第21話 格好なんてつかない
両手に剣を構えた【ガネット】が、どんどん近づいてくる。
「えと……えっと……! ……戦闘モードをクローズコンバットにして……えっと、それから……武器選択……っ」
【ロックホッパー】の白兵戦用標準装備は、銛。
当然使ったことはないけど――リーチも【ガネット】の剣より長いし、俺でも戦えるはず……!
「…………なんで無いのぉぉっ!?」
なんで無いのぉっ!!
あ……ネイトが鉱山地帯に置いてきちゃったんだ……!
「もぉぉっ……! 何やってんだよぉっ! 副武器は……!? ……あった! これ! ……こ……これ……?」
【ロックホッパー】が腰から引き抜いたのは、小さな小魚刀。
刃の長さはすこしあるけど、【ガネット】が持ってるすこし短めの剣の半分もない。
……そもそも、一本しかないし。
「けど、まぁ……二本あっても片腕しかないからどのみち使えな――来たぁ…っ!!」
【ガネット】が、右手側の剣を振り下ろしてくる。
大きなモーション。
「これなら、俺だって! ――うあっ!?」
防ごうと構えた小魚刀は、右腕ごと大きく下に弾かれた。
コックピット内もすごく揺れて、思わず目をつむっちゃった。
「うっ! ……くっ……そぉっ!!」
目を開けた時――モニターに映っていたのは、左手側の剣を水平に引き構える【ガネット】。
コックピットを狙って突いてくる……?
「あ……」
モニターに映る剣の切っ先に釘付けで、身体は固まって動かない。
――だめだ……やられる……。
その瞬間、金属がぶつかるものすごい音と一緒に、【ガネット】がモニターから消えた。
「え……あ…………え…っ? な……何……?」
見回すと、【ガネット】の上に別の機動兵器が折り重なるように乗っかって倒れている。
あれって……たしか【ブラックバック】っていう〔シーガル〕……。
形状は違うけど……あ、村の人が言ってた作業用の……?
でも敵……だよね? なんで……?
「えっ? 通信?」
『――ハッ! どうした、騎士様! ひでぇザマじゃねぇか!』
――この声。
「ネイトっ!?」
『ひとの機体、勝手に乗り回しやがって。――だが、説教は後だ。お前はさっさと、機体を捨てて逃げろ!』
「で、でもっ!」
『でも、じゃねぇ! ジャマだって言っ……この! おとなしくしてろ、ド素人がっ!』
話している間に、下敷きになっていた【ガネット】が暴れ出した。
ネイトの【ブラックバック】が作業用アームで【ガネット】の両腕を押さえつけている。
『こっちの機体まで出てきたとなりゃ、基地の連中は周辺部隊に応援を要請する。一機相手にそのザマで、やれるわけねぇだろ! いいから、逃げろ!』
「で、でも! でも、ネイトはっ!?」
『でもでも、うるせぇ! この程度の相手……チッ、くそが……!』
【ガネット】の左腕が、【ブラックバック】のアームに掴まれたまますこしずつ上がる。
『羽根無し共は、整備もろくに出来ねぇのかよ!』
じりじり上がった左腕の先には、まだ剣が握られていて。
その剣が、ゆっくりと【ブラックバック】の機体の側面に刺さっていった。
「F・ナイフ」はフィッシングナイフなんですけど、すこし大きめのものを想像して頂ければ ”(´・∞・` )
そして、【ブラックバック】。ガン〇ムの二次創作で構想してたものでは、作業用に改修されたガ〇タンクでした \(´・∞・` )なので無限軌道が
今回のお話は、ガ〇タンクで「どがーん!」って突っ込んできたイメージですw (´・∞・` )




