻がピンチになった際、城山高校に本当に大きな問題が起きた時だけ現れる。
彼らは、現在最強クラスと噂される暴走族チームにいるメンバーで、総長、副総長、幹部である5人組。
一人一人が別格で、5人全員が揃えばさらに手がつけられない。
大量の改造バイクに、200人規模のメンバー、赤と黒の特攻服。
そして5人の圧倒的な威圧感。
その姿を見ただけで、どれだけ喧嘩自慢でも、すぐ喧嘩をやめ、逃げていくほどだった。
城山高校には、
友田祐希。
我妻聖都。
そして5人の武闘派。
さらにその背後には――
友田組。
関西には、関東とはまったく違う勢力が存在していた。




