第24話 連合の人たち
――どうしよう。
逃げる……?
……ダメだ。
この距離で逃げたってすぐ撃たれるし、そもそも撃たなくたって俺なんかすぐ捕まる。
「………………」
近づいてくる連合の兵士に振り返って体を向けながら、思わず右手を後ろにまわした。
腰に隠した銃に触る。
シャツ越しでも伝わる「小ささ」。
頼りない……けど……。
他に誰もいない今なら――
手が震える。
どうして……。
あんなにやっつけたかった連合のやつが目の前にいるのに。
今なら誰にも気付かれずにやれる。
パパとママと、村のみんなと――小隊のみんなの仇が討てる。
俺だって、捕まらずに逃げられる。
なのに……。
「ふう……やっと追いついた。坊や、足が速いな」
「…………え……」
連合の兵士が、すこし息を切らせながら笑った。
隊長みたいな優しい声だった。
「この先は火事が起きていて危ないんだ。今、みんなで力を合わせて火を消しているところなんだが、何が起こるかわからない。向こうから回っていきなさい」
「……あ…………はい」
「……怖かったろう? だけど、もう大丈夫だ」
隊長よりもすこし大きな手が、俺の頭を撫でた。
なに……? この人……。
「――分隊長ー? どこですー? 分隊長ー」
「おぉ、そうだった。――ここだ! 見つけた!」
すこし離れたところから呼ぶ声がして――
俺の頭から肩に手の場所を変えた「分隊長」が、もう片方の腕を上げて応えた。
「いや、『ここ』って言われてもな……。――あっ、いたいた。探しましたよ。もー、いきなり走ってっちゃうんだもんなぁ」
「ははっ、すまんな」
コンテナの後ろから顔出したのは、別の若い連合の兵士。
ちょっと……ネイトに似てる。
ネイトのほうが、かっこいいけど。
「この坊主が、さっきの? 何でまた、こんなとこに……」
「近くの村の子が〔シーガル〕を見に来たんだろう。可哀想に……こんなことに巻き込まれるとはな……」
コンテナの間を走ってる時に、どこからか見られてたのかもしれない……。
でも……なんだか、勘違いしてくれてるみたいだ。
ネイトが言ってたみたいに、「近くの子」のフリをしたほうがいいかも。
「けど、異星人たちが大したことなくて助かりましたよ。負傷者はかなり出てますけど、『命に関わるような者はいない』って、爺さんも言ってましたしね」
「まったく……。軍医殿だ。爺さん呼ばわりするな」
「だけど、あの呑兵衛軍医殿、まだ明るいってのにもう酒臭かったですよ? そのくせ処置の手際はいいんだから、逆に引きますよ」
「ふ……確かにな。だが、今回基地を襲ってきた連中……あれは、わざとだ。奴らがその気だったら、かなりの数が死んでいた」
「わざと……って。なんで、わざわざそんなこと……」
早くここから離れたい……。
でも、「分隊長」が俺の肩に手を乗せたままだし……。
なにより……小隊のみんなの話が出て、すこし気になった。
連合の女性パイロット、分隊長、ネイトみたいな若い兵士、フリッパー小隊の動き。
ラストに向け、いよいよ終盤の要素も揃いましたー \(´・∞・` )
あ、フリッパー小隊の動きについては次話ですね ”(´・∞・`;)
ラストは、これまでのお話の要素と組み合わせると、「あー、なるほどねー」ぐらいには思って頂けるかと(´;∞;` )あんまり期待はしちゃダメだよ?




