017 ネックレス
店を出たところで、ちょうどお風呂上がりのパーティーメンバーの皆さんと一緒になった。
「お、そのネックレス、受け取ってくれたんだ!良かったな、オーウェン!」
「私たちも一緒に選んだかいがありました。」
さっそくエブリンさんとグレースさんにネックレスを発見され、そう言われる。
「いやぁ、まだアクセサリー類のプレゼントは早すぎるって言ったんだけど、オーウェンがどうしても贈りたいっていうからさぁ!」
「エブリン!」
エブリンさんがネタばらしするのを、顔を赤らめたオーウェンが慌てて止める。
「ネックレス自体は可愛くて気に入りました。ありがとうございます、エブリンさん、グレースさん。」
私のその言葉に、エブリンさんとグレースさんはニッコリと笑ってくれたのだった。
それから皆さんと別れて家に帰ってきた私は、ネックレスを外して改めてよく見てみる。
うん。やっぱり可愛い。
幸福の青い鳥。
このネックレスを身に着けていたら、私にも幸福が訪れるだろうか。
そんなことを考えてしまう。
ひとしきりネックレスを眺めた私は、お気に入りの小物入れに大事にしまったのだった。
そして翌日。
自警団本部へと向かっている途中でオーウェンと会った。
私の首元を見たオーウェンは、とても悲しそうな顔になった。
「昨日のネックレスは、やはり迷惑だったのか?」
そう、私は今日はネックレスを身に着けていない。
「今日は仕事なんです。だから、傷をつけたりしちゃいけないと思って、家にしまってきました。」
私がそう説明すると、オーウェンは真剣な顔つきになった。
「できれば、毎日つけていてほしい。俺が離れている間にリアが他の男にでもつかまったら嫌だ。」
「いや、そんなことは絶対起こりませんから、安心してください。」
どうやらあのネックレスは男よけの意味もあったらしい。
しかし怪力で恐れられている私に、他の男とかありえない。
・・・うん。自分で言ってて悲しくなる。
「傷がついたり壊れたりしたら、また新しいものを贈るから、頼む。」
重ねてオーウェンにお願いされて、私は小さくため息をついた。
「わかりました。明日からは毎日つけます。」
「良かった。ありがとう。」
私の返答に、オーウェンは心底安心した笑みを浮かべた。
さらに翌日。
約束通りネックレスを付けて自警団本部へ行くと、団長がニヤニヤしながら近づいてきた。
「おぉ!それかー。オーウェンさんからもらったっていうネックレスは。」
「からかう気マンマンの人に答えたくありません。」
田舎ネットワークによって、既に私がオーウェンからネックレスを贈られたことは広まっていた。
発信源はもちろん、食堂のおばちゃんだ。
「いいじゃねぇか、少しくらい。で?付き合うのか?」
「そんな話にはなってません。」
きっぱり否定する。
「なんだよ、もう良いじゃねぇか。お前を好きだと言ってくれる貴重な人材だぞ?」
「私にだって選ぶ権利くらいください。」
「まぁ、そうだけどなー。」
団長は何か言いたげだ。
「お前が決断しないと、賭けの結果が出ねぇんだよ。」
「そんなこと、知ったこっちゃない。」
そうだった。
団員の男たちで私がオーウェンを好きになるかどうか賭けているのだった。
でも、はっきり言って私には関係ない。
「オーウェンは真面目に言ってるんだから、私も正直な気持ちを言うしかないでしょ。」
「ま、確かにその通りだな。で、いつから呼び捨てにしてるんだ?」
「そこ?・・・一昨日、本人にそうしてくれって言われたんだよ。」
「そうか。まぁじゃあ、今日も仕事頑張ってくれ。」
それだけ言って、団長室に帰っていった。
何なんだ、もう。
からかわれるのは、もう御免こうむりたい。
とはいえ、結果が出るまで言われ続けるんだろうな、と、げんなりしたのだった。
ありがとうございました。
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