赤道祭その1
「それで何で甲板で閑古鳥が鳴いてるの?ドライ」
信濃の甲板、砲身から艦首まで様々な装飾が彩られ、甲板には出店が並んでいる。お金は取らないのである意味バイキング状態でほとんどに人だかりが見える。その中で一つ誰も寄り付かないお店があったので様子を見たらさっきスーシアが話していたドライ監修の射撃屋だった。
「なぜか誰も来ない」
「イユさん監修の難易度MAXの射撃じゃ萎えるだろ」
一応出店する店はスーシアからさっき渡されたリストに目を通してみたが射撃はこの店だけみたいだ。なのに誰もいないとかどんだけの難易度なんだ。商品取らせる気ないだろ
「最初はクロトリの子たちが変わりばんこにやってたんだが、梵天丸さんがチョコバナナを餌にみんな連れて行っちまった。……やってみない?」
「ミリ単位の射撃修正が必要な射撃なんてやるか」
「ミリじゃないマイクロだ!!」
「余計やらんわ!!あっちの手漕ぎボートレースの方が何倍も面白そうだわ!!」
いくらお金が発生しないからって何も取れないクソゲーに何度も挑戦する子はいない。スーシアもやってはいるけど取れは
「見てください艦長!!いっぱい取れました!」
そう報告するスーシアの両手にはあふれんばかりにいっぱいの商品がある。
「なん…だと…一体どうやって」
「イユ!」
ドライが店番をやっているイユにどういうことか聞く
「イエス、スーシア様は一発撃った直後、即座にリロード行いこちらが修正する前に2発目を発射いたしました」
「確かに物を直すまで撃ってはいけないというルールはない。凄いじゃんスーシア」
普通に感心して妹にやるように頭をなでると嬉しそうにはにかんで目を細める。しっぽがあったらものすごい勢いで振ってそうだ。
「ありがとうございます!!あ、イユさん袋くださいちょっと荷物が大きいので」
「ば、ばかな……」
「ドンマイ」
そう言いながらイユが商品を詰めた袋を受け取る。
「あ、艦長私の獲物なので私が持ちますよ」
「いや、スーシアにはこのラムネとチョコバナナもどきを食べてほしい。自分は食べれないから」
ステータス的には大丈夫かもしれないがどうせなら俺の片手を塞いでいる食べ物飲み物を消化してほしい。俺じゃ食べれないから
「……わかりました」
代わりに渡したチョコバナナもどきとラムネを受け取ってスーシアが食べ始める。かわいい
「イチャイチャしてんじゃないよそこぉ!!」
絶叫に近い嘆きでドライが叫ぶ。この程度をイチャイチャ扱いとは情けない。
「別に他に誰もいないからいいじゃん」
「だが、まだ!まだだ!まだ終わらんよ!!」
「あ、ここですよ梵天丸様この射撃です!!」
血の涙でも流しそうなドライの負け惜しみの最中に幼女に囲まれた梵天丸さんが来た。
「お、じゃあ早速やりますか」
「梵天丸さんどうも」
「おや春雷さん、その袋うまくやったみたいですね」
「ええ、スーシアがやってれました。梵天丸さんも挑戦に?」
「いい作戦を思いついたので」
「いいとも!ただ一発撃ったら商品を戻すからちょっと待ってくれよな!」
あ、さっきのスーシア対策だ。汚い
流石に10人くらいの人数全員が参加はできないので5人ほどコルク銃と弾を渡される。
「問題ありません行きますよ」
梵天丸さんの号令に合わせて参加者全員が一斉にリロードして構えた。
「ゑ?」
「てぇ!」
同時に発射されたコルク弾はこれまた同時に同じ賞品に直撃して勢いに負けた商品は吹っ飛んだ。なるほど複数人同時に撃って吹き飛ばすのか、スーシアの方法とは違いは早打ちする必要がなく威力は参加している人数に比例して増していくのでスーシアが取れなかった重量のある商品もとれそうだ。これは荒らされるな
「馬鹿な」
その様子を見ていた、子達が他の子を誘ってこっちに向かっている。これはにぎわいそうだな。対策のしようがない。
「スーシアこれ以上は邪魔になるから次のところに行こうか」
「わかりました艦長」
完全敗北で手をついてうなだれているドライはほっといて梵天丸さん達に挨拶をして離れていく。




