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斧使いのおっさん冒険者ハーレム英雄譚 ~報われない人生が神話級の斧に出会って激変する話~  作者: いかぽん
第4部/第3章

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キャットファイト

 全身を薬物に侵された上に、羽交い絞めにされているアウローラ。

 聖剣使いの少女は、それでも──


「はぁっ……はぁっ……くっ……! ──そう、簡単に……!」


「何……!?」


 渾身の力と精神力を振り絞って、羽交い絞めにしていたルーナを振りほどき、投げ飛ばす。


 聖剣使いの人並外れた力で投げられたルーナは、それでもアクロバティックに体勢を整えて着地。

 すぐさま立ち上がると、剣を引き抜いてアウローラと対峙する。


 アウローラもまた、聖剣を構えてルーナと向かい合った。


「はぁーっ……はぁーっ……ま、負けませんわ……私はおじさまのように、強くなりますの……!」


 半ばまで虚ろになった瞳で、それでも立ち向かう意志を見せるアウローラ。

 少女の頬は真っ赤に染まり、脚はガクガクと震えている。


 その様子を見て、鞭使いの女性が感心したような声をあげる。


「あらあらまあまあ、頑張るわねぇ。少量で象でも耐えられなくなる薬なのに、よっぽど抵抗力が強いのかしら? でも──」


「くっ……!」


 鞭使いがヒュンと鞭を振るう。

 中距離からの攻撃。


 アウローラはそれを、とっさに飛び退って回避する。


 だが着地の先で、がくりと片膝をつく。


「はぁーっ……はぁーっ……負けない……負けませんわ……!」


「うふふふっ……その無様に抵抗する姿、ぞくぞくするわぁ……♡ そんなかわいらしい神器使いは、これからたっぷりと調教して、私のペットにしてあげますね~」


「だ、誰が……私の体は……私をペットにしていいのは……おじさまだけですわ……!」


 アウローラは、自分でも何を口走っているか分からないままに、それでも気力を振り絞って立ち上がる。


 だとしても、聖剣使いの少女に勝ち目はないように思えた。

 しかし、そこに──


「──よく言った、アウローラ!」


 ボーイッシュな少女の声が響き渡る。

 それは山の下から駆け上がってきた、黒髪ポニーテールの剣士の声。


 さらにもう二人、猫耳族の獣人の少女と、杖を手にした長い銀髪の少女が現れる。


 三人の少女たちはアウローラを守るように素早く割って入り、鞭使いと聖騎士ルーナを牽制するように武器を構えた。


「アウローラ、すごいことになってるにゃね……。大丈夫にゃ?」


「百合も構いませんが、どうやらそういう問題ではなさそうですね」


 三人とも、淡く輝く神々しい装いをしている。

 その格好には覚えがなかったが、アウローラは希望を抱いて、少女たちの名をつぶやく。


「エレンさん、ミィナさん……それに、セラフィーナさん……どうして、ここに……おじさまと一緒に……別の任務に、向かったはずじゃ……」


「ダグラス様はすべてお見通しということですよ──解毒(ニュートラライズ)!」


 セラフィーナが解毒魔法を唱えると、アウローラの体を蝕んでいた薬の効果が消え去った。


 体調を取り戻した聖剣使いの少女は、三人の少女たちの横に立って並ぶ。


「アウローラ、戦えそうにゃ?」


「え、ええ。もう大丈夫ですわ」


「でもさっきの戦いながらハァハァ言ってるアウローラ、かわいかったなぁ」


「エ、エレンさん! そういうことは言わないでくださいの!」


 一方、復帰した聖剣使いの姿を見て面白くないといった顔になったのは、鞭使いの女性だ。


「……ルーナ。これはどういうことかしら?」


「そ、そんな……どうして……冒険者たちには、偽の任務に行かせたはずなのに……!?」


 鞭使いの隣でカタカタと震える聖騎士ルーナ。


 そこに鞭使いから、死刑宣告が下る。


「ルーナ、あなた謀られたわね? これはあとでお仕置きが必要ね」


「ひっ……! ま、待ってくださいイェソド様! これは何かの間違いで……」


「言い訳はここを切り抜けられたら聞いてあげる。……ああもう、ペットにしたいかわいい子たちがこんなにたくさんいるのに。癪だわ~」


 鞭使いはひゅんと鞭を振り、戦闘姿勢をとった。


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