第10話 過去
「話すわ、、私がオタクってことを隠すようになった事件を、」
「あれは中学2年の時よ」
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「レンちゃん!今週のアニメ見た?面白かったよね」
「そうだね!マジ来週も楽しみ」
そんなことを三人の仲間内、でクラスの端っこで話す毎日だった。
だが周りの目を気にせず、自分の趣味の話を気兼ねせず話していた時だった。
『そのアニメ私もみてる!』
クラスの中心のわかなちゃんだった。
詳しい話の内容は自己防衛なのかわからないが思い出せない。
だが、アニメの少しの価値観の違いで怒らせてしまった。
『橋本さんありえないんだけど』
その一言でハブられるに十分だった。
その日境に、あたかも”橋本レン”が存在しないかの様に扱われた。
クラスの中心の女子や男子は完全無視。
だけど元々仲の良かった子たちは学校終わり、こっそりと話してくれた。
「レンちゃんごめんね」
「ほんとにごめん、、でも、わかなさんが、、、」
「もう二人とも謝らないで、元は私が口喧嘩しちゃったのが原因だもん」
「それにね、こうして2人がコッソリ話してくれる、、それだけで救われる!」
レンが無視されて3か月頃だった、
仲の良い2人にも、イジメの標的が向き始めたのだ。
「もう、、限界、」
「私だけなら耐えれる、でも2人に危害を加えるのは許さない。」
怒りが限界に達し、わかなを旧校舎の踊り場に呼び出した。
「はぁ、、、何この手紙?」
「そうでもしないと来ないでしょ?」
「それにしてもね笑、”この手紙を無視したら危害を加える”なんて中二病、臭くて笑っちゃった」
「そんな事どうでもいいでしょ、、」
怖い。今にも逃げ出したい。
でも、アニメや漫画みたいに『主人公が正義』とか『仲直りして一件落着』とか思っていた。
「それで、オタクのあんた何の用?」
「わ、私以外をいじめるのは辞めて、、、」
「え!?聞こえない笑」
「私以外をいじめるのは辞めて!」
「うるさ笑、そんなに声出さなくても聞こえるって」
「あっ、そうだ笑」
そう言ってわかなは階段を降りた。
いや、転がり落ちた。
そして物陰からタイミングよく出てきた若菜の取り巻きが騒ぎ立てた。
それからのことは、ほとんどが覚えてない。
先生が来て私を怒り狂った顔で怒った事
救急車が来て大事になった事。
いくら説明して無駄だった事。
後から聞いた話によると
仲の悪かった2人が喧嘩して、一方的に片方が相手を押した。
押された方は来ないと危害を加えると脅されていた。
こうした状況になっていた。
「橋本さん、なんでわかなさんの事階段から突き落としたの?」
「レン、、あなたはなんてことを、、、」
「もう一度謝りに行こう、、」
実際わかなが私をイジメていた決定的な証拠は無く、仲のいい2人は次の標的にされるのが怖くて何も言ってくれなかった。
話を聞かない先生。
日頃たいして興味もないくせに、こんな時にだけ保護者気取りの母親。
実の娘より相手を信じる父親。
全ての事が面倒くさいと思うようになり、私は引きこもった。
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「どう?笑えるでしょ」
「私は地元では傷害事件を起こしたオタク野郎ってわけ」
自分を卑下する様に笑う。
ずっと黙って聞いていた椎名君が口を開いた。
「なんで今は陽キャなんかになってるんだ?」
「そんなの簡単よ。『私が生徒会なんて慣れやしない。』を読んで華やかな学園生活に憧れたからよ。」
「私って単純よね、、ラノベに憧れて引きこもりを辞めるとか」
「どう?幻滅した?」
「あぁ」
え?こういう時って幻滅しないものじゃないの?
「なんでもっと説明しなかったんだよ!なんであの時諦めたんだよ!」
「椎名君には分からないでしょ!」
「どれだけ言ってもわかってもらえない、ただある事実は私が悪い事だけ、、」
「この世は真実よりも事実が絶対なのよ」
「、、ごめん。俺が無神経だった。」
「私はね、、もう過去のことは割り切ってるからもういいの、、私の方こそごめん。」
椎名君は私にかける言葉を探しているようだった。
「でもね、最初にオタクってバレたときほんとに終わったと思ったの。もしかしてまた、いじめられるんじゃないかって」
「でも椎名君はただ目的を達成したいだけなんでしょ?」
「そうだ、、俺は絶対イジメるような真似はしない。」
真っすぐな目でこちらを見る。
「そうだよね。椎名君はそんな悪い人じゃなさそうだもん。」
「それとも悪い人?」
いたずらに微笑んでみる
「そ、そんなことないって!」
「だよね笑。これからもよろしくね」
橋本レンは心では割り切っているつもりだったが、本当に過去のことを割り切ったのはこの時だった。
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