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出雲計画

「来ましたね」

「梵天丸さん、話って…え」


 スーシアに言われたので艦橋に向かうと梵天丸さんの他にシャーロックさん達艦橋組がいた。全員を呼びだすとは結構な話なのかな?


「で、話って一体なんだよ。はやく済ませてくれ」


 焼き魚を手に漆捌さんが話をせかす。皆きっと祝勝会の途中に呼び出されたんだろうか色々な食べ物を持っている。


「では簡潔に」


 艦橋から下を見下ろしてた梵天丸さんはこちらに振り返る。


「この世界に来て早くも結構な月日が経ちました。私は疑問に思うのです。ここまで航海しても元の世界に帰るための手がかりは何も見つからない。犠牲が増えるだけ、なら、もう後悔しても意味無いのではと」


 確かに今までの情報はこの世界に関する情報ばかりで元の世界に戻る為の方法は何も分かっていない。


「ならば…戻るのを諦めてこの世界…いえ日本に永住することが幸せなのではないかと!」


 バッと両手を広げて梵天丸さんが宣言する。


「私はここに出雲計画の始動を宣言します。以後信濃の指揮権は私が引き継ぎます」

「出雲計画…」


 突然出てきた単語だが聞き覚えがある。あの作品のリメイクで聞いた。でもその計画の名を関するということは


「梵天丸さん、貴女は元の世界に帰りたくないということですか?」


 元ネタでは地球への帰還を諦めて移住に適した星に移り住むこと。この作戦通りの意味であるなら、帰還、元の世界に帰ることを諦めてこの世界に住むことと理解できる。


「はい、これより私達の目的は元の世界に帰ることではなく、この世界でどう生きてどう死ぬかになります。なので皆さんにはこれ以上の抵抗なくここで暮らすことを受け入れていただきたく」


「ふ、ふざけないでよ!!それじゃ私は私の体はどうなるのよ!!」


 黒雪さんが怒鳴る。あの体にもある程度慣れた彼女だが、だからと言ってあきらめたわけではない。それを実質諦めるように言っている梵天丸さんが許せないだろう。


「梵天丸さん、本気なんですか?」

「本気です」

「……そうですか。ですが、自分たちは元の世界に帰ることを諦めるわけにはいきません」


 当たり前だ。黒雪さんだけじゃなくそう簡単に諦めてなるものか。そのために旅をしてきたんだ。そのための犠牲だって…


「でしょうね。そんな簡単に皆さんが諦めるとは思っていませんから、しかし阻止させてもらいます」

「どうやって?いくら梵天丸さんと言えど私達を止められるほどの力はありませんよね?」


 梵天丸さん一人に対して、こっちはシャーロックさんと漆捌さん、黒雪さんと俺の四人数でいけば簡単ではないが取り押さえられる。


「確かに私だけなら無理ですね。私だけなら」


 カチャリ、俺の後ろで誰かが何かを構える音がした。状況からして梵天丸さんの協力者といった所か、一体誰がそう思って振り返った俺の目に映ったのは、銃を俺に向けるスーシアだった。


「スーシア?」


思ってもみない出来事に言葉を失い動きが止まる。


「申し訳ありません艦長」

「なんで」

「…………」


 スーシアは何も答えない。ただ目を逸らして銃口をこちらに向けているだけだ。何でスーシアが、考えるが理由が思いつかない。何か嫌われるような事をしたか、無理強いをさせてしまったか、仕事を手伝わせすぎたのか?分からない。スーシアが裏切る理由が分らない。

俺の混乱を他所に梵天丸さんが口を開く。


「既にあなた達以外の乗組員への説得は完了しています。因みにこの部屋の出入り口、通気口には漆捌さんの治安部隊が控えているので手を出さない方がいいですよ」

「な?!……」


 もう既に手は打たれているのか。漆捌さんのところの子は特殊部隊としての立ち位置があって戦闘に関しては俺たちがかなうわけがない。


「なので大人しくしていてください。そうすれば怪我をせずに済みますから」


 もうすでに梵天丸さんによる根回しは済んでいたと

今俺たちにできることはなにもなさそうだ


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