第4話 要求
椎名はなんやかんやでこの一週間は何も要求してこなかった。
特に親しげに話すわけでもなく、毎朝挨拶を交わす程度だ。
「よーしお前ら全員いるな。今日はこのクラスの学級委員をきめるぞ」
学級委員。
そうこれは陽キャと陰キャのハイブリッドである。
陰キャ真面目では学級委員を押し付けられ、陽キャでは自分から立候補する。
この問題アニメでやった所だ!
そうと決まれば話は早い。
「私がやります!」
そんな私の声に続いてクラス中から
「やっぱり橋本さんがいいと思ってた!」
「あの橋本さんを差し置いて誰ができるんだよ!」
「流石レンさん!」
と賞賛の嵐だった。
そんな中私は内心こう思う
(キターーーーーー、、これアニメの主人公ポジきたっしょ。うん。 やっぱり私は陽キャやな。)
(でも待てよ。アニメテンプレだともう一人のクラス委員は、、あのクソ野郎!?)
と、思ているのもつかの間、マユが手を挙げた。
「はい、はーい。レンっちがやるなら私もやる!!」
そんな一声で彼女のクラス委員は決まった。
まあ、実際の所そんな展開ならないよね。
そもそもあいつと一緒とかこっちからお断りだし、、
席に戻ると話しかけられた。
「レンさんレンさん。俺アニメのテンプレ的に俺もやるのかと思っちゃったよ笑」
「なによ。あんたみたいな人がなれるわけないでしょ」
「レンさん辛辣~。ところで、、」
周りに聞かれないように少し顔を近づけ声量を落とす。
「今日の放課後こないだの公園来てよ。頼みたいことがあるんだ」
とうとう来た。私を脅す気だ、、
だが相手に弱みを見せてはならない。いかにも平然な顔で返事をした。
「分かったわ。」
正直一日中何の要求か気になっていたが、ばれていないと思う。
そして放課後
「きたわ!」
ベンチで気持ちよさそうにうたた寝してる椎名君を起こす。
カバンでの攻撃を添えて。
「いった!!なんで殴るんだよ!」
「人を呼び出しといて良いご身分ね。それで、要求はなに?」
「話が早くて助かるぜ。それは、、、」
とてつもなく悪い顔をしてためる、
どんな要求をするんだ、、、
「それは、、勉強を教えてくれ!!」
「は?」
「勉強くらい普通に教えるわよ!何をためて言ってんのよ!」
「いやだって、レンさんは入試トップでしょ?そんな人に頼むなんて普通できないって」
全く変に緊張させやがって、、
少し気が緩んだが、見られている気がして周りを見る。
「おいどうしたんだよ。急にきょろきょろしだして。」
「なんか見やれている気がするのよ。まあ気のせいよね、、」
「なんてね!そこにいるのは分かっているわ!」
と虚空に向かって叫ぶ。まさかいるわけ、、、
そんな人思いとは裏腹に一人の人間がでてくる
「マユっち!?」
「吉田さん!?」
いるんかい
「やっぴ~、、じゃないか。ごめんね盗み見るみたいになって、、」
ま、まずい、、見られた、、と、とりあえず言い訳を、、と思った矢先マユが口を開く。
「あのね、今日朝レンちと私クラス委員になったじゃん。それでね、めっちゃワクワクしてたんだけど、レンっち今日一日、何か思いつめた顔してるし、、もしかしてクラス委員なるの嫌なのかなって、、それでちゃんと二人で話そうかなってちょっと後をつけたら、、、みちゃった☆」
途中までの真剣反省モードギャルもいいがお茶目ギャルモードも良い、、て考えてる場合じゃないか
「あの吉田さん実は、、」
椎名君がカバンから何か紙を取り出しマユに見せる。
「こ、これは、、テスト用紙?しかも19点って赤点じゃーん!ウケるw」
「実は俺こないだやった小テストが悪くてさ、頭いいレンさんに勉強を見てくれるように頼んでたんだよ!」
「こんな人気のない公園にまで呼び出して?」
ギャルの疑いの目は怖い
「こんな点数クラスメイトに見られたら恥ずかしいだろ、、それにレンさんが今日浮かない顔してたのは、俺みたいな絶望的なアホに勉強を教えるかどうか迷てたんだよ、、」
「確かにね、、疑ってごめんね!」
ギャルの反省顔はかわいい。
何をどう疑ったかは聞かないでおく。
「マユっち。とりあえずこういう事だから、、心配かけてごめんね?」
「ううん大丈夫、、それでさ、、」
マユがおもむろにカバンから取り出し、何かを私に渡す
テスト用紙だ。23点の
「あのね、、実は私も赤点でして、私にも勉強を教えてください!」
ギャルの恥じらい顔は良い。
「それじゃ今度三人で勉強会しよっか」
「やった!レンっちありがと!!」
そう言って喜んだマユはバイトがあるからと足早に帰っていった。
「あのさ、、ありがと」
「え?俺なんもしてないよ?勉強教えて貰うのも俺だし」
「じゃなくて、今回の状況だったら私のオタクばらして、言い訳すればわざわざ悪いテスト見せなくても済んだのに、、」
「レンさん、、さすがにそんなことしないよ、、、俺どんな人だと思われてるの」
少し引いた目で見てくる
「え?、私を脅すクソ野郎、、?」
「っておいひどいな」
こうして二人の笑い声が起こった。
意外と椎名君はいい人なのかもしれない。
こうして椎名君の好感度は少し上がった。
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