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秘密兵器と最終手段

赤道祭の時に水着回にすればよかった

「魔水充填100%。主砲1番と3番、主砲2番に接続」


 並列砲の準備として2番が撃つ方角に回頭して1番が180度周り、3番と一緒に2番の側面に砲身を合体させる。これで3番と1番の火力を合体させて2番が発射する。これが並列砲。


「主砲4、5番、実弾で敵艦へ攻撃開始、ただし当てずにこっちに頭を向けさせるな」


 並列砲の発射準備中につき使われていない主砲と副砲を使ってドレッドノートを攻撃する。とはいえ並列砲で当てたい所は船体のど真ん中だからドレッドノートがこっちに艦首を向けてもらうわけにはいかない。ダメージソース的に艦首を向けさせるまでに主砲で攻撃するより、並列砲で弾薬庫を誘爆させた方がでかい。


「クロトリ部隊遮光グラスをつきヘルメットを装備して展開、敵艦からの攻撃に注意しつつこちらの艦首と艦尾に張り付いて」

『コピー』

「三笠からの返答確認、所定座標へ照準合わせて待機します」


 並列砲の発射に伴って発動した作戦のために色々な指示が艦橋から飛び出す。並列砲は直列砲に比べて照射時間が砲塔二個分なので長いが、威力は直列砲の方が高い。

そして、並列砲は照射時間が長いので敵戦艦と同じ向き、同航戦で撃ちあわなければならない。

また、砲台が固定されるので当て続けるには同じ速度で相手の動きに合わせるか制御しなくてはならないが、直列砲と同じくエネルギーをほぼ全部並列砲に回すので信濃は動かせない。普通に考えて動いている戦艦に当てることはできないし、実際に並列砲は島とか動かない攻撃目標に対して放っていた。


「カメラと射線を同期、艦橋シャッター降ろします」

「クロトリ部隊行動開始」


 だが、クロトリ部隊に艦首と艦尾を押してもらうことで無理やり信濃をその場で回頭させて、強引に照準を合わせる。ゲームでは細かい指示が出来なかったのもあってできなかったが、ここならできる。

クロトリの水上バイク1機だけなら動かないがクロトリ全機で艦首と艦尾を同時に押すことでゆっくり船体が回転を始める。


「敵艦速度上がる」

「逃げる気も知れないが遅い!」


 戦艦の速度は速い方の金剛型で30ノット前後、ゲームの改造船だからもう少し早いかもしれないが横っ腹見せてる時点で狙いたい放題。


「敵艦軸線上に乗りました」


 ゆっくり降りてくるトリガーを掴んで正面に下ろす。モニターの各チェックが『良』になるのを尻目にゴーグルをかける。並列砲が横を狙うので照準出来なかったが、カメラの映像をゴーグルとトリガーに同期させることで照準を狙えるようになった。


「最終セーフティ解除、船体固定……はしなくてよろし、並列砲発射」

「並列砲発射!!」


 直列砲と同じトリガーを引けば衝撃と共にシャッターの隙間からまばゆい光が見える。


「直撃!」


 ヨシこのまま、直撃させて弾薬庫まで融解させて……


「艦長!船体が!」

「え?ってな?!」


 気が付いた時には船体が斜めに傾き始めている。椅子から落ちないように机のを端を掴む。どういうことだ?!


「並列砲の反動が殺しきれず、船体が傾き始めています!並列砲の射線上から外れます!」


 まずい、ゲームだとその辺りの物理演算は想定されていなかったから考えから抜けてた。

照射を止める?いや、いったん止めると再発射まで時間がかかる。というより主砲が二連射に耐えられない。

……そうだ!


「バラストタンク片方注水、海水の重さでバランスをとる」

「了解、バラストタンク注水開始!」

「移動可能な乗組員は左舷に移動、少しでも傾きを押えます」

「主砲4、5、副砲は右舷の海水へ砲撃開始、発射の反動を利用する」

「主砲発射!ついでに機銃も撃て!少しでも傾斜を戻せ!」


 傍から見ると船体が傾き始めて主砲が水面に向かって撃ち始めるというシュールな光景に見えたかもしれないが、こちらは本気で動いている。


 皆の奮闘もあって時間がたたずに傾斜が戻ってく、問題は貫通できるほど照射できるかどうか


 並列砲の照射時間内に貫通できれば内部は一瞬で破壊できる。弾薬庫とかに引火できれば誘爆で致命傷まで追い込める。貫通できなければ……


「照射終了まで3…2…1…並列砲照射終了」


 直後にガクンと船体が傾く。並列砲の反動で相殺されていた傾きが戻ったのだ。


「カメラオン、敵艦の確認……装甲貫通認めらず!!」


 モニターを見ればドロドロに赤熱しているが、装甲に穴が開いているわけではない。もうひと踏ん張りが足りなかったか…!とはいえ、あのなんちゃってミサイルの発射装置は熔けて使い物にならない。


「主砲4,5!」

「無理だ!回頭が終わってないし、仮に出来たとしてもこの角度じゃ狙えねぇ」


 並列砲の反動を抑えるために入れいたバラストが今度は信濃を逆側に傾かせ始めた。


「バラスト排水、急いで!」

「敵艦主砲発砲、直撃コース!」


 梵天丸さんの報告からそれほど時間がたたないうちに船体が揺さぶられるほどの衝撃が来る。


「スーシア」

「了解です艦長」

「船体復元完了」

「回頭完了、照準よろし」

「主砲撃ち方はじめ!!」

「てぇ!!」


 とはいえ、機関が先の並列砲の影響が残ってまだ十分に魔水を回せないんので信濃は動かない。片や敵さんは装甲はドロドロだが、機関そのものは健在なので速力に衰えが見えない。動いているものと動いていないものどっちが当たりやすいかを聞かれれば十中八九動いていない方と答える。


「第三区画、展望室、被弾!消化間に合いません」

「低射砲台、完全に沈黙」

「魚雷発射管被害甚大!!」

「主砲手応答しろ!!」


 次々に上がる報告と船体が染まっていく信濃の被害図

信濃が穴だらけだ。

だからこそ勝つ算段がある。


「フルバースト準備!!」

「ここでフルバースト?!」

「梵天丸さん、敵が現在のルートを進んだ場合に信濃の前方を通過する時間を三笠に送信」

「了解です」

「同時にフルバーストした時の信濃が敵船に直撃するタイミングを測定」

「え、まさか」

「そう、ラムアタックかましますよ」


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