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25 でもやっぱり結局

 一日考えて、考えて考えて考えた。いや~どうしよう。

 私は本当に優輝君のことが好きなのかな? それともただ単に男性恐怖症を治す手伝いをしてくれたからなのかな。優しくしてくれたから?

 う~~~~わかんないよ。だって私、今まで男子との関わりなかったんですよ。うああぁぁ~。

 私は机に突っ伏した。もう放課後になっちゃってたみたいで、私は教室に1人。

 シーンっていう音が聞こえそうなほど静か。鳥のさえずりも聞こえないくらいで。

 優輝君も帰っちゃっただろうし、明日にしようかな……。

 あっ、でも男子と関わったことは一回だけあるんだ。幼稚園が一緒だった、さらわれた男の子、ゆうちゃん。あの子、私ずっと女の子だと思ってたんだよね。一回も同じクラスにならなかったし。

 ゆうちゃん……って、今どこにいるんだろう? ちゃんとお母さんたちのところに帰れたのかな?

「愛華ちゃん」

 声をかけられた。――――優輝君。夕日に髪が反射して、オレンジ色っぽく見える。なんか綺麗。

「優輝君。あれ、どうしたの? こんな時間まで残って」

「愛華ちゃんにもう一度会いたくて」

「え……?」

 なんとなく、その言い方がもう二度と会えなくなるみたいに聞こえて、私は耳を疑った。

「もう、あえないかもしれないから」

 その言葉に、私は絶句した。寂しげに笑う優輝君を見ると、余計にむなしくなった。

 会えないってどういうこと……? 何処かに引っ越しちゃうの? また、ゆうちゃんみたいに。

 みんないなくなっていくんだ。みんなみんな、私のことを置いていく。

 雪乃や紅葉も最近怖いし、梨央ちゃんも告白をあきらめるし。あ、梨央ちゃんが告白をやめたのって、遠距離恋愛をうまく続けられる自信がなかったから、とか?

 そういうことなんだったら、言ってくれればよかったのに。でも、本当にどういうことなんだろ。

「なんで、会えなくなるの?」

 そう聞くと、結城君はまた寂しそうに笑った。

「引越しするから」

 やっぱりそうなんだ。会えないってことは転校しちゃうのかな。なんか悲しいな。

 こうやってみんなばらばらになっていくんだよね。高校、大学って進んでいくうちに、どんどんどんどんいなくなっていって、飛び立っていって。私は残されちゃうのかな?

 それとも、ちゃんと1人で飛び立って行けるのかな。


「あのさ」

 唐突に優輝君がそう切り出した。

「ん?」

 私が首をかしげながら優輝君の方を見ると、優輝君は申し訳なさそうな顔をして言う。

「ごめん、ずっと言えなかったんだけど――――――」


 その言葉を聞いた瞬間、私は動けなくなった。

 そんなはずない、でも、そうなんだ。

 涙が出そうだった。背筋が凍りそうになった。


「そんな、こんなこと……って」


 本当にあるんだ。こんな奇跡。


 ――――ほんとは僕たち、会ったことあるんだ。


 その一言で、私は分かった。ずっと前、出会ってた。


 ゆうちゃん――――


「そうだったん、だ。優輝君、知ってたの? 私だったってこと」

「うん、ごめん」

「別に、謝ることじゃないよ」

 そう言いながらも、私は泣きそうだった。優輝君がゆうちゃんだったって、じゃあ、助かってたんだ。

「よか……よかった……」

 ゆうちゃんのこと、心配だった。どうなっちゃったんだろうって。そこから男の人のことが怖くなって。でも、次第にゆうちゃんのことは気にしなくなった。

 お母さんがもう忘れなさいって言ったから。いつまでも気にしてたって何にもならないからって。

「私ね」

 言おうとしたときに、止められた。

「僕から言わせてよ」

 優輝君はそういって笑った。私はうなずく。

 夕焼けの光が差し込む教室で、私と優輝君は。


「好きです。付き合って下さい」

「……私も、好きです」

 多分、顔真っ赤だっただろうな。恥ずかしかったもん。でも、私は。

「えへへ」

 はにかんだ笑みを見せる私。それを見て笑う優輝君。

 なんか、憧れてたシチュエーションって感じ。


「――――いかな?」

「――――こーよ」

 ぼそぼそと話し声が聞こえてきた。もしかしてこれって……。

 優輝君も気がついたみたいで、二人同時に教室のドアのほうを振り向く。

 そこにいたのは、梨央ちゃん、雪乃、紅葉、ユアちゃんの4人!!

