side 勇者パーティー 08
無事に万能薬を手に入れた俺たちは、再び王都へとやってきた。
「まぁ!オーウェン様ぁ!超上級ダンジョンに入られたと聞いて、心配していたんですよぉ!でも、こんな短期間でご無事で戻られるなんてさすがですぅ!お帰りなさいませ。」
俺たちがギルドを訪れると、早速受付の女が擦り寄ってきた。
しかし、こいつがギルド長に毒を盛っているのかもしれないと思うと、嫌悪感しかない。
しかし、俺はそんな感情を隠して、いつも通りに対応する。
「新しいクエストはあるか?」
「はい!こちらの3件ですぅ!」
「ありがとう。見させてもらう。」
そう言ってクエストの内容が書かれた紙を受け取る。
「そういえば、ギルド長の具合はどうだ?」
そう問うと、受付の女はとたんに悲しそうな顔を作った。
「相変わらずなんです。パパの代理をしているママも、今日も忙しそうで、中々一緒にいられなくて・・・。」
「そうか。早く元気になる事を祈っている。」
「ありがとうございますぅ!」
健気に見える笑顔を作り、受付の女は俺たちを見送った。
しかしその笑顔も、俺には白々しいものにしか見えなかった。
ギルドを出た俺たちは、二手に分かれる。
エブリン、グレース、ローガンはギルド長代理と受付の女の見張り。
俺とウィリアムでギルド長の元へと向かう。
ギルド長の家に着くと、玄関の扉をノックした。
中から、ギルド長だと思われる声が応答する。
それを聞いて、俺たちは扉を開けて中に入った。
「これはこれは、オーウェン様。また見舞いに来ていただけるとは、ありがとうございます。」
相変わらずベッドから起き上がれないながらも、その嬉しそうな表情で歓迎されていると分かる。
「ギルド長。あなたに、これを渡しにきました。」
そう言って、万能薬を取り出す。
「これは・・・!こんな貴重なもの、いただけません!」
「いや、受け取ってもらえないと困る。王都のギルドがおかしなことになっているんだ。」
「おかしなこと・・・?どういう事でしょう?」
ここで俺たちは、これまでに分かっていることをギルド長に話した。
ギルド長は、自分の家族のことを信じきっていた。
だから始めは信じられないというような顔をしていたのだが、話を進めていくとそれは怒りの表情に変わっていった。
「まさか、妻と娘がそんなことをしていたなんて・・・!」
「この万能薬を使って体を回復させて、ギルド長に復帰してほしい。そして、あなたに毒を飲ませている犯人も捕まえたい。」
「わかりました。多くの冒険者の皆様の為とあらば、何でも致します!」
そう言って、ギルド長は万能薬を受け取った。
一気に飲み干したギルド長は、見る間に回復し、ベッドから立ち上がった。
「認めたくはないですが、毒の犯人は妻と娘でしょう。薬だと言って、毎日飲まされていたものが怪しい。それに、最近はこの家から出ていませんので、二人が用意するもの以外には口にしていないのです。」
「やはり、そうでしたか。」
「これからすぐにでもギルドへ行って、二人を叱り飛ばしてやります!」
すっかり元気を取り戻したギルド長は怒り心頭といった感じで、のしのしとギルドへ向かった。
俺たちもその後についていく。
ギルド長がどのように決着をつけるのか、見ものだと思った。
ありがとうございました。
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