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恋を知らない先輩が近すぎる  作者: 月城琴晴


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外伝2話 女子会に部長を誘ったら家族ごと来ることになった

「……」

 一瞬、間が空く。


「あ、でも部長」


 俺は顔を上げた。


「ここ、おすすめですよ」


「……は?」


 川上がスマホをスライドさせる。


「この前行ったところなんですけど」

「結構良かったです」

「ファミリー層も多かったですし」


「部長にもおすすめです」


「……」


 画面を見る。


「へえ……ここか」


「はい。雰囲気も良くて、ケーキも美味しかったです」


「……」


 少しだけ考える。


(……悪くないな)


「よさそうだな」


 ぽつりと呟く。


「良かったら、今度どうですか?」


 さらっと言う。


「一緒に行きません?」


「え?」


 思わず顔を上げる。


「でも俺、家内いるし」


「大丈夫ですよ」


 即答だった。


「奥様も、お子さまも一緒で」


「……」


 一瞬、言葉が止まる。


「……じゃあ」


 少しだけ考える。


「家内に聞いてみようかな」


「いいと思います」


「……」


 沈黙。


(……いや待て)


 顔を上げる。


「なんで俺が女子会に行く流れになってる」


「え?」


「おかしいだろ」


「そうですか?」


「そうだ」


 即答だった。


「……」


(でも、店は気になるんだよな……)


「……聞くだけ聞く」


 小さく付け足す。


「今から聞いてみてくださいよ」


「え?今から?」


 少しだけ眉をひそめる。


「はい。ちょうどいいと思います」


「……」


 スマホを見る。


 少しだけ迷う。


「……今か?」


「今です」


 即答だった。


「……」


 小さく息を吐く。


「わかった」


 観念したように呟く。


「電話する」


「いいと思います」


「……お前な」


 発信ボタンの上で、指が止まる。


「本当にこれでいいんだよな?」


「いいと思います」


 迷いのない返答。


「……」


 一瞬、目を閉じる。


「……知らんぞ」


 そう呟いて、通話ボタンを押した。


***


「なあ、あのさ……」


 少しだけ言いづらそうに口を開く。


「川上が、一緒にランチに行かないかって」


『ああ……あの川上君?』


「ああ、その川上」


『行く行く』


 即答だった。


「早いな……」


 思わず呟く。


『翔、連れていってもいいの?』


「ああ……いいらしい」


『やった』


「ちなみに、女子会らしいんだけど」


『え?マジで?』


 一瞬の間。


『行きたいんだけど』


「……そうか」


『いつ?どこ?』


「……今、聞く」


『うん、楽しみにしてる』


 通話が切れる。


「……」


 しばらく無言。


 ゆっくりと顔を上げる。


「……行くって」


「いいと思います」


 即答だった。


「……お前な」


 小さくため息をつく。


「完全に決まったぞ」


「よかったですね」


「よくない」


 即答だった。


「……」


「でも、部長、結構好きじゃないです? そういうの」


「え?」


「楽しいですよ。ご飯おいしいし」


「女子会って言っても……適当にしゃべって、写真撮るだけです」


「そうなのか?」


「多分、皆様面食いなので」


 さらっと言う。


「部長、イケメンですし。大丈夫です」


「……ん?」


「俺は大したことないんですけど」


 少しだけ肩をすくめる。


「お勧めする人は、イケメンにしてくださいって言われたんです」


「だから、部長は適任かと」


「……え?」


 一瞬、思考が止まる。


「……待て」


 ゆっくり顔を上げる。


「それ、どういう意味だ」


「それに――」


 さらっと続ける。


「息子さん、イケメンだって聞きましたし」


「……は?」


「完璧ですよね」


「奥様も美人って噂ですし」


 指を折るように並べる。


「最強家族です」


「……」


「だから、確実に大丈夫です」


 にこっと笑う。


「……待て」


 ゆっくり顔を上げる。


「なんで俺の家族まで評価対象になってる」


「いや、俺も面食いなんで……」


 さらっと言う。


「やっぱり、イケメンの部長に来ていただいたほうが」


 少しだけ頷く。


「俺としては――やった、って思うじゃないですか」


「……」


 一瞬、空気が止まる。


「……待て」


 部長が、ゆっくり顔を上げる。


「それ、お前の満足感の話だよな?」


「だって、部長イケメンですし」


 さらっと言う。


「……は?」


「俺の部長ですって――自慢したくなるでしょう」


「え?」


 思考が止まる。


「楽しみだな」


 完全に前を向いていた。


「それに、ご飯はおすすめですし。いいですよ」


「……」


「……お前」


 ゆっくり口を開く。


「それ、俺の了承どこにある?」


「いや、誰に聞いても部長、格好いいって言いますから」


 さらっと言い切る。


「……は?」


「だから、何も問題ありません」


「……」


 一瞬、沈黙。


「……待て」


 部長がゆっくり口を開く。


「その理屈、どこにもつながってないぞ」


「でも、ご飯は楽しいです」


 きっぱりと言い切る。


「……」


(まあ、楽しそうではあるんだよな)


 ほんの少しだけ、揺れる。


「……日程、あとで教えろ」


 ぼそっと付け足した。

外伝2話を読んでいただき、ありがとうございます。


気づいたら、部長までしっかり巻き込まれていました。

しかも一家総出です。


本人はわりと真剣に悩んでいるのに、

周りは全く気にしていないあたりが、この作品らしいなと思っています。


女子会(?)本番は、もう少しカオスになりそうなので、

そのあたりも楽しんでいただけたら嬉しいです。


引き続き、本編と外伝どちらもよろしくお願いします。

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