side 勇者パーティー 02
こうして俺たちは、村人たちに惜しまれつつも、再び旅立つことにした。
一ヶ所に長くは滞在できないのは、冒険者の宿命だろう。
リアには、必ずまた来ることを約束した。
「はい。お待ちしてますね。」
そう笑顔で言ってくれたリアの事が忘れられない。
他人から知人にはなれたようだ。
いや、贈ったネックレスを着けてくれているから、もう友人だと言っても良いのではないだろうか。
前より親しくなれたことに喜びを感じる。
こんな気持ちは初めての事だった。
俺たちは、情報収集と休息を兼ねて、最寄りのギルドのある街に来た。
まずは宿屋で宿泊の手続きをしていると、併設された酒場から、男の荒々しい声が聞こえてきた。
「チクショウ!僕たちの何が悪かったっていうんだ!!」
思わずそちらを窺うと、王都のギルドで何度か見かけたことのあるパーティーだった。
リーダーの名前は、フィリップといったか。
「大変なこともいっぱいあった。それを乗り越えて、少しずつ強くなってきていたのに、何故ギルドを追い出されるんだ!」
ギルドを追い出された?
あまり穏やかではない様子を見て、俺は声をかけてみることにした。
「たしか、フィリップだったな?どうしたんだ?同じ冒険者のよしみで力になるぞ。」
「あなたは・・・オーウェンさん?!」
フィリップ一行は俺の顔を見て驚いたようだった。
しかし、すぐに縋るように事情を話してくれる。
「どうもこうもないですよ!僕たちは王都のギルド長代理にギルドを無理矢理追い出されたんです!」
「どういうことだ?よほどの理由があるのか?」
「ギルド長代理だという女からは、王都のギルドには一流の冒険者しか要らないと言われました。だから、僕たちは田舎のギルドへ行けと。」
「なんだと?」
基本的に、冒険者ギルドは来るもの拒まずで、ケガや生死は自己責任となっている。
もちろんギルドにもルールはあるので、それに反した行動をすれば罰せられる。
しかし追い出されるほどとなると、国の法を犯すレベルの事でもしない限り、ありえないはずなのだ。
それも、ギルド長ではなく、その代理が追い出しただと?
「・・・わかった。俺の方でも調べてみよう。」
「オーウェンさん・・・!ありがとうございます!」
フィリップ達は目に涙をためてそう言った。
今日の宿を確保した俺たちは、情報収集の為にこの町の冒険者ギルドに顔を出した。
「オーウェン様、いらっしゃいませ!」
受付の青年がニコニコと愛想良く挨拶してくる。
「何か新しい情報はあるか?」
「こちらには、特に目ぼしい情報は無いですねぇ。王都のギルドなら何かあるかもしれませんが。」
「王都のギルドでは、最近変わったことは無いのか?噂程度でも構わないんだが。」
早速そう尋ねてみると、青年は少し考えた後、こう言った。
「ギルド長が倒れて、病気療養中らしいですよ。その間、奥様であるメイサさんという方がギルド長代理を務めているとか。その頃から、冒険者の皆さんからは、あまり良い噂は聞かなくなりましたねぇ。」
何かあると予想はしていても、彼の立場では何もできないのだろう。
困ったような顔をして教えてくれた。
「ギルド長が病気?具合はどうなんだ?」
「さあ、そこまでは分かりかねます。」
「そうか。参考になった。ありがとう。」
受付の青年にそう礼を言って、俺たちは宿へと戻った。
ありがとうございました。
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