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ブルーボーダーAS  夕焼け色のサンタクロース  作者: 黒舌チャウ


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17/22

第17話  いつか騎士みたいに

「よかった……! まだ、あった!」



 村から出て、丘をのぼって、森の中を進んで。

 ようやく【ロックホッパー】が隠してある場所まで来れた。


 村の中からずっと走ってきたから、すごく苦しいし脚だって痛いけど――休んでる時間はない。




「……ああ、もうっ! 何だよ、これ!」



 迷彩ネットをめくってコックピットハッチを開けようとしたけど、たくさんかぶせた枝が絡んでうまくいかない。



「誰だよ、こんなにしたのぉっ!」



 こういう時こそ、落ち着いてやらなきゃいけないのに。

 取ろうとした枝がネットに引っかかってイライラする。



 このへん、やったの俺だ。

 もっとイライラする。

 


「よし、これで……! えっと……えっと……どうやって開けるんだっけ……? 俺、開けたことなかった……!」


 

 いつも乗せてもらうときは、隊長が開けてくれてたから。


 えっと……たしか……。



「開いた! ……よし、これで」



 機種は隊長のと同じだから、操作はわかる。



 ――起動を確認。……各部のチェック。



「モニターも問題なし」



 外の映像が映ったのを確認して、操縦桿を握る。


 外の映像……っていっても、まだネットがかぶさったままだから何も見えないんだけど。



「この態勢から動かすの初めてだ……。よ…よぉぉし……!」



 機体制御、苦手なままだったんだけどなぁ。



「うわ…っ! っととと……(あぶ)…っ!」



 起き上がった瞬間、後ろに倒れそうになったり、バランスをとろうとして前につんのめりそうになったけど――何とか……!



「ふぅ……。危なかったぁ……」



 何だか……隊長の【ロックホッパー】より、すこしだけ動かしやすい気がする。


 ……重い……っていうわけじゃないけど――なんていうか、隊長のはもっと細かく操作しないといけない感じだった。

  


「これ、邪魔。……あっ! もぉぉ……」



 機体の腕を動かしてネットを取ろうと引っ張ったら、引っかかってちぎれた部分が残って、モニターに映った。邪魔。


 思わず操縦席(シート)から体を浮かせて手を伸ばしちゃった。


 取れるわけない。恥ずかしい。


 

「……誰もいなくてよかった。って……あれ?」



 伸ばした手の先。モニターの上の枠のところに何か彫ってある。


 

「ステラ……?」



 女の人の名前?


 ……あー。

 ネイトって、自分の乗機に女の人の名前付けるタイプだったのか。


 

 もし会ったら、からかって仕返ししてやろう。





 正直――ネイトのことは許せない。

 ……みんなのことも。



 でも……このまま連合のやつらに殺されちゃうなんて、それだけは絶対に嫌だ。



 ――それに。



 お姫様を守るのは騎士の役目(しごと)だし、ね。



 小さい頃、絵本で読んだおとぎ話。

 かっこいい騎士が、お姫様のピンチに駆けつけて助けるんだ。


 ずっと、そんなふうになりたかった。



 いつも助けられてばかりで。泣いてるだけで誰も守れなくて。


 

 だけど、今は違う。



「待ってて……リーナさん(お姫様)……!」



 ……言ってみたけど、すごく恥ずかしい。

 

 思わず、周りを見渡しちゃった。

 本当に誰もいなくてよかった。



 でも――


 何だか、勇気が湧いてきた。

 きっとみんなを助けられる。そんな気がする。



 操縦桿を握る手に力をこめると、片腕の【ロックホッパー】も応えてくれた気がした。

 


 



 

隊長の機体も、ネイトの機体も、カスタムされています \(´・∞・` )

技量が上である隊長の機体のほうがより感度がいいため、ネイトの機体に乗った時「動かしやすい」と感じた――という感じです ”(´・∞・` )


実はバーニー、英才教育を受けてました(´・∞・`*)




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