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神には届かない  作者: 空野
神には届かない
47/93

AM4:10


 ふと、目が覚めた。


(……まだ、夜明け前だ)


 カーテン越しに伺える外の暗さに、グースの瞼は再び重くなる。夢と現実の境目、一番、ふわふわと気持ち良い眠気が全身を包んでいた。

 手にしたまま眠っていた受話器からは、特に物音はしない。けれど、どこかに繋がっているという確実な事実が、とても、心地良かった。


「……どんな料理、御馳走してもらおうかな」


 ふあ、と、小さく欠伸が漏れる。

 体温で温まった柔らかい毛布の海の中。

 なにもかも揃っている気がする、穏やかでいて、絶対の、温かい海。

 ポロリと、干上がったと思っていたものが零れ落ちる。


「……ほんと、おなかへった」


 囁いて、微笑んだ。


 そういえば、幸福な時も、人は、涙を流せるのだったか。


 目を閉じて、もう一度、心地よい眠りに沈み込む。

 ゆったりと、揺られるように沈み込む意識の全部で、夜明けを待ち遠しく思う。

 これから続いていく、今日を、明日を、明後日を。

 未来の全部を、待ち遠しく、思う。


 ずっと、全てが続けば良いと、思った。


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