↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
63/97

62話 新たな日だまり

すべての界を巻き込んだ大戦が終わり、世界に本当の美しき青空が戻ってから数日後。

神界の最奥に広がる、色鮮やかな花々が咲き誇る美しい庭園に、世界を救った仲間たちが一堂に集まっていた。


『では、我らは龍神界と幻獣界の戦後処理、そして新たな調停へと戻るとしよう。シン、ユイ、またいつでも我らの領域へ遊びに来るがよい』


眩い黄金の神聖な光を纏った龍神王マスタードラゴンと、幻獣王バハムートがその巨大な翼を大きく広げる。二人の大いなる王は、世界を滅びから救い出した若き少年たちに向かって深く一礼すると、それぞれの至高の領域へと悠然と空を昇り、帰還していった。


「僕たち勇者一行は、しばらくこのままここに残って、神界の復興を手伝うつもりだよ。神々も今回のサタンの件で、かなり大混乱しているみたいだからね」


勇者ライトがいつもの爽やかな笑みを浮かべて語りかける。その隣では、魔法剣士カイル、賢者サーラ、そして聖女ソフィアが優しく頷いていた。

ソフィアは「今回の戦いで自分の未熟さを知りました。もっとみんなを後ろから支えられるように、神界の神聖魔術をイチから勉強してみます!」と、嬉しそうに拳を握って意気込んでいる。


「それで……シン、ユイ。お前たちはこれからどうするんだ? 一度、人間界のあの懐かしい場所へ戻るのか?」


ライトの真っ直ぐな問いかけに、シンとユイは互いに顔を見合わせると、どこか悪戯っぽく、しかし晴れやかに微笑んだ。


「ううん。僕とユイは、人間界には戻らないよ。――これからしばらくは、ジンさんたちのところで暮らしながら、もう一度修行させてもらう事にしたんだ」


「えっ!?」


ライトたちが驚きの声を上げる中、一行の背後で退屈そうに腕を組んでいたジンが、「フッ」と口元を不敵に歪めて笑う。


「おいおい、勝手に決めやがって。言っておくが、俺のこれからの修行はサタンの闇よりも何十倍も厳しいぜ? 覚悟しとけよ、シン」


「はい、ジンさん!」


シンは迷いのない瞳で力強く頷いた。

神をも超える完全な力を手に入れた今だからこそ、それに溺れることなく、正しくその力を使いこなすために。もう一度、信頼する師匠の元でイチから心と技術を鍛え直したい――それこそが、シンが自分で選び取った次なる道だった。


「わーい! 決まりだね! わたしたちもこれからずっと一緒だよ!」


「ジンの作ってくれる美味しいご飯が、これからも毎日食べられるね、モカ!」


妖精のモカとココアがシンの周りを嬉しそうにパタパタと飛び回り、その様子を見ていたガイルも、ふんと鼻を鳴らした。

「ま、俺様がついててやらねえと、このお転婆な聖獣どものお守りは誰も務まらねえからな。しょうがねえ、付き合ってやるよ 小僧は我の弟子でもあるからな。」


「本当に、これからますます賑やかになりそうね。もしジンにイジワルされたり困ったことがあれば、いつでも私を頼りなさい」


ヒミコが呆れたように肩をすくめつつも、その慈愛に満ちた温かい瞳でシンたちを優しく見送る。


「それじゃあ、みんな、またね!」


「ライトさん、カイルさん、サーラさん、ソフィアちゃん、またねーっ!」


ユイとシンが大きく手を振り、ジンたちと共に、新緑の道を静かに一歩踏み出す。

これから彼らを待ち受けているのは、世界の命運を懸けた壮絶な戦いではない。ジンとの容赦のない厳しい修行、聖獣たちの賑やかな笑い声、ガイルの毎度お馴染みのぼやき、そして何より――シンとユイの間に優しく流れる、穏やかで温かい、かけがえのない日常の時間。


木々の隙間から優しく降り注ぐ木漏れ日の中、世界を救った少年たちの新しい物語が、いま静かに幕を開けた。

最後までお読み下さいましてありがとうございます。感想書いて貰えれば嬉しいです。 第2部終了です。次回より3部になります。引き続きよろしくお願いします。良い評価付けて貰えると励みになります。お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。