第9話 決断
テストから1週間後。
いつもの公園にて橋本レンは絶望していた。
「どうしよう、、まともな作戦思いつかない」
「やっぱり立候補するしかないんじゃない?」
「椎名君はいいよね、、別に被害を受けないんだから、、」
「そんなこと無いって。もしレンさんが生徒会に入ったら、俺の目的達成する手伝いする時間無くなるでしょ?」
「それは大丈夫。約束は絶対守るから、、ところで、」
目的は何?そう聞こうとしたところで遮られた。
「それは言えない。」
普段見せないまじめな顔だ。
「でも、どんな目的かわかんなかったら手伝えなくない?」
「それでも、、言えない」
なぜか椎名君は辛そうだった。
二人の沈黙を破ったのは一つの電話だった。
マユからだった
「、、もしもし?」
『あっ!レンち!?テスト期間話せなかったから久しぶりだね?』
ハイテンションだ
「それで、何の用?」
『分かってるくせに、、』
いたずらそうな声で返される。
『もし明日までに立候補しなかったら、、分かってるよね?』
次は、マジトーンだ。
マジのギャルは怖い。
「う、うん。それでね、少し提案があるの」
そう言って椎名君と絞り出した策を提案する。
「あのね、私はあんま生徒会の仕事やりたくないって感じでさ、、だからマユちが立候補して、私が応援演説するってのは、、、、どう?」
『ふぅん、、』
思ったよりいい印象だ。
もしかしたら『そんな提案、引き受けるわけなくない?』
とか言われるかと思った
もう一押しだ
「私この学校だと結構人望あついし、マユちだって人気じゃん!」
『ま、まぁ、』
押し切れる。
「それにお兄さんのことだって、、」
『は?』
今まで聞いたこと無いマユの声が電話越しで響いた。
『それ、だれに聞いたの?』
ミスった。完全にぶち切れてる。
『聞いてんだけど、、』
「あ、、あの、五英傑の、、」
そこまで言ったら少し納得いった声で、でも確実にキレてる声で言ってきた。
『なるほどね。さっきの案、却下。レンちも私もどっちも生徒会に入らないとダメ。』
怒りに任せた嫌がらせなのか、それとも何か目的があってなのかそう告げた。
『あと、私の目的とお兄さんは関係ないから。』
『もし、次私の事調べたらレンちの過去の事、皆に話すから、、』
オタクの事。私はこの入学してからの数、必死になって隠してきた。
だが、椎名君を見て”陽キャでもオタクでいいんじゃないか”と思うようになってきた。
『もしかしてオタクの事だと思ってる?違うから、、』
そうクソ野郎は言って続けた
『私はあなたの起こした事件を知っている』
え?そんな、、
あの事まで知られているなんて、、
上手く呼吸が出来ない。
視界がゆがむ。
「おい!大丈夫か!」
椎名君の声で我に返る
「分かった。立候補するわ」
『良かったレンち!私も親友を傷つける真似はしたくないもん!』
いつもの調子に戻ってる。
『じゃあ、椎名君にもよろしくね』
そして電話は切れた
「ごめん椎名君。マユに手を組んでる事バレちゃった」
「そんなことは大丈夫だよ。それより、さっきの話、、どうゆうことだ?」
この話をしていいものか、、もしかしたら椎名君もマユと同じで脅して来るんじゃ、、
「あのな、、俺はあんなクソ野郎とは違う。さっきの話を使って無理難題を押し付けたりしない」
彼の眼は真っすぐで、噓は言ってなかったと思う。
いや、待てよ、、
「いや、入学式後に真っ先に脅してきたじゃない!」
そうだった危うく騙されるとこだった。
マユはクソ野郎二号で、一号は椎名君ってことを、、
「その、、あの時はごめん。俺バカだからさ、ああするしか目的を達成できそうになくて、」
アニメのテンプレを言いながら謝ってきた椎名君を見ていたら、信頼してもいい気がしてきた。
「分かった。私の過去を話すわ、その代わりあなたの目的を教えて。」
正直、この場面で私の過去を明かす必要性はない。
きっとこのまま何も言わなくても、椎名君は協力してくれる。
だけどマユが知っている以上、いつ椎名君にバレてもおかしくない。
つまりこの交換条件で得をするのは、、私だけってこと!
そう心では割り切っていたが、本当は言いたくなかった。
「分かった。でも、今すぐは言えない。生徒会選挙が終わったら話す。」
だが椎名君は乗ってきた。
この過去を椎名君に言ったところでなんも変わらない。
だけど、、もしかしたら何かが変わるかも、、
そんな淡い期待を胸に、橋本レンは語り出した
「それじゃ話すわ。私がオタクって事を隠すようになったきっかけの事件を、、」
更新したらX(Twitter)でポストするのでまた読んでくれたら幸いです。




