013 初めての討伐
私の体術も、少しは様になってきたころ。
「リア。お前もそろそろ討伐に参加してみるか?」
そう団長が声をかけてきた。
「討伐って、モンスター相手に戦うんだよね?私には早すぎない?」
急に言われて戸惑った私がそう言うと、団長は笑って言った。
「安心しろ。最初から強いモンスターと戦わせたりはしないし、一人にもしない。」
なるほど。
少しずつ慣れろという事か。
「わかった。よろしくお願いします。」
私はそう言って、団長に頭を下げたのだった。
それから数日して、いよいよ私も討伐に参加する日がやってきた。
「うぅ~・・・。緊張する。」
普通に生活していれば、モンスターに会うことはほとんどない。
基本的にモンスターは草原や森の中、ダンジョンの中等にいるものだ。
街の中には入ってこないように、自警団や騎士団で守っているので、安全なのである。
ちなみに、主要な街道も騎士団の警備が行き届いているので、物流や人の流れが滞ることも少ない。
そのおかげで、領都や王都へ行った時にもモンスターには出会わないで済んだのだ。
「まぁ、そう固くなるな。お前の実力なら大丈夫だと判断したから参加させるんだ。俺の目を信じろ。」
団長がそう言って励ましてくれる。
「私もいるし、一人じゃないんだから、絶対大丈夫よ。」
ミラさんも励ましてくれる。
「はい、頑張ります!」
こうして、団長とミラさん、数人の男性自警団員と私で、街のすぐ外の森へと足を踏み入れたのだった。
森の中は木が生い茂っており、昼間だというのに薄暗い。
励ましては貰ったものの、やはりどこかビクビクとしながら皆にくっついて進んでいく。
どれくらい歩いただろうか。
不意に、上からボトリと何かが落ちてきた。
(ひぃっ!)
見ると、雫型のスライムがこちらを見てニヤニヤとしている。
私は思わずビビってしまったのだが、先頭を歩いていた団長は、事も無げに剣で薙ぎ払った。
するとあっという間にスライムは霧散して消えてしまった。
(おおぉ・・・!団長、カッコいいじゃないですか!)
「今のがスライムだ。雑魚だが数が多くてな。リアも見かけたら攻撃してみろ。」
「了解。」
団長があまりにもあっさりと倒したので、私でもなんとかなりそうな気になってきた。
またしばらく歩いていくと、今度は横の茂みからガサリと音をさせてモンスターが出てきた。
膝くらいの大きさのキノコに顔と手足が付いている、モンスターキノコだ。
「はぁっ!」
“ズドッ!”
私のかかと落としが見事に決まり、モンスターキノコは霧散して消えた。
「団長、私にもできました!」
「おう!よくやったな、その調子だ!」
こうして、しばらくの間森の中を歩き回り、出会ったモンスターを倒していく。
日が傾き始めたところで、今日の討伐は終わりとなった。
なんでも、夜になると昼間よりも強いモンスターが動き出すらしい。
その為、初心者の私がいる今は終わりにするとのことだった。
「初めての討伐はどう?大丈夫だったかしら?」
ミラさんが心配して声をかけてくれる。
「はい!少し自信もつきましたし、これから徐々に強いモンスターにも対応できるようになりたいです!」
「そう。やる気が出たみたいで良かったわ。」
ミラさんと笑顔でやり取りする。
役に立てることが一つ増えた私は、大満足で一日を終えたのだった。
ありがとうございました。
リアを応援してくださる方は、下の「☆☆☆☆☆」をポチっとして評価をお願いします。
また、ブックマーク登録をしていただけると、七瀬の元気がチャージされますので、よろしくお願いします!




