side 冒険者ギルドの母娘 02
ギルドの入り口から入ってきた人物を見て、レイラは目を輝かせた。
「オーウェン様!お疲れ様ですぅ!」
そう、入ってきたのはオーウェン一行だったのだ。
「ああ、久しぶりだな。新しいクエストの確認に来た。」
「それでしたら、最新のSSランクのクエストがありますよ!こちらですぅ。」
そう言ってレイラが差し出したクエストの内容が記された紙を、オーウェンが受け取って目を通す。
ドラゴンの討伐。
それも、最強種のドラゴンで、ティラノサウルスに羽が付いていて飛ぶことも出来るような感じだ。
炎を口から吐き出すことができ、一吹きで辺り一面を焼け野原にしてしまう。
そこいらの冒険者であれば、出会ったが最後、逃げることすら叶わずに負けるだけであろう。
「これはまた・・・。きつい内容だね。」
横から一緒に内容を確認していたウィリアムが苦笑する。
オーウェンから紙を受け取り、ざっと目を通したグレースが口を開く。
「確か、このあたりの街は林業が盛んでしたよね?産業が大打撃を受けているのでは?」
「もともとはもっと南の鉱山を住みかとしていたのに、北上してきたのか。」
オーウェンが腕を組んで呟く。
人間側からしたら、この手の最強モンスターが住みかを変えてしまうのは迷惑極まりない。
「そうなんですぅ。このクエストも、近隣のご領主様達の連名で依頼されてて、かなり被害は大きいみたいなんです。でも、オーウェン様クラスでなければ、SSランクのクエストなんてこなせませんからぁ。」
レイラがオーウェンにウルウルとした目を向けて話す。
「わかった。このクエスト、俺たちで引き受けよう。」
オーウェンが自分のパーティーのメンバーを見渡して言う。
メンバーのみんなはそれぞれの表情で頷いた。
「さすがはオーウェン様!頼りになりますぅ!」
レイラが甲高い声を上げる。
「そうと決まれば、早速準備だ!」
エブリンが意気揚々と言った。
こうしてオーウェン一行は装備品の準備の為に王都の街へと向かったのだった。
「ああ・・・。やっぱりオーウェン様が一番素敵・・・。」
残されたレイラは陶然とそう呟いた。
オーウェン達なら、この超難関クエストもコンプリート出来るだろう。
SSランクのクエストコンプリートとなれば、国中どころか、世界にだって名が知れ渡る。
また、このクエストは複数領主からの連名依頼ということもあって、コンプリート報酬の額もすごいものになっている。
そんな冒険者の妻となれれば、生活に困ることはまず無いだろう。
(ふふ。必ず貴方を手に入れて見せるわ。オーウェン様。)
魔女のような笑みを浮かべて、レイラはそう思っていたのだった。
一方オーウェンはと言えば、
(このクエストをコンプリート出来れば、きっとアルメリアの耳にも届くだろう。カッコいいところを見せなければ!)
と気合を入れていたのだった。
まさか別の女の事を考えているなんて、レイラは知る由もない・・・。
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