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ブルーボーダーAS  夕焼け色のサンタクロース  作者: 黒舌チャウ


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22/22

第22話  せめて最期は戦士として

「ネイト……! ネイトっ!」


『――平気(へーき)だッ! この程度、まだなんとかなる!』



 ゆっくりと深々と刺さった剣が、今度は逆に、勢いよく引き抜かれた。



 ネイトの【ブラックバック】が力を取り戻したのかと思ったけど――



 【ブラックバック】のアームに抑えられた【ガネット】の腕が、ギシギシ大きな音を立てながら動き始めた。


 握られた剣の切っ先が、もう一度【ブラックバック】の側面へとゆっくり進む。



「……っ!? 待ってて! 今、俺が……!」

『来るなっ! お前は、さっさと脱出しろ!』


「けど…っ! あ……あぁぁっ……」



 ゆっくりだけど、でも今度はさっきより速く――【ブラックバック】の胴体部分に剣が刺さっていく。


 電装系がショートしているからか、さっきより大きな火花を上げながら。



「ネイトっ! だいじょうぶなのっ!?」 



 返事がない――



「……ネイト……? ねぇ…っ!?」



 ……まさか……今のでコックピットが――



「うそだ……ネイト……。……え?」



 【ブラックバック】の下敷きになっていた【ガネット】のコックピットハッチが開いて……中から――



「リーナさん……?」



 女の人。

 だけど、リーナさんじゃない。違う人だ。 


 リーナさんと同じ髪型だけど、連合の軍服を着てる。



 その人は、コックピットから転がるように飛び出すと、何度も転びそうになりながら海に向かって走り出した。



「…………俺……」



 ……俺……あの人と戦ってたんだ……。



 乗ってる人のことなんて、考えてなかった。


 みんなを助けることに必死で。

 ただ、目の前にいる「連合の機体」をやっつけることに集中してて――



「う…っ。……気持ち…わるい…っ」



 もし、あの時――俺が撃った弾がちゃんと当たってたら。


 ……俺があの人を殺してたかもしれない。




『おい、ふざけんなっ! そん(なか)で吐きやがったら、承知しねぇぞ!』



 えっ!?



「ネイトっ!? なんで生きてるのっ!?」


『あぁっ? 何だその言い草――いや、それよりさっきのやつはどうした? 海に飛び込んだか?』


「えっ? ……あ、うん。さっき、慌てて飛び込んでた」


『ヘッ。「このまま、一緒に丸焼きになるか?」って脅かしてやった。素直で助かるぜ』



 ――あ。


 そうか、連合の機体同士だから通信も簡単にできるんだ。



「それで、さっき応答がなかったんだ……」 


『よし、これで――』



 また聞いてない。



 ネイトの【ブラックバック】が、【ガネット】の剣をそのコックピットに突き立てていた。




『これですこしは時間が稼げるが、基地外からの増援が来るのも時間の問題だ。お前は脱出しろ。ってか、何度も言わすな』


「ネイトは?」


『見りゃわかんだろ。【ブラックバック】(こいつ)も時間の問題だ』



 【ガネット】の上から降りた【ブラックバック】が、基地施設の方角へ動き出す。


 刺された場所以外も、ショートと小さな爆発を起こし始めていた。



「どこいくの…っ? ネイトも早く脱出しないと……!」


『馬鹿か。このまま置いてったら【ガネット】まで誘爆する。――〔シーガル〕二機が揃って爆発してみろ。脱出しても、オレたちまで黒焦げになるのがオチだろうが』


「だけど……!」


『輸送機は飛んだ。これで隊長の最後の命令も果たせたようなもんだ』



 そうだ――輸送機。


 

 海のほうに機体を向けると、遠くに輸送機の機影が見えた。



 よかった。みんな――



『せっかくだ。基地本部で、でかい花火を上げてやる』


「……えっ? あ……ネイトっ!」



 しまった! 追いかけないと!



「待って、ネイト!」


『機体を捨てたら、コンテナ置き場を縫って格納庫の方角へ走れ。裏手の丘までいければ何とかなるはずだ』


「ネイト……!」


『羽根無し共も、まさかそいつに乗ってたのがガキだとは思わねぇ。万一、見つかっても近くの村のガキを装え』


「待ってよ!」



 無限軌道(キャタピラ)で走る【ブラックバック】は、そこまで速いわけじゃないけど――推進剤の無くなった【ロックホッパー】の歩きじゃ、最初の遅れを縮められなかった。



『……もってくれよ、ドンキー。こんな姿にされたって、お前の魂は誰にも変えられはしねぇ。――せめて最期くらいは戦士として終わりたいだろ』


「ネイト! もう無理だよ…っ! 逃げて!」


『冗談じゃねぇ。やっと、オレにも巡ってきたんだ。――ヘッ。まさか最期の相棒が、ステラ(そいつ)じゃなくてドンキー(こいつ)とは夢にも思わなかったけどな。けど……これはこ――』



 大きな爆発音の後、炎に包まれながらすこし進んだ【ブラックバック】が静かに止まった。


 

「ネイト!? そんな…っ! 今、助け――う…っ!」



 近づこうとした瞬間、強い光で目の前が真っ白になって――


 次の瞬間には、さっきよりも大きな爆発音の中、俺の乗った【ロックホッパー】は後ろに吹き飛ばされていた。


 









「話してる途中で爆発」。あんまり多用したくなかったんですけど、ロンダの時にこれで脱出が間に合わなかったことが示唆されていたので、使いました(´・∞・` )ぷむぅ


「え、でも、チャウ氏。あんなに時間あったなら、すぐ脱出してれば間に合ったのでは?」

は、ナシでw (´=∞=` )ほほほぅ

ネイトも、いつ爆発するかわからなかったんですよぅ(´=∞=` )と、いうことでひとつ

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