第18話 メリークリスマス!
チトラル基地までは、【ロックホッパー】の足ならそんなに時間はかからないはず。
でも、みんなと別れてから時間も経ってるし、できるだけ早く着きたい。
「よぉし……まだやったことないけど……ブースターを使って一気に……!」
…………あれ?
「え……何で? ……おかしいな……これで合ってるはずなのに……」
何度やっても反応しない。
……推進剤は……少ないけど、問題ないはず……。
――整備不良?
ピートさんに限って、あり得ないけど……。
「……うーん」
……試してみようかな……?
ちょっと恥ずかしいけど……誰もいないし。
「え…っと……あの…………ステラ……さん? ブースト、かけたいんですけど……」
――反応しない。
「あの……俺、みんなを助けに行こうとしてて。あ、ほら……もともと乗ってたネイトも、そこにいるんだけど……」
――何度やっても反応なし。
「やっぱり、こんなことしてもダメか……」
【ロックホッパー】は走れないけど、その歩行速度は俺が思いっきり走るより断然速い。
わかってるけど……今は、この速度がじれったい。
「……ねぇ…っ! 俺、急いでみんなのところに行きたいんだ……! そりゃあさ……助けて何を話したらいいかもわかんないし、そもそも俺になんか助けて欲しくないかもしれないけど……」
だけど……。
「みんなには、死んで欲しくないんだ……。フリッパー小隊に、俺はもういらなくたって……もう戻れなくたって…………」
――それでも。
「……だから、お願い! 俺の操縦じゃ不満だろうけど、言うこときい…ッ!? てぇぇぇぇぇッッ!?」
突然ブーストがかかって、操縦席に体が押しつけられた。
「あぶぶぶぶ危ない……ッ!! このぉぉぉっ!!」
しっかり操縦桿を握ってないと、ひっくり返りそう……!
歩くだけとは大違い。
みんな、こんなのを使いこなして戦ってたんだ――
操縦桿が手の中で暴れてビリビリする。
「お……俺だってぇ…っ!」
~・~~・~・~~・~
ブーストをかけて進んだおかげで、かなり早く基地に着けた。
推進剤は無くなっちゃったけど、どのみち俺の腕じゃ、ここから先では使えない。
「いててて……。まだ、手がビリビリする……」
でも、本当に言うこと聞いてくれた。
やっぱり、やってみるもんだよね。
ありがと。ステラさん。
「それはそうと……みんなは、どこだろう? 早く探さないと……」
【ロックホッパー】で近づいたのに、連合のやつらは基地から出てこなかった。
基地のレーダーには映ってるはずだから、向こうが気付いてないわけがない。
きっと、俺の接近に対応できないぐらいの事が起きてるってこと……。
だけど、こっちはレーダーで探すってわけにはいかないし……。
「そうだっ。え…っと……マイクの感度を上げるには……。……えっ!?」
基地の外郭まで来たところで、 マイクが銃声を拾った。
単発だったり、連射だったり。たまに爆発音も聞こえる。
「わわわっ! 急がないと!」
目の前に、基地のフェンスが見える。
見張り台? みたいな物も立ってるけど、誰もいないみたい。
フェンスは高めだけど……【ロックホッパー】なら、なぎ倒して進めるはず!
「こんなものー! ……って……意外と丈夫だな……。あっ! 危ないっ……もぉぉっ! 何だよ、コレぇっ!」
フェンスが引っかかって、転びそうになっちゃった。
すこし引きずった後で、なんとか抜け出して進むと、コンテナが並ぶ場所に出た。
右手側には海。左手側には、基地に沿うように大きな丘陵地帯。
それを背にして、格納庫や基地施設の建物が並んでいた。
「いた……! いたっ! ……みんな…っ!!」
コンテナが並んだずっと先――そこでコンテナを盾に連合のやつらと撃ち合うフリッパー小隊のみんなの姿が見える。
「いち、に、さん…………五人、みんないる……! ……よぉぉし、いくぞぉっ
」
のしのし歩いて行くのはカッコつかないけど、しょうがない。
『――おい! 聞こえるか!? 誰が乗ってる!?』
通信? ピートさんだ。
「ちょっと早いけど……メリークリスマス、みんな! 助けに来たよ!」
決まった!
へへ。ここに来るまでの間、ちょっと考えてたんだよね。
……あ、あれ?
連合のやつら、逃げていっちゃった……。
せっかく、ここから大活躍するはずだったのに……。
『バーニー……! ……ついて来ちまったのか』
『バーニー、どうして……!』
「お姫様を守るのは、騎士の役目だからねっ」
『バーニー…っ』
わはぁぁ…っ! 言っちゃった! 恥ずかしい……!
『あの馬鹿……!』
『あっ! ……おい、ネイト! どこに行く!? 戻れ!』
ネイトが、海側の方へ走っていっちゃった。
「馬鹿」ってなんだよ。やっぱり感じ悪い。
『おやっさん! 今のうちに進もう!』
『……しかし……』
『来てしまったものは仕方ありません。それに……どのみち、我々だけでは……』
「ジャンさんとリゾーリさんの言うとおりだよっ。俺に任せて!」
『くっ……。無茶はしてくれるなよ、バーニー……。無理だと思ったら俺たちのことはいい……すぐに機体を捨てて逃げろ。いいな?』
「わかった!」
大丈夫。
みんなが基地を脱出できるまで、俺が守ってみせるよ。
『バーニー……』
「リーナさんも、行って!」
決まった……!
『ん……あれは……! くそっ……バーニー、逃げろ!』
ピートさん……今、せっかく決まったところだったのに……。
「……えっ?」
ピートさんの声にモニターを見回すと、格納庫のほうから進んでくる連合の機体――〔シーガル〕の姿が映っていた。
おぉぉっ(´;∞;` )本来、構想段階では、前半のブースト云々の話は予定してなかったんですけど…
ボクの「あるある」として、文字数を気にしすぎたり、極力説明を省こうとして、すごく駆け足になっちゃう傾向にありまして(´・∞・`;)
それをなんとかしようと、本来割愛する予定だった部分を書いてみました ”(´・∞・`;)
一応、後々うっすら関わってくる部分ではあるんですよぅ \(´・∞・` )そうなのです
……でも、そろそろ「サザクロ」の続き書かなきゃ…という、あせりもあったり…(´;∞;` )むぅ
それでいて最近、平行して「あざらし子ちゃん」書いてたり…(´;∞;` )そんなんやってるからだッ
こんな感じですが、がんばれるのは、読んでくださるみなさんのおかげ…!
\(´;∞;` )ありがとうございます!がんばります!




