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【一年生編完】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第五章 魔導大会編

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317話 変人の家系



『おぉーっ、なんということだ! Cブロック開始早々、降り注ぐ雷の魔術により、百一名いた選手はその半数近くが脱落してしまった!

 波乱の幕開けとしたのは、ナーダ・デルマニ選手! よもや彼の一人勝ちと思われたが、それを阻止した選手が現れたー!』


「けへへへへ!」


 先ほどの見事な雷の魔術……あれが続いていれば、あの一手でナーダが勝ち残るとまではいかなくても、もっと選手を減らせたはずだ。

 しかし、そうはならなかった。何者かが、ナーダを殴り飛ばしたからだ。


 その人物は、まるで優勝でもしたかのようにその場で両手を掲げ、笑っていた。


『ナーダ・デルマニ選手の猛撃を阻止したのは、ブルドーラ・アレクシャン選手だー!』


「うぉーっはははぁ!」


 スキンヘッド且つ上半身の男、その身に纏っているものはズボンのみ。なんとも心許ない。

 周りは、防具に身を固めたり、あるいは軽装である者がほとんどだ。魔導士は身体強化魔法で体を強くできるから防具を纏っているのは冒険者ばかりだ。


 また、軽装とはいっても彼……ブルドーラ・アレクシャンほど身軽な者はいない。

 だが、驚くべきはその体だ。


『ブルドーラ選手、所々体が焦げているぞ! これは、先ほどの雷の魔術が当たっていた証拠!

 しかし! 一発当たれば戦闘不能必死なそれを、何発も受けて平然としているのはどういうことだ!?』


 魔術をその身に受け、平然と立っている。そんなのは、ありえない。

 あるいは、体にはよほど強度のある魔力防壁がかけられているのかもしれない……それでも、先ほどの魔術を受け、無事で立っていられるはずがない。


 その謎は……すぐに、明らかになる。


「おぉおおお! 厄介な魔導士を倒してくれてありがとよ!」


 ブルドーラの死角から、一人の冒険者が狙う。音もなく近づき、剣を抜いて、無防備な体へと斬りかかる。

 しかし、剣を振り抜くその直前……ブルドーラは振り向き、冒険者と目があった。


 そして……


「ぬぅううん!」



 バキンッ……



 腕を振り回しぶつけ……ぶつけた先にあった剣を、砕いた。

 その光景に、冒険者は唖然として……その隙に、逆側の手で殴り飛ばされた。


 腕には、傷一つついていない。


『な、なんだ今のは!? 剣が、通らず……それどころか、砕けた!?

 いったいどれだけ強固な魔法で、肉体を強化しているんだ!?』


「ノンノンノン」


 驚愕するのは司会も同じだ。これを見ている会場の人間に状況を伝えるべく、叫ぶが……ブルドーラは、指を振り首も振る。


「オラっちは、魔法で体を強化なんてしていない……

 すべては素の力……鋼の肉体、サ!」


「ぐぉっ!」


 近くに迫っていた別の選手が、首元にラリアットをくらい吹き飛ばされる。

 魔導も使わず信じられないことだが、確かに彼から魔力は感じられない。身体強化をしていれば、魔力を感じないはずはない。


 予想もしない伏兵の存在に、コーロランは気を引き締めた。見たこともない聞いたこともない、相手だ。

 ……いや、違う。聞いたことはある。彼の名前ではない、家名をだ。


 アレクシャン……それを、コーロランは知っている。彼のことは知らない、けれどその家名は、知っている。


「……アレクシャン」


 ……同じことを、別室で試合をモニター越しに見ているエランも思っていた。

 蛮族みたいな姿をしている。あんな格好、一度見たら忘れられない。


 なのに、引っかかるのはこの家名。アレクシャンとは、どこかで聞いた名だ。


『アレクシャン家といえば、才能ある者を数多く排出してきた家です! ある意味で知らない人はいないのではないでしょうか!

 なぜなら、アレクシャン家は生粋の変……こほん、変わり者として有名だからです!』


「……ぁ」


 モニターの向こうで、司会が叫んでいるのを聞いて……エランは、思い出した。この家名を聞いたときのことを。

 あれはそうだ、魔導学園初日……入学して、組分けがあって、新しいクラスに初めて足を踏み入れた、あのとき。


 そこに、いたのだ……



『アレクシャン家は才ある人材を多く排出している家だ。

 だが、そのことごとくが……生粋の"変人"で有名だ』



 それは、ダルマスの言葉。まさに、今司会が言った言葉と一致している。

 そう、忘れもしない……あの、キザなオールバックの……ふてぶてしい、あの男のことを。


 アレクシャン、それはエランのクラスにいる、あの……


「あの筋肉男の身内かー!?」


 たまらず、エランは叫んでいた。周囲の人が驚くが、そんなのはお構い無しだ。

 それを離れたところで聞いていたイザリ・ダルマスも似た気持ちであった。


 入学早々、なんか意味不明なことを言いながら別の子の席を陣取り、魔石採取の授業ではろくに働きもしなかった男だ。

 モニター越しに映っているスキンヘッドの男は、イザリの関係者であることは間違いない。


「似てねぇ……」


 思わずイザリはつぶやいた。ブラドワール・アレクシャンとは魔石採取の授業以来絡んではこなかったが、彼の性格とブルドーラの性格は似ても似つかない。

 それに、見た目もだ。いろんな意味で、正反対に感じる。


 しかし、ブルドーラを見て、一つ確信したことがある。

 ……アレクシャン家には、変人が多い、と。


「うへーっへへへ!」


 アレクシャン家は有名な貴族の家だが、その振る舞いはとても貴族とは思えない。

 見た目も、言葉遣いも……


 しかし、魔法もなしに魔術に耐え得る肉体……そしてその身一つで他の選手をなぎ倒していく姿には、ただただ舌を巻くばかりだ。

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