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ブルーボーダーAS  夕焼け色のサンタクロース  作者: 黒舌チャウ


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18/22

第18話  メリークリスマス!

 チトラル基地までは、【ロックホッパー】の足ならそんなに時間はかからないはず。


 でも、みんなと別れてから時間も経ってるし、できるだけ早く着きたい。




「よぉし……まだやったことないけど……ブースターを使って一気に……!」



 …………あれ?



「え……何で? ……おかしいな……これで合ってるはずなのに……」



 何度やっても反応しない。


 ……推進剤は……少ないけど、問題ないはず……。



 ――整備不良?


 ピートさんに限って、あり得ないけど……。



「……うーん」



 ……試してみようかな……?


 ちょっと恥ずかしいけど……誰もいないし。



「え…っと……あの…………ステラ……さん? ブースト、かけたいんですけど……」



 ――反応しない。



「あの……俺、みんなを助けに行こうとしてて。あ、ほら……もともと乗ってたネイトも、そこにいるんだけど……」



 ――何度やっても反応なし。



「やっぱり、こんなことしてもダメか……」



 【ロックホッパー】は走れないけど、その歩行速度は俺が思いっきり走るより断然速い。


 わかってるけど……今は、この速度がじれったい。



「……ねぇ…っ! 俺、急いでみんなのところに行きたいんだ……! そりゃあさ……助けて何を話したらいいかもわかんないし、そもそも俺になんか助けて欲しくないかもしれないけど……」



 だけど……。



「みんなには、死んで欲しくないんだ……。フリッパー小隊に、俺はもういらなくたって……もう戻れなくたって…………」



 ――それでも。



「……だから、お願い! 俺の操縦じゃ不満だろうけど、言うこときい…ッ!? てぇぇぇぇぇッッ!?」



 突然ブーストがかかって、操縦席(シート)に体が押しつけられた。



「あぶぶぶぶ危ない……ッ!! このぉぉぉっ!!」



 しっかり操縦桿を握ってないと、ひっくり返りそう……!



 歩くだけとは大違い。

 みんな、こんなのを使いこなして戦ってたんだ――


 操縦桿が手の中で暴れてビリビリする。



「お……俺だってぇ…っ!」



~・~~・~・~~・~



 ブーストをかけて進んだおかげで、かなり早く基地に着けた。


 推進剤は無くなっちゃったけど、どのみち俺の腕じゃ、ここから先では使えない。



「いててて……。まだ、手がビリビリする……」



 でも、本当に言うこと聞いてくれた。


 やっぱり、やってみるもんだよね。

 ありがと。ステラさん。



「それはそうと……みんなは、どこだろう? 早く探さないと……」



 【ロックホッパー】で近づいたのに、連合のやつらは基地から出てこなかった。


 基地のレーダーには映ってるはずだから、向こうが気付いてないわけがない。 

 きっと、俺の接近に対応できないぐらいの事が起きてるってこと……。

 

 

 だけど、こっちはレーダーで探すってわけにはいかないし……。



「そうだっ。え…っと……マイクの感度を上げるには……。……えっ!?」 



 基地の外郭まで来たところで、 マイクが銃声を拾った。


 単発だったり、連射だったり。たまに爆発音も聞こえる。



「わわわっ! 急がないと!」



 目の前に、基地のフェンスが見える。


 見張り台? みたいな物も立ってるけど、誰もいないみたい。



 フェンスは高めだけど……【ロックホッパー】なら、なぎ倒して進めるはず!



「こんなものー! ……って……意外と丈夫だな……。あっ! 危ないっ……もぉぉっ! 何だよ、コレぇっ!」



 フェンスが引っかかって、転びそうになっちゃった。 



 すこし引きずった後で、なんとか抜け出して進むと、コンテナが並ぶ場所に出た。


 右手側には海。左手側には、基地に沿うように大きな丘陵地帯。

 それを背にして、格納庫や基地施設の建物が並んでいた。



  

「いた……! いたっ! ……みんな…っ!!」



 コンテナが並んだずっと先――そこでコンテナを盾に連合のやつらと撃ち合うフリッパー小隊のみんなの姿が見える。



「いち、に、さん…………五人、みんないる……! ……よぉぉし、いくぞぉっ



 のしのし歩いて行くのはカッコつかないけど、しょうがない。



『――おい! 聞こえるか!? 誰が乗ってる!?』



 通信? ピートさんだ。



「ちょっと早いけど……メリークリスマス、みんな! 助けに来たよ!」



 決まった! 


 へへ。ここに来るまでの間、ちょっと考えてたんだよね。



 ……あ、あれ?

 連合のやつら、逃げていっちゃった……。


 せっかく、ここから大活躍するはずだったのに……。

 



『バーニー……! ……ついて来ちまったのか』

『バーニー、どうして……!』


「お姫様を守るのは、騎士の役目(しごと)だからねっ」


『バーニー…っ』



 わはぁぁ…っ! 言っちゃった! 恥ずかしい……!



『あの馬鹿……!』

『あっ! ……おい、ネイト! どこに行く!? 戻れ!』



 ネイトが、海側の方へ走っていっちゃった。


 

 「馬鹿」ってなんだよ。やっぱり感じ悪い。



『おやっさん! 今のうちに進もう!』


『……しかし……』


『来てしまったものは仕方ありません。それに……どのみち、我々だけでは……』


「ジャンさんとリゾーリさんの言うとおりだよっ。俺に任せて!」


『くっ……。無茶はしてくれるなよ、バーニー……。無理だと思ったら俺たちのことはいい……すぐに機体を捨てて逃げろ。いいな?』


「わかった!」



 大丈夫。

 みんなが基地を脱出できるまで、俺が守ってみせるよ。



『バーニー……』


「リーナさんも、行って!」



 決まった……!



『ん……あれは……! くそっ……バーニー、逃げろ!』



 ピートさん……今、せっかく決まったところだったのに……。



「……えっ?」


 

 ピートさんの声にモニターを見回すと、格納庫のほうから進んでくる連合の機体――〔シーガル〕の姿が映っていた。

  


 

 


おぉぉっ(´;∞;` )本来、構想段階では、前半のブースト云々の話は予定してなかったんですけど…


ボクの「あるある」として、文字数を気にしすぎたり、極力説明を省こうとして、すごく駆け足になっちゃう傾向にありまして(´・∞・`;)

それをなんとかしようと、本来割愛する予定だった部分を書いてみました ”(´・∞・`;)


一応、後々うっすら関わってくる部分ではあるんですよぅ \(´・∞・` )そうなのです


……でも、そろそろ「サザクロ」の続き書かなきゃ…という、あせりもあったり…(´;∞;` )むぅ

それでいて最近、平行して「あざらし子ちゃん」書いてたり…(´;∞;` )そんなんやってるからだッ


こんな感じですが、がんばれるのは、読んでくださるみなさんのおかげ…! 

\(´;∞;` )ありがとうございます!がんばります!

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