 いつからいたの!? はずかしぃよぉ~……。

「あ、え、えーっと」

 梨央ちゃんが気まずそうに頭をかく。雪のが横から「おっ、おめでと!」と言ってきた。

 その瞬間他の3人も「お、おめでとぉ~!!」と、祝福(多分)。

「あ、うん、えーと、あ、ありがと?」

 なんて返事したらいいのかわかんないので、とりあえずぺこり。

 ね、でもなんかうまく、都合よくいきすぎじゃない? ま、まさか全部夢でしたーっていうお決まりの夢オチだったりして!! やだやだそんなの絶対やだ!


「ぅおーい、まなかぁ? だいじょぶかぁー」

 つんつん肩をつつかれる。振り向くと、梨央ちゃんが立っていた。

「あ、うん。ってか、梨央ちゃんほんとに私に、その、優輝君を譲っちゃっていい、の?」

「えー? もう愛華、そんなのいいって。あたしのことなんか気にせずらぶらぶしときゃーいいんだよぉ」

「えーちょっと、ね、梨央ちゃん?」

 梨央ちゃんは何処かに行ってしまった。気を遣ってくれたのかな。だって今私、優輝君と二人っきり。

 ううぅぅうぅ、いくら自分の気持ち伝えられたからって、すぐに仲良く普通にカップルみたいなこと出来るわけもないし、無理だし。

「あ、んーと、その。これからも、宜しくお願いします」

 なんか顔を見られなくなって頭を深々と下げる。こんなことでもしてないと私、立ってらんないよぉ~!!

「うん、よろしく」

 優輝君はいたって普通。何でそんな顔していられるの~!?

 でもまあ、優輝君=ゆうちゃんだったってことなんだから、一番面識あった男子ってことなんだよね。

 なんか、都合いいハッピーエンドになっちゃった気がするけど、まあいいよね。

 私が幸せなら、みんなが幸せなら。




 とまあこういうわけでなって1年後。色々理由あって別れました。


 おいっ!! って思ったそこの皆さん。許して下さいお願いします。

 春野愛華15歳中学3年生。男性恐怖症再発してしまいました。



 理由というのもですね、優輝君に、き、キスされそうになったわけですよ。

 それでですね、私なんか拒んじゃって、で、なんか怖くなっちゃったんですよ!!

 分かってるんです私が悪いんです。拒むなんてどれだけ結城君の心を傷つけたか。計り知れないほど大きな傷を負ってしまっているのかもしれないのに慰めることも出来ずに私は男性恐怖性を勝手に再発(?)させてしまったわけなんですから。やっぱり私が悪いんですよね分かります。

 って、なんか私めちゃくちゃネガティブモード!

 なにこのハッピーエンドかと思ったら実はなんか1年後にひどいことになってたみたいな。


 ほんとに私が悪いんですよ? 知ってます。

 でも私は優輝君のことが好きなんです。でもなぜか男性恐怖症が再発しちゃったのでもうほんとこの感じ1年ぶりってことなんですから久しぶりすぎて体は慣れないし、お母さんの再婚相手にも過剰反応しちゃって一緒にご飯食べられないし。

 やだもうこの感じほんとやだよ。いやだいやだいやだ!


「ごめん優輝君。でもほんとに無理なの。分かるでしょ?」

 電話で優輝君と会話。優輝君は黙って私の話を聞いた後に言った。

『ごめん、分かってるんだけど。でも、愛華ちゃんに迷惑はかけたくないから』

 電話はそこで切れた。そこから音信不通になっちゃって……。

「私が何をしたって言うんですか~!!」

 悲しい。つらい。


「むり……」


 私、新しい恋見つけたいです。

なんか期待はずれだったらごめんなさい。

謝ります。すみません。

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