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神には届かない  作者: 空野
神には届かない
3/93

AM11:03


 第二次世界大戦の最中。

 当時王政であったセウェス王国のアルベルト2世国王は、国民議会の反対を押し切り、ナチス・ドイツと共に枢軸国側での参戦を決定。国内には望まぬ軍国主義の敬礼が溢れ、軍靴の鳴らす不穏な行進の音が響くようになる。


 そして、これにより、20世紀に入ってもなお独裁色の強い王権に反発した世論は、クラウズ・タインズという〝傑物〟を生み出した。


 時は1944年。


 王室護衛軍の中将であったタインズは、クーデターを決行。結果、アルベルト2世はドイツに亡命。セウェス王国はセウェス議会国と名を変え、大戦における立ち位置は連合国側へと改められた。


 そうして、大戦を越えた国民は、誰もが共和制の、民主主義による平穏を信じたのである。


 ところが。


 しばしの後、タインズは豹変した。

革命の〝傑物〟は、恐ろしい独裁の〝怪物〟へと姿を変える。議会の決議は封殺され、かのフランスのロベスピエール再来よろしく、恐怖政治による独裁が行われ始めたのだ。


 独裁による恐怖の日々。

 その果てに、ついに国民議会の議長、オスカー・クロウの率いる議会軍が蜂起。


 独裁軍と議会軍。2つの勢力の争いは、やがて泥沼の内戦へと突き進んでいく。


 そうして、長い、長い、内戦状態が続いた。

 深く、重く。

 この国は、そのまま戦禍の底に沈もうとしていた。


 しかし。

 やがて、1人の〝英雄〟が、現れたのだ。


 泥沼の内戦に終止符を打った、その〝英雄〟の、名前は。


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